不安ってなんだろう?
2017年3月23日
私が子どもを育てるときに一番考えていることは「どうしたら不安にさせないだろうか」ということです。
子どもを不安にさせたくないという思いは、大人も不安になることが多いからだと思います。ではこの不安は何がつくり出しているのでしょう。
カウンセリングでも、具体的な出来事が起こって解決のために来訪される方と、なんだかわからない不安が強いという方と二分します。
不安は感情の癖
不安は誰にでも襲ってくる感情です。
でも、その時に冷静に考えたり、少し時間を置いたりすると小さくなったり消えてしまうことも多いのです。
そのまま、それがずっと頭から消えず、どんどん大きくなってしまうのは「感情的な癖」が原因であることが多くあります。色々なことを解決しないまま、あるいは妄想の域で心の中に不安としてある場合、長い時間かけて「物事を不安に考える感情的な癖」となってしまうことが多いからです。
一般的には、性格の違いといわれますが、性格よりもその「不安になる癖」がついてしまっている方が多いと考えます。
これはトラウマとは違います。
トラウマには、実体験自体が脳に影響を与えているのですが、不安感は実体験としては少しのものに過ぎず、実体のないものが大きく心を占めているのです。「こうなったら、どうしよう」という感情です。
子どもに必要のない「不安」を持たせないようにするためには、この癖をつけないことです。
物事に対しての考え方を複数持てるようにすることや、時間が経たないと事態は変わるということを少しずつ教えてあげればいいのです。
環境や行動、考え方で、不安は小さくなる
カウンセリングに来る不安が強い方には以下のような図式で説明します。
分母は自分の周りの環境や、自分の行動の大きさをあらわします。
分子は自分の考え方です。
例えば受験に大きな不安を抱いている子どもがいたとします。その場合の不安を小さくするには、
分母=「最大限の努力をする、まわりが応援する」などの行動をして数を大きくする
分子=「受験の失敗はやり直せる、死ぬわけではない」などと考えて危険度の数を小さくする
そうすると分母が大きくなり、不安の数が小さくなるということです。
不安へのアプローチは、考え方だけでなく自分の行動によっても変えられるということを教えていきます。
何事も全力で取り組むこと、先のことを考え過ぎないことが「いつも不安な子ども」にならないようにするポイントです。
子どもは不安を持たず、思い切り「子ども時代」を楽しんでもらいたいものです。
大人も同じです。不安は小さく、行動力をつけて人生を楽しんでいきましょう。
☆土屋 未来