脳の機能を高める「シナプソロジー®」
2016年10月18日
皆さん、認知機能の向上や低下予防に運動が有効的であることは、ご存知でしょうか?
実は、あまたの研究結果からそれが立証されています。これは、運動すると血流がよくなり、その血液が栄養素や酸素を脳に運んでくれたり、神経の栄養因子が増えたりすることで、脳神経のネットワークである「シナプス」の構築が進むと考えられているからです。
血流を上げるために最も有効的な運動は、やはり有酸素運動です。
頻度としては週2~3回、1回当たり20~30分、軽く息が弾むくらいの強度で動くことが大事です。連続して20分動くのが難しい方は、10分を2回に分けても構いません。何よりも身体活動量を上げ、血流を促すことが大事です。
ちなみに、脳の体積は体重の2%くらいですが、脳で必要とされる血流は全血流量の約20%といわれています。脳は本来、栄養や酸素を必要とする臓器なのです。
また、近年、単に身体を動かすだけではなく、身体を動かしながら、脳に刺激を与えることが、脳機能を高めるためには重要だということがわかってきました。歩きながら、計算をしたり、左右の手で別々の動きをしたりといった2つ以上の課題を同時におこなうもので「デュアルタスク」と呼ばれています。
慣れたことをやり続けていても脳はあまり活性化しません。慣れていないことや、新しい課題に対応しようとすること、五感から刺激を受け取ること、しかも楽しんでできることが脳を活性化するといわれています。その要素を取り入れて開発されたメソッドが「シナプソロジー」です。
具体的にどのようなメソッドかというと、じゃんけん,ボール回しといった簡単な基本的な動きに対し,指導者が、感覚器を通じて入る刺激や脳の認知機能に対する刺激を変化させ続け,受講者がそれに反応することで脳を活性化させていくメソッドです。
心肺機能や筋力などの身体機能を強化することが目的ではないため,基本動作の強度を上げていくような変換要素は(例:可動域やスピードなど)加えません。
また、普段あまりやったことのない動きを行ったり、動きに対して様々な刺激を加えていくと、脳は混乱を起こします。「あれ?」とか「うまくできない」などの感情が、軽い戸惑いともに湧いてくる場合もあるでしょう。
しかし、うまく行かないからといって気落ちしたり、あきらめる必要はありません。
実は、この戸惑いこそが脳活性のキーポイントなのです。慣れた動きやできる動きをやり続けるより、慣れない動きに対して対応しようとする時に、脳は活性化します。
「できないのは、良い刺激を受けてる証拠」と気軽に考えてぜひやってみてください。
シナプソロジーについては筑波大学などとの研究検証の結果、以下のような効果が立証されています。
※被験者は、企業に勤務する33〜56歳の男女26名(平均年齢42±6.4歳)が、週2回,2ヶ月間、1回あたり15分程度のシナプソロジーのプログラムに参加した場合の結果
①一過性の効果(プログラムを1回実施した際のその前後の比較)
・手先の器用さ・集中力が向上する
・注意機能が向上する、
・活動的快(活気・元気・陽気・はつらつなど)の心理が向上するetc
②継続的効果(プログラムを2ヶ月実施した場合のその前後の比較)
・手先の器用さ・判断能力・反応時間が向上する
・脳の認知機能(思考・言語・注意・空間視野・記憶)が向上する
・爽快感が向上し、緊張・興奮・疲労感・抑うつ感・倦怠感が低下する
明日は実際のエクササイズをご紹介します。
最近、認知機能が衰えてきたと感じる方はぜひ試してみてください。
シナプソロジーは、全国のルネサンスをはじめ、様々なスポーツクラブ、スポーツチーム、介護施設で実施されています。
<お話を聞いた方>
株式会社ルネサンス 執行役員 新規事業推進部 部長
シナプソロジー普及会ディレクター
望月美佐緒さん
☆LIVE編集部