自然に意識を向けて、心と身体を健康に
2017年1月8日
元気な赤ちゃんをお腹に宿すために、栄養に気を付けている方も多いのではありませんか。
でも実は、栄養の前に、もっと意識を向けるべきことがあります。
それは「自然」です。
自然から離れるほど、健康から離れる
「人間は、自然から離れれば離れるほど健康から離れる」
これは、医学の父・ヒポクラテスの言葉です。ヒポクラテスは、紀元前5世紀に活躍したギリシャの医師で、それまでの呪術的医療と異なり、健康・病気を自然の現象と考え、医学の基礎を作ったことで「医学の祖」と称されています。
ヒポクラテスは、上記以外にも、数々の名言を残しています。
「食べ物で治せない病気は、医者でも治せない」
「食べ物について知らない人が、どうして人の病気について理解できようか」
「病気は、人間が自らの力をもって自然に治すものであり、医者はこれを手助けするものである」
「病気は食事療法と運動によって治療できる」
「賢者は健康が最大の人間の喜びだと考えるべきだ」
「人間がありのままの自然体で自然の中で生活をすれば120歳まで生きられる」
「何よりも優れた教科書は、自然界そのものである」
これは、杏林予防医学研究所所長 山田豊文先生の言葉です。
身のまわりの自然を感じよう
書店に行けば、山ほど健康関連の本が積まれています。インターネットで検索すれば、星の数ほど健康情報がヒットします。専門サイトでは、健康に関する多くの研究論文を見ることもできます。
もちろん、それらを把握することは大切ではありますが、それよりも大切なことは、身のまわりの自然をよく観察することです。
動物の行動、植物の生育、人間の子どもの振る舞いなどに目を向けてみてください。
私はよく子どもと一緒に動物園へ行くのですが、一番楽しみなのが、動物のお食事タイムです。私たち人間よりも、自然に近い動物が、どのような食べ方をするのか。 それを実生活の参考にすることもあります。
サルをはじめとした多くの動物は、歩きながら食べることはしません。
チンパンジーは、バナナは皮を剥いて食べますが、キウイやリンゴは皮を剥かないで食べます。
野生のヒツジは、寒くなると毛が伸び、暖かくなると毛が抜けます。
動物の生態によって、暑いと動かなかったり、寒いと冬眠したりします。
植物の多くは、太陽の方向に伸びていき、当たらなければ枯れてしまいます。
一度深呼吸をして、周りを見渡してみましょう。
現代の人間社会は、自然と共生しているとはとてもいえません。自然からかけ離れてしまったがゆえに、不自然な状態に陥り、様々な問題が生じているのではないでしょうか。
私たちは人間も動植物と同様、自然と寄り添うことで、パワーをもらい本来もっている自然治癒力も高まるのです。そして、自然のなかにいるからこそ、心身ともに健康で穏やかに暮らすことができると思うのです。
家や職場、あるいはショッピングセンターや人工的な街にばかりいませんか?
夜遅くなってからスマホやパソコンを見てばかりいませんか?
日常的に自然に触れていますか?
必要な情報を知ることは大切です。仕事や家事や育児で、思うように時間をとれないかもしれません。
でも、少しだけ休んで、できる限り自然のままに過ごしてみてください。
☆久保山 誉