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【NEXT 1月特集】フィットネス注目動向2016"プログラムディレクター・オブ・ザ・イヤー 受賞者"篇

2016.12.28 水 スキルアップ

2016年、フィットネス業界ではどんなムーブメントがあったのか?NEXT1月号の特集では、以下の4つの視点から今年の注目動向をまとめています。

「“フィットネスクラブ”が注目した2016年のフィットネス動向」 

「“インストラクター・トレーナー・オブ・ザ・イヤー受賞者”が注目した2016年のフィットネス動向」

「“プログラムディレクター・オブ・ザ・イヤー 受賞者”が注目した2016年のフィットネス動向」

「“フィットネス・スポーツ・健康情報誌の 一般メディア”が注目した2016年のフィットネス動向」  

※特集内容はインストラクター・トレーナーのキャリアマガジン誌「月刊NEXT1月号」でもご覧いただけます。

フィットネス注目動向2016"プログラムディレクター・オブ・ザ・イヤー受賞者"篇


プログラムディレクター・オブ・ザ・イヤー2015 日野秀彦さん(背骨コンディショニング創始者役)

2016年に発表された概算医療費は、なんと41.5兆円と40兆円の大台にのり、前年度から1.51兆円、率にして3.8%増加しています。我々は、背骨コンディショニングのインストラクターやスペシャリストを育成することで、医療費を削減することを目標に活動していますが、フィットネス指導者がさらに力をつける必要があることを改めて痛感する年となりました。

フィットネスクラブの本質的なサービスは、「プログラム」と「指導」であり、プログラムを構成する要素は、「安全」「効果」「楽しさ」です。2016年も様々なプログラムが登場しましたが、「安全」と「楽しさ」は備えられているものの、「効果」を確実に届けたり、参加者の方々をモチベートできたりしているプログラムや指導者はまだまだ少ないと感じます。

本質的なフィットネス指導で医療費削減に挑む


例えば、「体重を落としたい」という人に、運動の強度や時間によって、何グラムの脂肪や糖が燃焼されたか、LBM (除脂肪体重)が増え、どのくらいの代謝が上がり、体重が落ちるのかについて、科学的な根拠や数式もあわせてきちんと説明できるでしょうか。また、トレーニングサイクルは、検査→評価→カウンセリング→運動処方→実施→微調整を回すことが重要ですが、これがきちんと回せているでしょうか。また指導者として、知識と実践、経験をいいバランスで高めることができているでしょうか。

tk%e2%91%a1日野さんのトレーニングダイアリー。指導者として実践していることが欠かせない。

プログラムの世界的な歴史を紐解くと「ヨガ」が紀元前2500〜1800年のインダス文明で生まれ、その後、「太極拳」が西暦1600〜1680年の中国で、明の時代に陳王庭が創始、1916年には「自彊術」を日本の中井房五郎が本にまとめ、「ピラティス」は1926年ジョセフ・ヒューベルトゥス・ピラティスがニューヨークに渡ったことから広がりました。その後『ストレッチ』が1975年にボブ・アンダーソンによってまとめられました。

日本のフィットネスの歴史は、1981年にケネス・クーパーが来日したことをきっかけに、「エアロビクス」の概念が広がり、フィットネスクラブが増えたことで、マシントレーニングが広がりました。その後、1987年にベースボールマガジン社が『プライオメトリックス』を発刊したことで、トレーニングに採り入れられるようになりました。

その後も、様々なプログラムが世界から導入されてきていますが、1990年以降のプログラムは、それまでに生み出されたプログラムのアレンジやリメイクの繰り返しです。近年注目を集めているヨガやファンクショナルトレーニングも、実は長い歴史があり、指導者はこうした歴史やプログラムの本質的な概念を理解しておく必要があります。また、実践と経験を高めるうえで、自分自身が指導しているフィットネスを実践していることが欠かせないと思います。

2017年は、より多くの方に本質的なフィットネスを届けるべく「M .A .Mコンディショニング」をリリースします。M .A .Mは「MealandMotion」の略で、一人ひとりの方が、自分の基礎代謝と生活活動代謝に最適な食と運動を実践できるようにプログラムにまとめました。これにより、日本の三大疾病となっている、癌、脳卒中、心臓疾患を予防することで、薬や手術にかかる医療費を削減することを目指します。

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2016年、背骨コンディショニング認定者が500人を超え、最上位ライセンスであるスペシャリストが20人を越えました。スペシャリストが1人育つごとに、1回数百万円かかる股関節や脊柱狭窄症の手術、数十万円かかるヘルニアの手術などが回避でき、スペシャリスト20人だけで少なくても80億円以上の医療費削減効果があると試算しています。

今後M .A .Mコンディ ショニングも含め、スペシャリストを3,000人育てられれば、1兆円の医療費削減が可能になる計算です。今後10年以内にこれを達成すべく、あくまで医療費削減額を目標に置いて、活動を続けていきたいと思います。

【記事出典】
月刊NEXT 2017/January  No.118 

【企画・構成】
株式会社クラブビジネスジャパン
オンライン事業部フィットネスビジネス編集部:庄子 悟