毎日を気分良く過ごすためのアクティブケア
2016年9月29日
みなさんこんにちは。トータルリハビリテーションの友広と申します。
これからどうぞよろしくお願いいたします。
さて第1回目は、“アクティブケア”のお話をしたいと思います。
皆さんは体調が悪かったり、肩こりや腰痛などどこかに痛みがあるときにどうしますか?
きっと病院に行ったり、接骨院や鍼灸治療院等に行ったりされると思います。そういった受け身の治療を“パッシブケア”と呼びます。皆さんが痛みがあるときに、施設に赴きその場所でただ何もせず(受け身)に治療や診療を専門家にお任せしている状態を指します。
一方、“アクティブケア”とはリハビリや予防のために、自分で能動的に体操やエクササイズを行うことを指します。
パッシブケアの効能は、どんなゴッドハンドが治療を行ったとしても“一時的”であるのに対して、アクティブケアは効果が出るまでには時間がかかることが多いのですが、その効果・効能はアクティブケアを行っている限り“永続的”であるのが特徴です。
例えば皆さんは毎日歯を磨かれると思いますが、歯磨きは毎日ご自分で行っている立派なアクティブケアです。歯を磨かないと虫歯になってしまいますが、身体も同じで毎日ゴロゴロ寝てばかりいたり、運動不足になるとだんだん錆びていってしまいます。
人間は何もしないでいると10年で約10%も筋肉は落ちるといわれています。逆にいうと、10年かけて10%の筋量を上げない限り、体力や筋力はだんだん下降線をたどるということになります。ちなみにたった1週間入院して横になっていたとしたら、筋力が元に戻るのに約1ヶ月もかかるといわれています。ゆえにリハビリテーションはなるべく早く離床してアクティブケアを始めることが現在の主流になっています。ケガをした後に後生大事に動かさないとうやり方はアメリカではすでに30年も前のやり方になります。
私は老化=筋力の低下だと思っています。
かの三浦雄一郎さんが80歳でエベレストに登頂されたことは有名ですが、プロスキーヤーである三浦さんは78歳のときにゲレンデから滑落、大腿骨骨折の重傷を負ったことを知る方は少ないかもしれません。彼は傷害を負った後、リハビリ=アクティブケアを丹念に行うことで80歳という高齢であの偉業を達成されました。
そしてこれは決して別次元のお話ではありません。人間の身体は何歳になってからでも良くなる可能性があるのです。何歳になっても筋肉を鍛えることが可能なのです。80歳からでも90歳からでも同じなのです。
もうひとつお話すると、元気な100歳の双子として有名だった、金さんと銀さんを知る方は多いと思います。実は金さんは、90歳ぐらいのころ、重度の認知症で数字を1から10まで数えることもできなかったそうです。そのころ、「人間歩けなくなったらおしまいだ」と体操を始めます。歩くことから始めて、体操を行い、特に下半身を重点的に鍛えました。そして、みなさんがご存知の100歳の時の元気な姿になったのです。
認知症には色々な種類が存在しますが、いわゆる老齢化による筋肉不足、脳への血流不足による認知症を毎日のアクティブケアによって克服した素晴らしい例のひとつだと言われています。
人間の身体は、使わなければどんどん使えなくなっていきますが、使えば使うほど使えるようになっていきます。これは5歳の女の子でも、90歳のおばあちゃんでも同じことが言えるのです。
さああなたも今日からアクティブケアを始めてみませんか?
次回は毎日行える簡単なアクティブケアをお教えします。
☆友広 隆行