アスリートパフォーマンス情報サイト『CNC mag』の中からスポーツパフォーマンス向上に役立つ記事をご紹介します。
体幹トレーニングが注目される背景はどこにあり、その効果は一体何なのか?答えられる人は限られています。プロサッカー長友佑都選手が本を出版するほどにまで至る理由を多くのアスリートは知っておくべきだと思います。
あなたがアスリートで体幹トレーニングを行っているならば、なぜ体幹トレーニングが重要かしっかりと理解しているでしょうか?また、体幹トレーニグの結果をスポーツパフォーマンス、アスリートパフォーマンスにつなげるために、とても重要なことがあります。
世界で活躍するプロサッカー長友佑都選手が、体幹トレーニングの本を2冊出版し、爆発的な売上を記録しています。イタリアセリエAで身体は決して大きくない長友選手の活躍を目の当たりにすると、「日本人選手でも世界で通用するはず!!バロンドール獲って欲しい!!」と自分事のように嬉しくなりますよね。
その長友選手が「体幹トレーニングにフォーカス」して得た大きな2つのポイントがありますが、何も長友選手だけが特別に得たものではありません。同様に多くのトップアスリートが、体幹トレーニングで得たものとして、主に次の2点を述べています。
そのポイントとは、
という2点です。
アスリートにとして、この2点を自分のものにできれば、今以上に実力を発揮できるでしょう。
体幹トレーニングを傷害予防とパフォーマンス向上のための手段とする上で、重要な事実があります。
それは、「上肢を動かす0.03秒前、下肢を動かす0.11秒前に無意識のうちに体幹が安定される。」(出所:Therapeutic Exercise for Spinal Segmental Stabilization, Richardson, Hodges, Hydes)と言う研究結果です。つまり、アスリートがスポーツで上肢や下肢を効率的に動作させるには「体幹部の安定性(スタビリティ)が鍵」となる訳です。
例えば、野球の投球モーションで考えてみましょう。体幹部の安定性から、胸椎の可動性(モビリティ)や肩甲帯・股関節の柔軟性など様々な身体的な要素が加わることで、肩や肘へのストレスを軽減します。このストレス軽減が肩や肘の「傷害を予防」し、さらに速球を投げられる、「パフォーマンス向上」へ繋がるわけです。
これはあらゆるスポーツで同じことが言えます。
最近では、体幹トレーニングの必要性は認知が広がっているので、体幹トレーニングを取り入れているアスリートやトレーナーも多いでしょう。ところが、上記にあるように、体幹が常に「無意識に」働くために、アスリートは「常に意識化」してトレーニングする必要があるのです。そうした意味でもプランクなどの体幹部の安定性にフォーカスした、地味で、単一の体幹トレーニングが必要であり、意識化が重要なのです。
なぜか?その理由は、
のです。
さらに、アスリートにとって「呼吸によるコントロール」も体幹トレーニングの意識化につながります。大きなパワーを短時間に発揮するスピードなど、「腹部のブレーシング」という技術でそれらを高められます。
簡単に説明すると、サッカーで言えば、選手同士の身体がぶつかる瞬間に、腹圧が高まるはずです。その腹圧の力が脚に伝達し、当たり負けしない「踏ん張り」が作られるわけです。お腹から脚を通り、グランドに差し込まれる力の矢印をイメージしてもらうと解りやすいと思います。
このように体幹トレーニングが注目される背景は、スポーツ動作の力伝達の源が体幹に在り、それがストレスなくスムーズに上肢や下肢に伝達することで、アスリートの怪我を予防し、パフォーマンス向上に繋がるからです。プロ選手がベストパフォーマンスを生み出す鍵がここにあるのです。
>>Write By ROKIYA WASEDA
専門はストレングス&コンディショニング。プロ格闘技の選手及びキッズアスリートの指導が中心。それと並行して、アメリカの最新スポーツビジネスにおけるサービスを幅広く手掛けるネットワークが強み。現在、ELEMENT ATHLETIX、STROOPSなどを国内へ導入しライセンス普及を推進。また、スポーツに欠かせない身体パフォーマンス向上をデータで実証するコーチング事業を展開する株式会社CORE N’ CODEを設立し、日米の企業から様々なオファーを受けている。STROOPS Master Trainer, NSCA-CSCS
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