高齢者の健康のためのキーワード「フレイル」とは?
2016年12月4日
皆さま、はじめまして。
パーソナルトレーナーの小山雅弘と申します。
現在2歳の息子のパパでもあります。
グループエクササイズのインストラクターをしたり、専門学校などで講師をしたりもしています。
これから皆さまのお役に立てるような情報をお伝えしていきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
「フレイル」=「虚弱・弱さ」
皆さんは、「フレイル」という言葉を聞いたことがありますか?
これは、これから日本の高齢者の健康を考えるうえで重要なキーワードです。
「虚弱・弱さ」という意味で、2014年5月に健常な状態と要介護状態の中間を指す言葉として、日本老年医学会が提唱しました。欧米では、20年以上前から医療現場で使われています。
フレイルの診断基準は日本ではまだないので、アメリカでの条件をご紹介します。
以下の5つの条件のうち3つが当てはまるとフレイルの可能性があります。
1.体重が減少している(1年で2~3kg減少)
2.疲れやすくなった(以前より実感している)
3.筋力が衰えている(買い物した荷物などが運ぶのが大変)
4.歩くのが遅くなった(横断歩道の青信号の間に渡りきれない)
5.活動性が低下している(外に出たくない)
フレイルの状態になってしまうと、生活の様々な場面で悪影響が出てきてしまいます。
1つ目は「身体的フレイル(身体的虚弱)」です。
筋肉量などの低下により、今までできていた、物を持つ、歩くといったことができなくなり、自分に自信がなくなってしまいます。
2つ目は「精神的フレイル(精神的虚弱)」です。
心身一如という言葉もある通り、心と身体は連動しています。身体的虚弱によって、周りに合わせることができなくなってしまうように感じ、自信がなくなってしまいます。
3つ目は「社会的フレイル(社会的虚弱)」です。
精神的虚弱からコミュニティーに入ることにも抵抗を感じるようになってしまいます。その結果、孤立してしまい、ますます身体を動かす機会が減ってしまいます。
「フレイル」にならないための、3つの運動
このような悪循環にならないようにるすためには、自分の身体を衰えさせないという行動が必要です。
そのひとつの手段が運動(トレーニング)です。
運動をして自分の身体に自信をもつことは、フレイル状態に陥ることを防ぐことにつながります。
それでは、どんな運動が必要なのでしょうか。
人間の基本的な運動である、呼吸・咀嚼・歩行につながる3つの動きができれば充分です。何も特別な運動をすることではありません。
1. 全身で思いっきり背伸びをすることから始めましょう!
「呼吸」の質を高めることで睡眠の質が上がります。これにより脳も休まるため、心身の回復が望めます。
2. 食事のとき、よく噛みましょう!
「咀嚼」を意識することで、食べ物の消化・吸収が促されます。身体づくりの元となる食べ物の吸収をスムーズにするために必要な運動です。
また、歯ごたえのあるもの、柔らかいものなど色々な刺激が重要です。
3.歩きましょう!
「歩行」は足の裏からの刺激が脳へ伝わり、身体全体へよい影響を与えてくれます。
何よりも、行動するのための基本となる動きです。
これらの、生活の基本の動きの3つの運動を適度に実施していくことで、フレイル状態になることを予防できます。
パパ、ママを支えてくれる存在である「おじいちゃん」「おばあちゃん」の健康も、家族が楽しく生活していくうえでは欠かせません。
最近少し体力不足を感じる方はぜひ試してみてください。
☆小山 雅弘