ストレスを軽減する「マインドフルネス」①
2017年3月30日
「マインドフルネス」という言葉を聞いたことはありますか?
意識を「今」に集中することで、集中力向上やストレス軽減に効果がある瞑想法です。
意識を身体に向けることで瞑想同様のマインドフルネス効果が得られると、今、ヨガやピラティスが注目されています。
マインドフルネス効果を得られるヨガやピラティスについて、これから数回、連載していきます。
ルーツは仏教の教え
マインドフルネスのルーツは、仏教の教えにあります。今から2500年も前にブッダが「入ってくる息に気づきなさい」と弟子や修行者に教えていたといいます。
この教えは、日本の仏教では「止観瞑想」として伝わります。止観とは、止がサマタ(集中) 、観がヴィパッサナーを意味する瞑想で、マイ
ンドフルネスそのものといってもいいものです。
一方、現在のマインドフルネスのコンセプトにより近いのは、タイやミャンマー、スリランカで実践されている上座部仏教の流れで、ブッダの教えをヴィパッサナー瞑想として受け継いできています。
現在日本で人気のヨガも、 仏教の修行法の逆輸入です 。
インドで生まれたヨガから宗教色をなくし、アメリカでフィットネスプログラムとして日本に輸入されました。
今、瞑想も、宗教色をなくして、アメリカでプログラム化されて、日本に輸入され始めているのがマインドフルネスだと考えると理解しやすいのではないでしょうか。
ストレスへの対処法として注目
マインドフルネスが社会的にも注目を集めているのは、 「現代社会での新たなストレスへの対処法」として科学的な根拠がそろってきていることが大きいでしょう。
テクノロジーの進化や、インターネットやスマホの浸透で、一人ひとりが扱う情報量が倍増するとともに、生活環境や職場環境も大きく変化してきています。
ブッダの時代から教えられていたという「今この瞬間」に心を向けることが心身の安らぎの鍵となります。
激しい変化の中で、自分の存在をかけがえのない唯一の存在であることに目を向け、自分の変化にありのままに意識を向けることで、過剰なストレスに悩まされなくなっていくのです。
私たちは、思考しすぎるがゆえに、未来に不安を抱き過去に後悔することで余計なストレスを生み出しています。マインドフルネスは、そんな考えすぎる私たちをストレスから自由にする処方箋。
皆さんも、今ここに意識を向けてみてください。
そのためには、ほんの数呼吸でもいいので考え事を手放して瞬間瞬間の呼吸や、ここにある身体に全注意を向けること。それがストレスフリーな時間を増やすことにつながるでしょう。
お話を聞いた方
松村憲さん
ヨガインストラクター。臨床心理士。都内ヨガスタジオでマインドフルネス瞑想の指導や、指導者育成に取り組んでいる。心身を統合的に考え、人と社会や組織のつながりにも関心が高く、マインドフルネスや専門としているプロセスワークを活用して、人材開発や組織の活性化にも取り組んでいる。著書に『日本一わかりやすいマインドフルネス瞑想“今この瞬間”に心と身体をつなぐ』(BABジャパン2015)などがある。
一般社団法人日本プロセスワークセンター理事。株式会社BLUE JIGEN代表。
☆LIVE編集部