食品×HealthcareTech市場の可能性
2015.04.18 土 オリジナル連載
ヘルスケア、ウェルネス、フィットネスに関連する業界の方々は、今年4月1日より施行された機能性表示食品制度(消費者庁)のことはご存知かと思います。ルールに従って食品成分の有用性について、オープンになっている論文などによりエビデンス証明を届け出さえすればトクホに近い訴求が可能になるというものです。
トクホより手続きが簡便であることから多くの食品関連事業者にとってプロモーショナルな活動の拡大につながると注目されており、既に消費者庁には100品を超える届け出が寄せられているとのことです。ヘルスケアを推進するファクターとして食が占める割合はとても多いことは誰もが承知しているかと思います。
食品の持つ機能は主に3つ
1次は「食欲・栄養」 2次は「嗜好・食感」 3次が「生体調整機能」です。新制度はこの3次機能にフォーカスするものです。つまり、食品機能というテクノロジーとも言えます。
Healthcare Techというと”モバイルヘルス”や”ライフログトラッキング”や”ビッグデータ”などをイメージしやすいのですが、ヘルスケアに作用するテクノロジーのすべてがHealthcareTechであり、その対象として食品は重要な意味を持つと考えています。
既にエビデンス化されているトクホで少し考えてみましょう。2013年トップブランド20の中で整腸作用商品は9ブランドで約1,342億円あります。たとえば、ヤクルト400LTや明治のブルガリアヨーグルトLB81などです。次に体脂肪・中性脂肪対策商品は6ブランドで約775億円です。例としてはサントリーの伊右衛門特茶などを挙げることができます。このトクホから始った食品テクノロジーの流れがより拡大されていく起点になるのが今回の新制度だとするとHealthcareTechマーケットは間違いなく今後も拡大していき、その領域として食品もかなりのボリュームになるな!?と想像できるはずです。
既に約1,342億円のマーケットが存在している整腸作用市場は、今後もっと大きくなっていくことでしょう。このムーブメントを分母としたサービス開発を発想していくというのはいかがでしょうか?
たとえば、整腸作用を期待している人の
□食事バランスニーズへのソリューション
□生活習慣トリートメントニーズへのソリューション
□ワークアウトで効果的なコンディショニングを実感ソリューション
などです。
マニアックな筋肉トレーニングをする人にプロテインという発想の逆をたどるサービス開発を食品のヘルスケアテックのムーブメント中に指し込んでいくイメージです。ここに可能性を感じるのは私だけでしょうか?
データ出典:『富士経済HBフーズマーケティング便覧2014』
【バックナンバー】
第1回 “ヘルスケアサービスのフロンティア”
第2回 オープンイノベーションの時代-ヘルスケア事業に必要な5つの視点
>>>Write by Kohei Okawa
大川 耕平
1960年7月18日 東京生まれ 慶応義塾大学法学部政治学科卒。健康&ウェルネス業界における新事業開発から人材育成、ナレッジ強化、ビジネスマッチングサポートを展開中。1999年創刊の健康ビジネス情報メールマガジンHBW(ヘルスビズウォッチ)の読者は約1000社のビジネスユーザ中心。読者とのミーティングセッションに力を入れている。
・HBW(ヘルスビズウォッチ)発行人
・プロジェクト・マネジメントスペシャリスト
ブログ「健康ビジネスプロジェクトの現場から」http://ameblo.jp/projectgenki/
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