株式会社ビーストックは「女性の悩みを解決する」ことを理念としており、女性専用フィットネスクラブ「FAVLES」(施設詳細はP100Nice Club参照)を運営している。今年7月に1号店となる日暮里店をオープンした同社は、今後10年で300店舗の展開を目標としている。スピード感をもってスケールさせるために、予約システム「hacomono」を利用し、キャッシュレス・事務作業レスを実現すると同時に、お客さまの情報を蓄積している。
【お話を訊いた方】
株式会社ビーストック 代表取締役 越前谷佳氏(左)
株式会社まちいろ 代表取締役 蓮田健一氏(右)
FAVLESは、2019年7月に、東京都荒川区の日暮里駅から徒歩1分ほどの場所にある「-5㎏を目指す」フィットネスクラブだ。施設の延床面積は約40坪で暗闇スタジオのなか、最大10名、45分間のオリジナルレッスンを展開している。
プロモーション方法はSNSやチラシなど一般的だが、Facebookでの反響をチラシの制作に反映させたり、体験予約の際に得たお客さまデータと似た属性の人にターゲットを絞って仕掛けたりと、デジタルを活用することで成約率を高めている。
会員さまの約75 % が月8 会員(16,800円)を選択しており、食事指導やウエアレンタルなどの付帯収入も含め、客単価は18,000円程度。
「当社はフィットネスクラブの運営だけでなく、デジタル化してお客さまに最適なものを届ける、データマーケティングの事業も行っていきたいと考えています。数店舗できれば十分なデータがとれ、次の事業につなげることができます」(越前谷氏)
同社が利用しているシステム「hacomono」は、優れた操作性、キャッシュレス決済、オートメーション予約、会員証レスのQRチェックイン、顧客・売り上げ分析などの機能が特徴だ。越前谷氏は、以前から操作性がよく、データの蓄積や予約管理、キャッシュレス決済ができるシステムを探していて見つけた。
「総合クラブ向けのシステムは当社のような施設には過剰な機能が多く、操作も複雑なことが多いのですが、hacomonoは教えなくても、スタッフが使いこなせています。特に必要と考えていたのが、お客さまのデータを蓄積・分析できることと、キャッシュレス決済、会員証レスです。カスタマーエクスペリエンスも大事だと考えており、来館から退館までスマホですべて完結できることで、お客さまが最先端にいることを感じてもらえるのではないかと思っています。要望に対して素早くアップデートしてもらえたことも決め手になりました」(越前谷氏)
お客さまデータについては、体験者も含め、属性のほか、来館情報、同社サイトにログインした時間なども収集している。また、カウンセリングでお客さまの1日のスケジュールを把握できるため、多くの人が見やすい時間にメールマガジンなどを送っている。
チェックインや予約管理はすべてスマホで行う一方で、初回のコンタクトは重要と捉えており、入会手続きは対面で行っている。
「人の手が必要なところと、デジタルに任せるところをしっかり分けています。お客さまとの関わりは最も重要なことです。見学の対応やカウンセリングなど、スタッフが直接対応することで深いことまで聞くことができます」(越前谷氏)
また、来館時にメールでアンケートを送付し、レッスン内容、接客、清掃、利便性、雰囲気の5項目について5点満点で点数を付けてもらっている。点数が下がった項目について週次で改善することで、お客さまの不満を解消することができる。
今後、カウンセリング情報やカルテ情報データ化のさらなる強化し、お客さまとスタッフが相互に見られるようにしていく。また、食事サポートも現在はLINEでスタッフが返信しているが、システムで一括管理したいと考えている。さらに3年後にはお客さまのライフスタイルや身体の変化に合わせてオンラインレッスンを配信したり、EC企業や旅行会社と提携して洋服や旅行の提案をしたりするメディアとなることを目指している。
女性の悩みを解決することを理念としている同社は、マッチングによって会員さまの生活をより豊かにする。
「女性が太る理由はストレスによって食欲が増加することで、大型減量よりも5〜6㎏の小型減量へのニーズが高いことがわかっています。ストレスを解消するためには、ライフスタイルを改善することが必要です。データを活用してライフスタイルや希望に合った提案をすることで生活をより豊かにできると考えています」(越前谷)