男女で違うストレスの感じ方
2017年9月19日
先日、日本で講演会をする機会がありました。
250名近くのパワフルな女性経営者の前で、健康の極意として、家庭や地域でどのように健康を促進していったらよいか、という話をしました。
その後、懇親会があり、女性経営者の皆さんと話をし、仕事も家庭も両立している姿に、とても感銘を受けました。
男女で違う、ストレスの受け方
女性が横のつながりをつくるのがうまいことは、知られています。
年代や地域を越えて、あっという間に集った方たちが仲良くなる姿は、まさにそんな状況を見事に表していました。
女性の社会進出が進んでいる今、職場でも、家庭でも、男性と女性が支えあえる環境をつくることは、大切なことです。
その鍵となるのが、今回のテーマである「ストレスへの対応」です。
ストレスは万病の元とは昔からよく言います。
ストレスが身体に悪いことは、よく知られていますが、男女でストレスの受け方が違うことは、あまり知られていません。
職場でストレスを感じる男性、家でストレスを感じる女性
男性がストレスを感じるポイントは、職場での権限です。
職場での決定権や裁量権が低くなると、それがストレスとなり、心臓疾患の発生率が高くなります。
逆に女性は 職場での権限が低くても、心臓疾患の発生率は増えません。
逆に、職場での権限が増えて、仕事の要求が高いと心臓疾患が増える結果が出ています。
一方、女性がストレスを感じ安い場所は、家だといわれています。
家での意思決定権が低いと、心臓疾患の発生率が増える結果が報告されています。
確かに、多くの男性が「家のことは女性に任せている」といいますが、それもあながち間違いではないのかもしれません。
(参考文献:「命の格差は止められるか ハーバード日本人教授の、世界が注目する授業 」イチロー カワチ 著)
家事の分担が女性のストレスを減らす
とはいえ、なんでも家庭のことを任されて男性は知らんぷり、というのでは女性も気分良くないでしょう。
実は、ここにもコツがあります。
女性の家庭でのストレスを減らすには、女性が「男性が自分と同じくらい家の仕事をしている!」と感じることが重要なのです。
決定権は女性が持ち、家の仕事は分担することがポイントです。
分担の仕方は、時間である必要はありません。大切なのは女性が「(男性が)家事を分担している」と感じること。
ゴミ出し、風呂掃除、電球の交換など、ちょっとした(時間のかからない)タスクでも、女性にとっては分担の実感が湧くので、大丈夫です。
仕事と家庭と、両方の場で、男性と女性が支え合うためにも、何が異性にとってストレスのもとになるのか、理解しておくとよいかもしれません。
☆林 英恵