言いたいことと、言いたくないこと
2017年10月19日
子どもの話を聴いていますか?
「お母さんは何もわかってくれない・・・」
中学校で何回か、“人の話しを聴く”とはどのようなことかという授業をさせてもらったことがあります。
本来の目的は、子ども同士のコミュミニケーションをよくするということでしたが、その時の感想で多かったのが、お母さんに授業をした方がいいと思う、というもの。
子どもは気持ちをわかってほしいと言う前に、まずは話しを聴いてくれ!と思っているようです。
大人は、自分の知りたいことしか聞かないという特徴があります。
「今日、テストどうだった?」
「今日、学校どうだった?」
どうだった?と聞かれても、仕事なら仕事上の報告ができますが、子どもは「楽しかった」「できた(できない)」と答えるしかないのです。
答えを聞いた大人は、用事が済んだらいい加減に聞き流していることが多いようです。
もし、子どもに本当に言いたいことがあっても言えないことが増えていくと、やがてストレスになっていきます。
私たちは大事な物をなくしたら探しますよね。
それと同じで、幼い頃に自分の行き場のない心は、ずっと自分を探し続けます。
「なぜ些細なことでこんなにも不安になるのか」「色々なことに心配し過ぎるのか」と原因がわからないまま成長していくのです。
幼い頃、心配なことや不安なことをきちんと人に伝えることができて、しっかり聴いてくれる人がいたら、解決の方法や軽減の仕方を学んで成長することができるのです。
ろくに話しを聴かないで子どもの考えていることはわかるのでしょうか。
自分のエゴを押しつけていないでしょうか。
魚に向かって木登りが上手くなれ!と言っている親をよく見かけます。
子どもはそれに応えようと頑張ります。
やがて子どもが大人になったとき、相談にきます。
苦しい・・・のだと。
感情や言動には波があります。
これは、大人も子どもも一緒です。
それを無理に隠そうとする必要はないのです。
今の気持ちや感情が大事で、それを解消していきながら成長するのが子どもです。
我慢ばかりさせてもいつか辛くなるときがきます。
自己承認欲求が大きくなったり、自己否定が強くなったりという部分に現れることが多いのです。
「自分はいつもこうでなくてはいけない」と親にまで頑張っているのです。
子どもの気持ちを尊重しよう
人には本来、たくさんの豊かな気持ちがあります。
世の中には、たくさんの色があります。
親はそれを感じてほしいから、お休みの日に疲れていても色々な所に連れて行ってあげたい、お金がかかっても色々な経験をさせてあげたいと思うのですよね。
だったら、この先の子どものそれぞれの気持ちを尊重しましょう。
言いたくない感動だってあるのです。聴いて欲しいくだらないことだってあるのです。
聞きたくても“少し待つ”ことをしてみましょうか。
まずは、少しでもいいのです。聞きたいことを我慢してみましょう。
☆土屋 未来