FITNESS ONLINE

facebook twitter googleplus
一覧へもどる
2015.11.12 木

“筋トレ”と”ファンクショナルトレーニング”の違いとは?

トレーニング

2009年より、株式会社ドームにて、DOME ATHLETE HOUSEゼネラルマネジャーとして、数多くのトップアスリートへのトレーニング指導を行う友岡和彦さんにスポーツパフォーマンスを高めるためのトレーニングを解説してもらいます。

ファンクショナルトレーニングとは何か?

まず、ファンクショナルトレーニングとは言葉通り「機能」を向上させるためのトレーニングのことです。ただし機能と一言で言っても、トレーニングする”目的”によって鍛えるべき機能は異なってきます。

例えばボディビルダーにとってのトレーニングの”目的”とは各部位の筋肉を最大限に肥大させることです。

そのためには、各筋肉に必要最小限の負荷をかけて、できるだけ多くの関節を用いて重量を分担させるような効率的な動き、つまりエコな動き、よりも重量がターゲットとする単一の筋肉群にしっかり伝えられ、筋肉個々に刺激を与えるよう、あえて比較的ゆっくりと単一面での動作でトレーニングを行う場合が多いです。

逆にアスリートの場合には「身体の軸がブレないようにしたい」「下半身を安定させたい」「下半身から上半身まで連動させて使えるようにしたい」など、向上させたい機能の目的が明確であるため、いかに効率的に動作を行うことが出来るかを考え、トレーニングを行っていきます。

TRX①

アスリートの場合にはいかに効率的に目的とする動作を行えるかを考えトレーニングを行っていく

「筋トレ」 VS「ファンクショナルトレーニング」ではない

最近では「ファンクショナルトレーニング」という言葉の認知も自体も広がってきていると感じています。一方で、筋トレとファンクショナルトレーニングは別のトレーニング方法と考えられがちでもあります。

しかし、私がアスリートにトレーニング指導を行う際には、両者を区別することなく競技特性上、筋力(パワー)が必要な場合には筋力トレーニングを取り入れ、動作の強化が必要な場合にはファンクショナル系の種目を多く取り入れるようにしています。

あえて分けるとすれば、ファンクショナルトレーニングは「目的が伴う」が、筋トレは「目的が必ずしも伴わない」といった方分かりやすいかもしれません。

筋トレもパワーをつけるという目的はありますが、そのパワーをどのように発揮するかということが明確ではありません。

反対にファンクショナルトレーニングは「●●という行為・行動・作業」を達成する目的で、その手段としてパワー発揮、または筋発揮が行われ、その結果「強化」に繋がるといえるかもしれませんね。

9997_1

様々なファンクショナルトレーニングに使用可能な長さと厚みのあるバンド!

ストレッチのサポートに最適なパフォームベター  スーパーバンド(4.5cm幅)

フィットネス市場 特別価格6,200円(+税:496円)

赤ちゃんトレーニングが最も基本的なファンクショナルトレーニング?

自分の中で最もファンクショナルなトレーニングだと思うのは発達運動学に基づいたトレーニング、世間的には「赤ちゃんトレーニング」 と呼ばれているトレーニング方法です。

ハンマー投げの室伏選手、テニスのロジャー・フェデラー選手、この他にも多くのトップアスリートがトレーニングメニューに取り入れています。

なぜ、このトレーニングが有効かというと、もともと人間は生まれてすぐに二足歩行で歩くことは出来ません。しかし、体系的に、段階的に身体の機能を獲得してことで歩くことが出来るようになります。

つまり、赤ちゃんの頃の「泣く、首が据わる、重心移動して寝返りを打つ、這い這いをする」という一連の動きのなかで「可動性」と「安定性」が手を取り合って、しっかりと機能として発達し、最終的に二本の足を使って歩くことが出来ます。

赤ちゃんの頃はこの動きがしっかりと出来ていたにも関わらず、成長に伴い姿勢不良、適切な運動の不足、著しい偏った動作など、何かしらの原因によって、機能が低下し、結果として身体をうまく使うことが出来ずに、最大限のパフォーマンスが発揮できないことが多いです。

シンプルなトレーニングではありますが、地面に寝た状態から赤ちゃんが行うような動作をトレーニングの中に取り入れてみることだけでもかなり変化があるはずです。

トレーニングの目的をしっかりもつこと

一般の方でも本格的にトレーニングを行う際には、自分自身が高めたい能力を見極めそれに合ったトレーニングを行うことがスポーツパフォーマンス向上への近道になります。

始めは正しいフォーム、やり方にこだわりが出てしまいます。これは悪いことではないのですが、しっかりと自分が得たい効果が得られればトレーニングの目的は達成されたことになるので、是非様々な新しいトレーニング方法をためし、自分に合ったやり方を見つけていってくれればと思います。人の「性格」に違いがあるように、人の「動き」にも違いがあります。それを前提条件として、自分自しいに何があったトレーニングなのか、自分の身体と対話を持ち、いろいろなトレーニング方法を取り入れてみてください。そうすれば、年々進化する自分の体に気が付くはずです。

IMG_0690

>>Kazuhiko Tomooka

1999年より、MLB フロリダ・マーリンズ(現マイアミ・マーリンズ)にてアシスタント・ストレングス&コンディショニングコーチ、そして2002年よりMLBモントリオール・エクスポズ、2005年よりMLBワシントン・ナショナルズにてヘッド・ストレングス&コンディショニングコーチを 担当。2009年より、株式会社ドームにて、DOME ATHLETE HOUSEゼネラルマネジャーとして、数多くのトップアスリートへのトレーニング指導を行う。

【企画・構成】
株式会社クラブビジネスジャパン
オンライン事業部フィットネスビジネス編集部:庄子  悟

facebook twitter google plus hatena bookmark line pocket