アスリートパフォーマンス情報サイト『CNC mag』の中からスポーツパフォーマンス向上に役立つ記事をご紹介します。
ファンクショナルトレーニングと同時に流行り始めたコレクティブエクササイズは、神経筋等の疾患を評価しながらそれを改善するためのエクササイズです。トレーニングが怪我予防&パフォーマンス向上である目的ならば、身体の疾患をエクササイズで整え尚且つパフォーマンスをアップさせる必要があります。そうした意味で全てのトレーナーに必要な知識と言えるのです。
コレクティブ・エクササイズとは?
Corrective Exercise (コレクティブエクササイズ)という言葉を聞いたことがありますか? 7−8前にスポーツチームのトレーニングコーチになりたいと思っていた頃、NBAチームのストレングス&コンディショニングコーチをされていた方はCES (Corrective Exercise Specialist)の資格があるといいよと教えて頂きました。私自身が知らなかっただけかはわかりませんが、当時はまだCESはとても新鮮な内容でした。
FMS等のファンクショナルトレーニングが流行ってきたと同時にコレクティブエクササイズも同時に世の中に広まってきた気がしますが、一体コレクティブエクササイズとはどのようなものなのでしょう?
NASMが定義するコレクティブエクササイズとは
神経筋の疾患などをシステマチックに評価していき、プランを立てて統合的に疾患を改善していくというのがコレクティブエクササイズです。このプロセスに必要なのは
- 統合的な神経筋やキネティックチェーン等の評価方法
- それを改善するためのコレクティブ・プログラムデザイン
- プログラムを実行するためのエクササイズテクニック指導
の3点になります。さらに、コレクティブエクササイズをする際は4つのフェーズを追っていきます。
コレクティブエクササイズの4つのフェーズ
PHASE1: Inhibitory Techniques
直訳すると抑制テクニックです。この段階ではまず神経、筋膜、筋肉などのオーバーアクティベーションを抑制します。筋肉の張りなどをリラックスさせたり筋膜リリースを行ったりするフェーズになります。
PHASE2: Lengthening Technique
ここでは可動域を増やすために、短縮された筋肉や組織を伸ばすフェーズです。主にスタティックストレッチやダイナミックストレッチなどを利用します。
PHASE3: Activation Technique
アクティベーション→活性化させるフェーズになります。Phase1,2にて正常な可動域を取り戻した後、その可動域をしっかりと使えるようにします。特に、何かしらの疾患によって使われていなかった組織を再度使えるように刺激することが大きな目的の一つです。
PHASE4: Integration Techniques
最後に、先ほどアクティベイトした組織や筋肉を実際に他の共同筋と共に使うトレーニングをします。このフェーズでは、動作をする際にどの筋肉や組織を活性化させ、その動作に必要のない部位は抑制させる事が出来るよう行います。
最後に:コレクティブエクササイズの使いどころ
私はアスリートや個人が行うトレーニング自体がコレクティブエクササイズの様なコンセプトで行った方が良いと思っています。極端に聞こえるかもしれませんが、トレーニングが怪我予防&パフォーマンス向上である目的ならば、身体の疾患をエクササイズで整え尚且つパフォーマンスをアップさせる必要があると思っているからです。
トレーニングをしていたら出力は上がったけど怪我もするようになったのであれば意味がありません。是非、トレーニングコーチの皆さんにはコレクティブエクササイズの意味を考えなおし、自分のトレーニングがどのようにアスリートに影響しているのかを考えなおしてみてください。
>>Write By YUTA IMADA
カリフォルニアの大学を卒業後、すぐにプロバスケットボールチームで3シーズン、ヘッドストレングスコーチとしてトレーニングを指導。その後、トップアスリートや一般のパーソナルトレーニングを開始。それぞれの競技や生活に必要な動作を分析し、個人に完全カスタマイズしたトレーニングプログラムを提供。アメリカのスポーツ科学と日本の繊細なトレーニングを融合させ、体軸や足裏を重要視した独自の理論を元に現在も指導中。 Certified Mental Coach, ROCKTAPE FMT. 理学士:Kinesiology
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