仕事の教育
2018年3月23日
少し前に「13歳のハローワーク」という本が話題になりました。
簡単にいうと、職業の解説書みたいなものですが、今まで子どもにそれを解説するということがなかったのでしょう。
今回は、このくらいの年齢の子どもと仕事のことについてです。
保護者の皆さんは、子どもに「仕事の教育」をしたことがありますか?
息子は私の職業についてはよく理解していると思います。
「お母さんは、専門知識があってしっかり人に意見を言えるからその仕事に向いている。」というようなことを言われたことがあります。
それは“人がこうあるべきということ”ではなくて、この職業に必要なのはこんなこと、というとらえ方をしているのです。
そこまでわかっているのなら、息子は自分で就きたい職業を選んで必要なことをやっていくでしょう。
仕事は客観的なことだけが重要になってしまうと、仕事自体を苦痛にしてしまいます。
カウンセリングや保護者相談会で多い悩みは「勉強をしなくて困る」というものです。
なぜ、お母さんが困るのでしょうか?
困っているのは、子どもかもしれません。
なぜ、勉強をしなくてはならないのかを理解していないからです。遊びが楽しいと思うのは普通でしょう。
ビジネスの用語で「インサイトマーケティング」というものがあります。
「インサイト」は、インをサイトするわけですから、いわば箱に入っている見えない中身を予測したり洞察したりして、マーケティングの方法を考えるわけです。
そして、その先には「ユーザーインサイト」というものがあります。
「ユーザー=人間」ですから、そう簡単に中身は見えません。
「先生、またセミナーに行きますね。」と笑顔で言って帰った人が二度と来なかったり、セミナー中、苦い顔をしているのに毎回来てくれたり。
人間の中身は観ることが難しいのです。
これは、学校の勉強ができるだけでは難しい仕事です。
人の心や情緒を推し量らなければならない仕事です。
私は息子にあまり学校のテストのことは言いません。
しかし、勉強は大事だと思っています。
ただ勉強は色々な種類があり、好きなことをとことん勉強してもいいのです。
その好きなことを職業にしたければ、勉強や努力が必要です。
必要以上の「勉強しろ!」に効果はありません。
自分がどんな仕事をしていきていきたいか、どんな大人になっていきたいかを自分で考えさせる暇を与えない親が多いのです。
もし、何か目標があるなら、そのための努力にハッパをかけてもいいでしょう。
もし、何も目標がないなら、「将来なりたい自分の選択肢を増やすために勉強しておくといい」ということを教えてあげましょう。
世の中には色々な仕事があって、様々な人が活躍しているということを親子で学ぶ時期があってもいいかもしれませんね。
たくさんの素晴らしい人が社会を便利にしたり、困っている人の役に立ったり、時には人を楽しませたりしているのです。
大人だって時にはそこに思いを置いてもいいのではないでしょうか。
☆土屋 未来