感情の発達はママの笑顔から
2017年3月16日
赤ちゃんが無邪気に笑った顔は、とても可愛らしいですね。見ているだけで幸せな、暖かい気持ちになります。
子どもは「嬉しい」「楽しい」と感じることで、笑顔になります。大人のようなつくり笑いはできません。
心から嬉しい!楽しい!幸せ!と思うことで、最高の笑顔を見せてくれます。
3~4ヶ月から、社会的微笑が始まります
生まれたばかりの赤ちゃんが、寝ているときに笑顔を見せることがあります。これは、感情が芽生えて笑っているのではなく、無意識に筋肉が動く「生理的微笑」「新生児微笑」と呼ばれるものです。
個人差はありますが、3ヶ月~4ヶ月くらいになると、お世話してくれるママやパパを安心できる人と理解して、頻繁に笑いかけるようになります。これを「社会的微笑」といいます。
社会的微笑を見せてくれるようになると、ママもパパも、自分を見てにっこり笑ってくれる赤ちゃんを、愛おしいという気持ちが増してより愛場を注ぎます。
家族とのコミュニケーションもどんどん深まっていきます。
赤ちゃんはママの顔をまねします
赤ちゃんは、抱っこされると、じっ~と顔を見つめますね。
ママが満面の笑みを見せると、赤ちゃんもにこにこと笑います。ママが悲しそうな顔をすると、泣き出したりすることもあります。これは、ものまねする神経細胞「ミラーニューロン」の働きによるものです。
生まれながらにして備わっている、鏡のように反応するミラーニューロンは、目で見た他人のしぐさと、同じ行動をとるように指令を伝える神経です。
赤ちゃんは、この神経細胞の働きで、ママの色々な表情や声をまねすると、表情を獲得し、感情も豊かになっていきます。
さらに、このミラーニューロンは、他人の心を理解する「共感力」を育むと考えられています。
共感力とは、相手の気持ちを同じように感じて行動する力です。例えば,自分達が遊んでいる近くに1人でポツンと立っている子を目にしたとき、さみしいんじゃないかな、と感じて「一緒に遊ぼう!」と声をかけてあげられる力です。
・他人の気持ちを表情から感じとる
・その場面で適切な行動をとる
・他人と協力して作業ができる
子どもたちは幼稚園、学校、社会人として生活していく中で、家族以外のたくさんの人と人間関係を築いていきます。それぞれの場面で、良好な関係をつくるときに大切なのが、コミュニケーション能力です。
集団生活をスムーズに行うためにも、共感力とコミュニケーション能力が必要になります。
最近の子どもたちはコミュニケーション能力が低下している、という声も聞かれます。
子どもは、ママの表情や行動から、敏感に心の状態を感じとることができます。
共感力は他人を思いやることができるという、人間のとても優れた能力です。小さなころから、相手の感情を感じとる力も育てていきたいですね。
☆加藤 香