子どもの学び
2017年2月21日
この時期になると、世間は受験でざわざわし始めますね。あまり興味がなくても、子どもを持てば嫌でも「噂」は入ってきます。
受験に対するお母さまたちの意見はそれぞれですね。
何のために学ぶのか?
でも、「学ぶ」ということは、親が考える教育とも社会勉強とも身体の健康とも少し違うと思っています。
「学ぶ」ことの特徴は本人の意思や持続力が必要になってくるからです。
「何のために勉強をするのですか?もっと遊びたいです」。高校の授業をしたときに、こんな質問を受けました。
私はこう答えました。
「遊びよりも面白いことが世の中にはたくさんあります。勉強をしていた方がそれを見つけやすいのです。それを見つけたら、全部楽しめばいいのです」
遊びや恋愛だけにしか楽しさを見つけられない人は、それに飽きたとき、人生に空しさを感じてしまうことも少なくないでしょう。
学びで身体と思考を鍛える
身体を鍛えることは、心を鍛えることだということもよくいわれますが、そうとはいい切れません。身体を鍛えている人だって心の病気になります。
身体だけでなく、思考もそこには重要になってきます。
何を頑張るのか、どこまで我慢するのか、どの言葉を選ぶか…そのジャッジメントができる頭も鍛える必要があるのです。
社会人になって「学生の頃、もっと遊んでおけばよかった」と言う人はあまりいません。「もっと勉強しておけば良かった」という人が多いのです。
私たち親は、子どもが出会ういろいろな物事の面白さや魅力に気づくためにお金を出したり、時間を使ったりして協力していきます。
人は学び続けなければ、深みが出ず、少しすれば飽きます。
皆さん、お気づきだとは思いますが、これは成績を良くしろということや、いい大学へ行くべきだということを言っているのではありません。勉強することと、それらをごちゃ混ぜにして、つまらないことで学びを否定してはいけないということです。
勉強よりも大事なものがある…というのではなく、勉強も大事なのです。
夢中になれる学びに出会うため、子どもの人生を豊かにするため、学びに協力してあげましょう。
学びができる子に育てるには
では、どうしたら学びができる子になってくれるのでしょう?
本来、勉強は強制的ではなく、自分の興味のあるものを行っていくのがいいのですが、きっかけをつくってあげることは必要かもしれません。
「うちの子は本当に勉強しない」という相談もよくあります。
この場合、親は教科書の勉強をさせようとしている場合が多いのですが、勉強は、興味のあるものなら楽しいということを一緒に学んでいくのです。
学校の教科書だけでなく、ことわざを言い合うことや漢字の問題を出し合うことからでもよいと思います。一緒に映画を観に行ってその原作を読むのもいいかもしれません。そこから少しずつ目標を持たせ、達成感などを憶えていければいいのです。
以前、大学で“女性の心身”の授業を1年間、持たせていただいたことがあります。その最後の授業で彼女たちに送った言葉です。
「これから皆さんには、楽しいこと、つらいこと、たくさんの事が起こるでしょう。ときには、自分では乗り越えられないのではないかというほどの壁にぶつかるかもしれません。
そんなとき、自分を救ってくれるのは、自分の“強い身体”と“学び”です。
皆さんの学んできたこと、これから学ぶであろうことは自分の武器になります。本当に困ったときの武器になるのです。自分の身体を大切に。そして学び続けてください」
皆さんとお子さんに、どうか元気に明るい未来が開けますように心から祈っています。
☆土屋 未来