アスリートパフォーマンス情報サイト『CNC mag』の中からスポーツパフォーマンス向上に役立つ記事をご紹介します。
体幹トレーニング重視から運動連鎖への流れは何もスポーツパフォーマンス、アスリートパフォーマンスだけに限りません。米国の一般を対象としたフィットネスビジネスにおいてもこうした流れを取り入れたプログラムが多くなっています。また、トレーニングツールもこうした流れに沿って設計されているという背景があります。今日は米国の事情を参考にこうした流れについて解説します。
ここ3年間は本当に海外に行く機会を与えられました。特にアメリカのプロ選手用のスポーツジムや格闘技ジム、ピラティススタジオ、リハビリ施設など一般では見られない施設も親切な友人たちの厚意により自由に入らせて頂き、練習し、勉強し、と言う素晴らしい機会でした。
これらの米国のフィジカルに関連した最先端施設で、一つ大きく共通していたことがあります。それは体幹トレーニングだけといった単一的なトレーニングではなく複数が統合されたプログラムなどです。
日本のコアプログラムと言うように、体幹にだけフォーカスしているプログラムはなかなか見当たらず、もっとアグレッシブな、例えばCross Fitのような「体幹以上」のプログラムを一般の方がストイックにこなしている様子は日常茶飯事です。
日本でもCROSSFITは、上陸していますね。日本のCROSSFITについては、よく理解していませんのであくまでもアメリカのCROSSFITについて説明します。
日本でたまにCROSSFITのことを批判している記事を見聞きしたりするのですが、まずは、よくある話として何を目的にするのか?により見解が異なりますね。
例えば、筋肥大だけを目的としているのであれば、別のアプローチのほうが効率的です。また、よくあるダイエットを目的としたパーソナルトレーニングジムもしかりです。これらを同一目線で語っても論点がずれているだけで、議論はかみ合いませんし、正しい評価は行えません。
この動画を見ていただくと分かると思いますが、男女一般のグループフィットネスにおいてバーベルでショルダープレスしたり、パワークリーンを行ったりと「体幹」→「運動連鎖」も自然に含まれているわけです。身体機能向上、アスリートのスポーツパフォーマンス向上という目線で言えば、体幹トレーニングだけを重視する日本のトレンドからしますと、一歩も二歩も進んでいることがわかります。
米国の最新のスポーツ科学がアスリート向けだけのみならず、一般のフィットネストレーニング、そしてジムビジネスにも反映されているのです。
一方、日本では怪我が考慮されてしまい、フィットネスジムでは見ない光景ですが、ここには日本とアメリカでクライアントへ提供する教育の差があることを現地で聞きました。
日本のジムでいう、ただ運動させる(実態は会員ビジネス)、ただ痩せるという観点ではなかなか会員の定着率は増えないと思われます。
アメリカのアスリート専門のある施設では、
などをスクリーニングし、ウェイトトレーニングのフォームを修正。修正後に、この CROSSFITに対応するトレーニングを実施させるなど、とてもハードなクラスに参加できるという流れを組んでいました。トレーナーの方なら分かると思いますが、普通の一般の方を、フォーム修正する前にCROSSFITに一律に参加させたらどうなるか?!体幹と運動連鎖の観点をしっかりと教育しないと意味がないですし、危険ですよね。
米国ではしっかりとこの点を担保しているのも感心できるわけです。
これを日本で行うと、教育のための時間と労力が膨大に掛かります。一般的に売り上げは会員数を増やす(また定着させる)、そして固定費を下げる(施設費、教育・研修、人件費、プログラム外注費等の削減)ことから利益を獲得しようとする一般のジムからするとビジネスモデルが全くあわないでしょう。
米国では、トレーナー教育は時間をかけます。また、競争も激しい。そしてクライアントへの教育もしっかりしており、どちらかというと、ダイエットの先の身体能力向上のための本質的課題の追求と解決が一般のフィットネスビジネスなのです。(家族向けの日本のジムのようなフィットネスジムもまだあります。)
一方、日本の現状としては、こうした既存のジムの対称にあるのが、ダイエット、筋肥大を主目的としたパーソナルトレーニングジムでしょう。一般のジムの課題を払拭する形として、クライアントの真のニーズに応えているとは思います。ただ、パーソナルですからクライアントから徴収するフィーが高くならざるを得ない。ここに課題があると思います。
アメリカはこうしたことはすでに経験しており、だからこそ、有用なセミプライベートやグループレッスンが進化しているということも背景にあるのです。
今回見てきたように、運動連鎖がスポーツパフォーマンスにのみ当てはまるものではないことをご理解いただけると思います。そもそも「日常生活などすべての人間の活動」、つまり身体能力の向上という観点で運動連鎖は存在しています。
例えば、歩くという動作ですが、またyoutubeの動画を見てみましょう。
足関節の不具合が膝へ、股関節へ、そして肩へという順序で負の連鎖を引き起こすこともあり、身体機能、能力を構成する上で運動連鎖は大切な役割を担っているわけです。
当然、こうした背景からトレーニングツールにも最適化が求められます。STROOPSにおいても同様で、グループレッスン用のSTROOPS製品を紹介します。日本にも本格的に導入される、STROOPS Slastix Pole Systemです。
大人5名が一斉にバーを振ってもスペースに余裕があります。さらに、このツールの特徴は「体幹トレーニング」から「運動連鎖の身体感覚の学習」、そして「スポーツパフォーマンス」を加えてトレーニングを行うことが可能です。
ですから、例えば、Slastix Pole Baseball Programとか、Slastix Pole Soccer Program、もっと言えば、Slastix Pole Pilates Programなどトレーナーやクラブが各スポーツに応用が可能で、マシンよりも安価でポータブルな製品となるよう設計されました。
もっと身近にトレーニングできる!!ということに気がついたツールがこのSlastix Pole Systemです。STROOPSによって、クライアントはSlastixと言うチューブで繋がれることで、クライアント自身で筋バランスの左右差や動作の欠点を見つけ出す可能性があります。
まとめると、進化続けるアメリカのトレーニングは、ただ単純な体幹だけを鍛えただけではコントロール不可能なバーベルトレーニングなど、そこに運動連鎖も伴うハイクオリティーなCross Fitが流行し、最新ツールにおいても、STROOPSのSlastix Pole Systemのような運動連鎖にプラスαとしてのスポーツ動作トレーニングやコレクティブエクササイズをグループで可能な製品が発売されているなど、次々に進化しています。
>>Write By ROKIYA WASEDA
専門はストレングス&コンディショニング。プロ格闘技の選手及びキッズアスリートの指導が中心。それと並行して、アメリカの最新スポーツビジネスにおけるサービスを幅広く手掛けるネットワークが強み。現在、ELEMENT ATHLETIX、STROOPSなどを国内へ導入しライセンス普及を推進。また、スポーツに欠かせない身体パフォーマンス向上をデータで実証するコーチング事業を展開する株式会社CORE N’ CODEを設立し、日米の企業から様々なオファーを受けている。STROOPS Master Trainer, NSCA-CSCS
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