フィットネスクラブの店舗責任者である、マネージャーや支配人の仕事はスタッフの育成、入退会や予算の管理、施設品質の管理など多岐に渡る。彼・彼女らはどのような道を辿り、何を目指しているのだろうか。入社のきっかけやこれまでの苦労、仕事の楽しさ、今後の目標について聞いた。マネージャーや支配人の想いを知ることは、今後のビジョンを描くうえでの参考になるだろう。
【お話しを聞いた方】
株式会社フージャースウェルネス&スポーツ
IPSスポーツクラブ 支配人
小野 敬太さん
1984年宮城県生まれ。高校までの12年間野球部に所属。2005年仙台リゾート&スポーツ専門学校を卒業後、株式会社スポーツアカデミーに入社。スイミングアカデミーむつに配属。2017年IPSスポーツクラブマネジャーを経て2018年5月より現職。
株式会社フージャースウェルネス&スポーツが運営するIPSスポーツクラブで支配人を務める小野さん。
「この業界を選んだきっかけはスポーツに夢中になっていたこともあり、身体を動かす楽しさを広めたいと思ったからです」
専門学校でトレーナーコースを専攻。入社後初めての現場はスイミングに特化したクラブだった。
「先輩方に教えていただきながら、仕事を覚え、幼児からご年配の方までのレッスンに携り、経験を積むことで選手育成まで担当させてもらえるようになりました」
仕事を覚えていくうちに、教える楽しさを知り、のめりこんでいった。だが、社会人1年目を振り返ると順風満帆ではなく、むしろ運動指導やマナー面での指導を受けることも多く落ち込んだことがあったそうだ。
「当時は、素直に指導を受け入れられないこともありました。ぼくがお客さまの指導をうまくできないから、注意されているのかと思ったんです。実は配慮(接客技術)の面で足りていない部分があったのです。指導の意味を本質から理解した時、自分勝手な解釈で周りに甘えていたことを反省しました。お店の顔としてお客さまに接するので、接客力は店舗の評判を左右する最重要項目になります。今でもスタッフには特に気をつけて指導しています。今、振り返ると、あの頃の先輩方の指導が、とてもありがたいです」
数年後、現在のクラブに配属。総合型フィットネスクラブは初めてで、これまで培ってきた経験を基に現場をまとめ育成にも力を注いだ。しばらくすると上司の異動をきっかけに支配人を任されることになった。
「当時は、今まで経験してこなかった、判断・決断をする場面で迷いがありました。今ではお客さまが利用しやすく、スタッフが働きやすい環境にするためにはどうすればよいかを軸に判断すれば、間違わないと気づきました。それからは気負わずシンプルに物事を考えるようにしています」
現在、同社は「スポーツアカデミー」「宮の森スポーツ倶楽部」「クリスタルスポーツクラブ」といったフィットネスクラブ、スイミング・テニス・ゴルフスクール等を全国35店舗で展開。
「2018年に合併したことで今後の事業展開の選択肢も増え、可能性に満ち溢れています。スタッフがやりたいことに積極的にチャレンジできるよう態勢を整え、当社に関わる方すべての笑顔を惹きだせる会社を目指します」
こう明るく抱負を語っている。
「今から社会に出る方は、将来の可能性に満ち溢れていると思います。何か試練にぶつかっても『自分には無理』と、自分自身で限界を作らずこの業界にもどんどんチャレンジしてほしいです。たとえ失敗したとしても、それは悪いことではなく、失敗から学ぶことができれば価値があります。自分がやりたいことが今はなくても1年後には状況が変わっていることもよくあるので、視野を広く持って多くのことに積極的に取り組んでいってほしいです」