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2019.09.24 火

正しい運動習慣を啓発し、増大する介護費・医療費の削減に寄与する

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女性向けサーキットトレーニングジムを運営している株式会社カーブスジャパン。今年10月で店舗数2,000軒となり、会員数は約82万5,000人。うち60歳以上が約70%と、多くのシニア女性から支持を得ている。

【お話しを訊いた方】

株式会社カーブスジャパン 戦略企画部 統括マネージャー 安川竜太郎氏

健康不安を取り除くために筋トレが有効であることを啓発

同社がメインターゲットとしている団塊世代は、将来の介護への不安や腰痛、膝痛などの不調から運動へのニーズが高い。同社は、これらの不安に対して、まずは運動が効果的であると啓発することが必要と考え、メディアなどを使って発信し、理解を深めるよう努めている。

「一企業でできることは限られているので、大学や研究機関、医師などと連携して研究し、運動が認知症やメタボリックシンドローム、ロコモティブシンドロームに効果があるというエビデンスをとっています。それを、メディアや自治体を通して発信しています」

同社は団塊世代のなかでも、運動習慣のない人に通ってもらうことを目的としている。そのために、「30分間」「予約なし」「いつでも参加できる」という、始めやすく、続けやすい仕組みをつくっている。また、コーチがお客さまに寄り添ってアドバイスすることで、効果が出ると同時に継続につながっている。

「カーブスのお客さまは一般的なフィットネスクラブには入りにくいと思っている方です。約半数は紹介による入会で、カーブスに通っている人が健康になったり楽しそうだったりするのを見て、入会してくださっています。また、入会した方は長く継続してくださる方が多く、10年以上続けている方も大勢いらっしゃいます」

特にデータはとっていないが、お客さまのなかには要支援、要介護の人もいる。健康状態により医師に判断してもらい、一部のマシンを使わなかったり、強度に変化をつけたりしている。コーチがお客さま一人ひとりの状態を理解しているからこそ、適切なサポートができている。

コーチの質を重視、お客さまの気持ちに寄り添う指導

同社が何より重視しているのがコーチの質で、各店舗、正社員のコーチ3〜4人がいる。FC店舗も含めて初期研修は本部と各店舗で約1ヶ月間かけて行う。研修のなかでも特に注力しているのは、心のケアである。

「運動生理学やマシンの使い方などの知識はもちろん必要ですが、それ以上にいかにしてお客さまのモチベーションを高めるか、気持ちに寄り添ってサポートできるかを重視しています。また、お客さま同士のコミュニティができるよう、フォローしています。知らない人ばかりのなか毎回通うよりも、コミュニティができることで継続につながるのです。楽しみながら運動を継続することで成果が出て、満足度が上がります。今いるメンバーさまの満足度を高めることによりクチコミが広がり、新規入会につながります」

自治体と連携した取り組みで健康の輪を広げていく

同社は、増大する介護費・医療費の削減を目標として掲げ、様々な自治体と連携して、地域の人を健康にしていく活動に取り組んでいる。例えば、神奈川県は「未病センター」という、手軽に健康状態や体力などをチェックし、その結果に基づくアドバイスや改善のための情報を受けられる場を設けている。県内にあるカーブス6店舗が認証を受けているほか未病センター機能のみを有した1施設がある。

「自治体の介護予防教室などに通う方は、カーブスのお客さまと比べると健康意識が低い方が多いです。しかし、世の中にはそのような方のほうが多いのが現状であり、その層に運動してもらうことは、介護費・医療費削減のためにも不可欠です。いきなり運動をしてもらうのではなく、測定イベントや運動講座などを通じて、運動や筋トレの必要性を伝えています」

真に運動が必要な人にアプローチするために、同社はSWC(スマートウェルネスコミュニティ)協議会に参画している。SWCは、7割いるといわれている無関心層を動かし、健康長寿な社会をつくることを目標にしており、カーブスのメンバーには健康長寿を達成するための情報を拡散する“健幸アンバサダー”として活動することを推進している。これは、同社の健康の輪を広げていきたいという考えとも合致している。

また、’15年、人口1万7,000人の鳥取県大山町に、町からの要請を受けて出店したところ、多くのお客さまが集まった。このことから、人口の少ない地域でも自治体の協力を得ることで出店の可能性が広がることがわかった。また、満員の店舗がある地域にサテライト店舗をつくったり、’18年からスタートしたメンズカーブスを広げていったりと、今後さらに健康づくりの場を提供していく。

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