FITNESS ONLINE

facebook twitter googleplus
一覧へもどる
2019.07.25 木

記録会でモチベーションをアップ、今後は主体性や思考力を養う指導を行う ルネサンス

LIVE online

株式会社ルネサンス 営業部 スイミングチーム 課長 西野 充氏(左)

株式会社ルネサンス 地域健康営業部 主任 篠田裕子氏(右)

株式会社ルネサンスは、全国97店舗中81店舗でスイミング、テニスを中心とした11種類のジュニアスクールを展開している。また、プレイリーダーの養成研修を行い、企業や自治体の事業にも携わっている。

土日のスイミングスクールが人気 成人クラブの休館日に利用

同社は、スイミング、テニス(一部を除く)については自社で展開し、そのほかのスクールについては業務委託で展開している。スイミングは右肩上がりの傾向が続いており、特に土日のクラスへのニーズが顕著だ。以前は日曜に開講していなかったクラブもここ数年で開講し始めたケースが多い。また、近隣クラブがキャパシティに達したなどの理由から、休館日や土日のオープン前の時間にジュニアスクールを設けた成人向けクラブもある。ジュニアスクール全体が低年齢化しており、特にスイミングは顕著だ。そのようななか、長期継続のための施策として、進級進度を速めている。

「子どもは褒められるとがんばろうと思いモチベーションが上がりますから、賞賛の機会を増やすことで継続につながると考えています。また、すべての級を終えた子を皆の前で大々的に表彰することで、ほかの子の憧れと意欲を引き出しています。どうしても、9〜10歳ごろには辞めて学習塾へ行く流れができてしまっていますが、5〜6歳から始めて、4泳法習得するまで約3年、さらなる技術向上やタイム短縮に1年というのをひとつの目安としています」(西野氏)

継続のための取り組みとしては、年に1回「ルネピック」という記録会を行っている。

「他クラブの同年齢の子と競い合うと同時に、前年の自身のタイムと比較して成長を感じてもらい、モチベーション向上につなげるためのイベントです。同時に、クラブによって成長の度合いに差が出ることから、各クラブの指導力を測る指針ともなります」(西野氏)

これに加え、内閣官房東京オリンピック・パラリンピック推進本部事務局が実施している「beyond2020マイベストプログラム」に認証されており、参加者は個別にマイベスト目標を設定。これまで以上に目標を達成する喜びや、楽しみながら自然と上達できる環境を整え、心と身体の成長につながる取り組みを進めていく。スクールは特にプロモーションはしていないが、重複受講の案内をスイミングスクール会員の保護者に送ったり、幼稚園とバス送迎や会費の優待割引などで連携したりしている。また、幼稚園や小学校の水泳の授業を受託するケースも増えている。

学習指導要領の変更に合わせて主体性や思考力を高める指導に

西野氏は「2020年以降少子高齢化が加速することがわかっているなか、いかに選ばれるスクールになるかが大事」と話す。

「学習指導要領が変わるので、水泳指導の方法などもそれに合わせて変えていく必要があります。これまで、コーチの指示に従って練習していましたが、子どもが自主的に考えるような仕組みをつくっていくことも考えています。そのためにも、コーチの質の確保は重要です」(西野氏)

同社は3ヶ月でメインコーチができるよう育成しており、初めに座学で企業理念やスイミングスクールのコンセプトなどを伝え、その後はOJTを行う。マニュアルをすべて動画にし、級による練習内容のポイントなどをわかりやすく伝えている。安全管理はコーチとは別の監視員が研修を受け、15分に1回人数確認をするなど徹底している。

同社に限らず人手不足の課題があるなか、ITの導入によりバックヤード業務を軽減して、コーチが指導に集中しやすい環境をつくっているところだ。

プレイリーダーを育成 地域の子どもたちに運動遊びを提供

また、同社では’19年より社内でプレイリーダーの育成を行っている。

’03年より山梨大学の中村和彦氏による子どもの体力低下の原因調査への協力で運動遊びの教室を始めたことがきっかけで、文部科学省「子どもの体力向上事業」、市町村との連携事業などで運動遊びを提供しており、プレイリーダーは小学校の授業として運動遊びを受託したり、自治体や企業の親子イベント、クラブ周辺の幼稚園・保育園で運動遊びを提供したりしている。同社のプレイリーダーは、36の基本動作に着目し、子どもが主体的に楽しく身体を動かす活動ができるように導くことで、自ら運動することが好きになり、基本動作の習得だけでなく、人との関わり方や興味関心をもち自ら学ぶ力を養うことを目的としている。

今後、スポーツクラブが「地域を健康に!」を実現するための重要な取り組みとして、プレイリーダーを小学校や幼稚園、保育園などに派遣できるよう、’19年度は北海道から九州各地で育成を予定している。

facebook twitter google plus hatena bookmark line pocket