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dely株式会社 堀江裕介氏に訊く Venture Spirits

2016.11.30 水 オリジナル連載

溝口:経営者として、どのような人を仲間に迎えたいと考えていますか?

堀江:当社の事業のコアバリューは、経済的な豊かさではない部分で人間の幸福度を上げることです。この思想が、会社全体として今後事業を展開するうえでの根底にあります。そこに共感してもらえるかが重要と考えています。採用時には、面接を行うだけでなく、飲み会を開くなどしてコミュニケーションを図っています。新しいサービスを提供して喜んでもらうことが、私たちが大切にしている価値観です。

溝口:以前の経験から、感情的な絆を重視しているのですね。日本は昔と比べて物理的に満たされている人が増えたので、経済的な欲求は意外と強くありません。そういった採用基準は今の社会にあっていると思います。優秀な人を採用するためには、ビジョンがクリアであること、そのビジョンが共感してもらえることであるかが重要です。「KURASHIRU」の提供を始めてから、短期間で急成長を遂げています。その要因はどこにあると思いますか?

堀江:まず大きいのは、業界自体が急激に変わったことです。スマートフォンが普及して、通信環境が劇的によくなったので、動画サービスが受け入れられやすくなっていました。以前から動画サービスの研究をしていて、早い段階でサービスを展開できたことも大きいと思います。外部要因が大きかったのですが、1年でキャッシュがまわる事業をつくりたかったので、それを目指していたのが奏功しました。

溝口:市場が急成長するタイミングで事業を立ち上げられていますよね。その機会を感じていてもできなかった人も多くいたと思います。

堀江:食の分野以外でもさまざまな動画サービスで何がよいかを考え、実際に試しました。ニーズとしても、私の経験からも、食の分野でサービスを展開することが一番いいと判断しました。早い段階でその意思決定をできたので、今のオペレーションを確立できました。

溝口:年間1億PVというのは、とてつもない数字です。20代前半でそれだけの実績を上げている経営者は少なく、これから機会は広がると思いますが、堀江さん自身どうありたいと考えていますか。また、将来会社をどのようにしていきたいですか。

堀江:世の中に何かあったときに助けられるだけの、影響力をもっていたいと思います。東日本大震災の後、起業家やスポーツ選手、ミュージシャンなど影響力がある人たちは、被災者がよい方向に進めることを行ってきたと思います。その影響力をもつための手段が、私にとっては起業することでした。今、運よく波に乗れたので、堀江裕介という名前に影響力をもたせることが自分の課題です。会社としては、業績を伸ばしていきたいです。それによって、ビジョンを世界に広げることができると考えています。

溝口:同年代で東日本大震災を体験していても、なかなか堀江さんのようには考えられない人も多いと思います。そのように考える背景にある、幼いころの経験やご自身の性格を培ったものは何だと思いますか。

堀江:小さいころから、物事や人を動 かしたいときには自分が動かなければ何も変わらないと考えていました。そして、自分が猛烈に熱意をもったことに関しては、時間を置かずにとにかく動いてみるという癖が付いているのだと思います。

溝口:これからチャレンジを考えている人にメッセージをお願いします。

堀江:早い段階で行動して失敗したことは、私にとって非常に有益な経験でした。成功に近づく方法は、失敗することしかないと思います。思い立ったらすぐに行動することが大事なのではないでしょうか。リスクを考えずに、スピードをもって挑戦していけば、必ず得られるものがあると思います。行動しないことが一番のリスクです。

溝口:その通りですね。私も迷ったらやることにしています。成功か失敗かは後からついてくる結果ですから、まずは挑戦して経験を積むことが大事ですね。

ありがとうございました。

インタビュー:溝口勇児
’84 年生まれ。’03 年、フィットネスクラブ運営企業に入社。同社では新店のオープン、新規事業の立ち上げに参画、並びに約2年間で営業利益1億円の増収を達成。’12年 4月、株式会社FiNCを創業し、代表取締役に就任。

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