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【ICT×フィットネス 海外事例 vol.2】テクノロジーは”脅威”か”チャンス”か?

2016.07.19 火 テクノロジー

毎年、ヘルス&フィットネス分野のプロフェショナルがトレンドを選ぶ、ACSM(アメリカスポーツ医学会)による調査の2016年版の調査結果「Top Fitness Trends of 2016」では、 これまでとは大きな変化が見られた。これまで挙げられたことがなかった「ウェアラブル技術」がいきなりトップとなったことである。これまでの過去の日本のトレンドの軌跡を振り返ると、世界のトレンドが数年遅れてトレンドになっていることもある。そこで”ICT×フィットネス”コーナーでは国内はもちろん、海外での「ウェアラブルデバイス」、「モバイルアプリ」など、テクノロジーを駆使した新たな潮流のニュースに加え、先進事例や活用方法についても紹介していきます。
【バックナンバー】
ウェアラブルの躍進
企業での健康管理に広がるウェアラブル
海外事例① 米国のデジタルフィットネス市場とは
海外事例② テクノロジーは”脅威”か”チャンス”か?
心拍数の可視化で広がりをみせる グループトレーニング
DATA FITNESS”に学ぶデータ活用法 -前編

急速に成長しているイギリスを拠点とするチェーンクラブ「ピュアジム」のCEOであるハンフリー・コバルド氏は、昨年ドイツのケルンで開催されたFIBOのヨーロッパ・ヘルス・ &フィットネス・フォーラム(EHFF)で、「テクノロジーの進化は『フィットネスの民主化』だ。これからクラブのオペレーターたちは、痛みを伴う決断をしなければならない場面に直面することだろう」と述べた。しかし、実際、これらは脅威なのだろうか?それともフィットネス業界にとってチャンスなのだろうか?

ウェアラブルをいかにクラブ運営に活かせるか

場所や時間を問わず、さまざまなエクササイズに触れられるようになることは、人々にとってフィットネスがより身近なものになるため、フィットネス業界にとって必ずしも悪いことではない。しかし同時に、脅威と感じているクラブもあるはずだ。エクササイズや栄養含め、健康になるためのさまざまな情報が巷にあふれるなかで、今、最も注目されているのは、ウェアラブル機器やスマートフォンなどのモバイル機器であろう。なかでも、FitbitやJawboneは爆発的な人気を博している。これらの売り上げは、2014年は7億ドル(およそ840億円)を上回り、アメリカ人の5人に1人が使っていると推定されている。

これは衝撃的な数値だが、スマートフォンを利用する人々の数には及ばない。アンケートや調査を実施するリサーチ会社であるピュー・リサーチ・センターによれば、15年4月時点でアメリカ成人の64%、人口の3分の2近くがスマートフォンを所有しており、若者層におけるその比率はさらに高いと発表している。そして、同様に膨大な数の人々がDaily Burnのような予約制のサービスやYouTubeのようなフリーサイトでエクササイズ関連の動画を利用しているという。このように、さまざまな形態で健康情報やエクササイズが提供されるようになったことは、クラブにとって脅威であろうか?もし、クラブがこれらを自分たちのビジネスにもうまく活用することができなければ、まさしくそうかもしれない。

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