発達遅延の乳幼児にも有効な「タッチング」
2017年2月20日
児童学修士、認定心理士、(社)日本親子体操協会理事の大久保裕美です。
これまで、およそ6,000人に親子体操のレッスンを提供してきました。
痛みが和らぐ「手当て」
たくさんのママに会っていると「赤ちゃんのベビーマッサージってどんな効果があるのですか?」などと聞かれることがあります。
私たちたちも子どもの頃にお腹が痛いときや悲しかったとき、さすってもらったことはありませんか?
不思議となおってしまったり、安心して眠ってしまったり、痛みが和らいだりしませんか?
赤ちゃんはもちろん、高齢者の方にもそして病後の方にも効果があるといわれています。学術的にも発表されていますよね。
小児科医ドクターが理事長を務める(社)日本親子体操協会では、全国で産前産後のママさんにそのご家族にベビータッチエクササイズそして、ふれあい体操を提供してます。
障がいをもった子にふれあいの場をつくる
ある日、あるママからご相談を受けました。
「障がいをもった親子のふれあい教室は有りませんか?」
世の中にたくさん有る親子教室、しかしその教室は本当にすべての子育て支援になっているのか? 今あらためて考えてしまいます。
ある療育施設に指導する親子体操協会の先生からこんなお話を聞きました。
「裕美先生、〇〇君と〇〇さんが療育施設にいました。」「最近みないなーと思っていたら療育施設での親子レッスンに参加していました」
確かに1歳を過ぎてからいなかったのです。少し発達に遅れがあり私たちの教室に来ていなかったのです。
発達に少し遅れがあったり、身体が不自由な子どもたちに、もっともっとふれあいの場をつくってあげたい。
安全な基地をつくってあげたい。
そう考えています。
療育などでの運動指導は、医療従事者の先生によるタッチケア・リハビリテーションなどがありますが、1ヶ月に何回していただけるかわからないのが現状です。
ならば、こどもたちに「家族の手で触れ合う」タッチングをして欲しいと考えています。
成長発達の改善が期待できるタッチング
「タッチング」はすでに世界各国で行われていますが、日本ではまだまだ。発達遅延の子どもたちにとって、「タッチング」は成長発達の改善が期待できるといわれているのにです。
発達遅延とは、主に脳機能障がいが原因となり、乳幼児期に生じる発達の遅れのことをいいます。
症状はさまざまですが、例えば、本人が手足を動かそうという意思を持っていながらも、自分の力では動かすことができない。自分で取れる動きが制限されるため、乳幼児期に必要な体験をすることができず、結果、成長や発達に支障をきたしてしまうケースなど、運動機能にそれが現れることもあります。
加えて身体の調整機能が一般の子に比べて低く、全身的な筋緊張、便秘、血行障害、さらには薬の副作用によるむくみなど、さまざまな不定愁訴を持っていることもあります。こうした発達遅延、そこから派生するさまざまな弊害を、緩和していく方法が、タッチングや体操です。
自分で取れる動きに制限のある子どもたちは、第三者が身体を動かし、外的な刺激を与えてあげる必要があります。
そこで、最も信頼する親がタッチングを理解し、毎日家で繰り返し行うことができれば、筋緊張がより緩和し、子どもの成長発達の改善が期待されます。
そして、その改善を望む親も、改善の期待が持てれば、日常生活にもっともっとやる気がわいてくるのではないでしょうか。
個々にあったタッチングや体操を習得すること、そして、「できる」経験をしっかりと積み重ねていくことが重要なのです。
私たちは、発達遅延のある乳幼児(0~3歳)と親のために「ふれあいタッチング」を教える教室を開催したいと考えています。
☆大久保 裕美