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2019.05.25 土

世界のエクササイズトレンド 『月刊NEXT』編集長 岩井智子

トレーニング

世界のグループエクササイズトレンドトップ10

 

近年フィットネス産業は世界的に発展を続けており、グループプログラムのトレンドについても、毎年、世界規模で2,000人以上のフィットネス指導者に調査するACSMの「ワールドワイドサーベイ」の発表に注目が集まっている。

ここでは、2018年12月に発表された最新のトレンドランキング、トップ10を紹介する。

1.ウエアラブルテクノロジー

フィットネストラッカー、スマートウォッチ、ハートレートモニター、GPSトラッキングデバイスを含む。ミスフィットやガーミン、アップル製のアクティブトレッカーも含む。これらのデバイスは、心拍数やカロリー、タイムや距離、歩数をはじめ様々なデータを計測・記録する。

ウエアラブルテクノロジーは、このトレンドキーワードとして初めて登場したのが’16年。’16年と’17年では1位だったが、’18年に一度3位にランクダウン後、’19年にふたたび返り咲いた。テクノロジーは今後も進化を続ける方向性にあり、今後もこのトレンドは長く続くことが予想されている。

2.グループトレーニング

グループトレーニングとは、5人以上の参加者で行われるエクササイズで、これまでに多種多様なタイプのものが登場している。カーディオ系クラスや、インドアサイクリング、ダンス系クラス、ステップやブートキャンプタイプなど。

グループクラスは、体力レベルの違う人でも同時に効果的、効率的に、高いモチベーションで楽しく行えるようにインストラクターがリードし、一人ひとりのフィットネスの目的達成を目指す。グループトレーニングはここ数年トレンドとして注目されており、’17年は6位、’18年は2位にランクインしている。

3.高強度インターバルトレーニング(HIIT)

このタイプのプログラムは、短時間の高強度エクササイズと短時間のインターバルを繰り返す構成となっている。通常10 ~ 30分の長さで、最も短時間で究極の運動効果が得られるとされてトレンドとしても注目されている。HIITは’14年以来、ずっとトップ5にランクインしている。

4.高齢者向けフィットネスプログラム

人口ボリュームの多い、ベビーブーマー層や高齢者に運動ニーズを啓発してきた結果、この層にもフィットネスが浸透している。

人々の寿命が延び、フィットネスが、仕事やプライベートを長く楽しむことに有効であるという認識が広がり、市場も拡大している。このトレンドは、’17年は11位、’18年9位と年々ランクを上げてきている。

5.自重トレーニング

このタイプのトレーニングは、最小限の機器で行うことができることから、様々なエクササイズと組み合わせたり、場所を問わず効果的なフィットネスを継続できることで注目度が高まっている。

6.資格認定者の雇用

フィットネス業界が成長するにつれて、健康やフィットネスの指導者として、信頼の高い資格をもった指導者を雇用することの重要性が高まっている。

7.ヨガ

「ヨガ」は、このトレンドランキングに何年も見られるキーワードとなっているが、今年は特に「パワーヨガ」や「ヨガラティス」「ホットヨガ」など、新たなコンセプトのヨガが成長トレンドとして注目された。

8.パーソナルトレーニング

ACSMでは、パーソナルトレーニングの定義として、フィットネステストや評価を行い、それぞれのクライアントのニーズや目標に合わせて、トレーナーが1対1でついて、一緒に個別のプログラムをつくり実施していくこととしている。

本トレンド調査が始まった’06年からパーソナルトレーニングはトップ10内にランクインしており、業界にとっての重要性が伺える。

9.ファンクショナルフィットネス

トレーニングファンクショナルフィットネスとは、ストレングストレーニングやそのほかのアクティビティや動作を通じて、バランス力やコーチネーション力、筋力_や筋持久力を高めて、日々の生活における活動レベルを改善しようとするものである。このトレンドは4位に決まってランクインしており、高齢化が進むなかで、フィットネスが動ける身体を維持するうえで、とても重要であるという認識が広がっていることが伺える。

10.運動療法としてのエクササイズ

英語表記では、「Exercise is Medicine(薬としてのエクササイズ)」。病院やクリニック、ヘルスケア関係者に、各種の病気の治療やリハビリの際の、身体活動の評価や処方にフィットネスを含めたり、患者をフィットネス指導者に紹介することを啓発する機会が増えている。’18年に12位にランキングされ、’19年にはトップ10にランクインした。

米国クラブメンバーのトレーニング参加動向、10 のトレンド

グループプログラムのトレンドとして、近年スモールグループトレーニングの浸透が進んでいる。ここではIHRSAが米国のフィットネス参加者24,134人へのオンラインアンケートから集計した「フィットネストレーニングレポート2017に発表された参加動向に関する10のトレンドを紹介する。

(1)2016年に840万人がパーソナルトレーニングを利用し、全クラブ利用者の12.6%となった。クラブメンバーは、年間平均29セッションのパーソナルトレーニングを利用したのに対し、非メンバーは、21セッションだった。

(2)パーソナルトレーニング利用者の87%は、クラブメンバー。メンバーにならず、パーソナルトレーニングだけ利用している人は、13%。

(3)パーソナルトレーニングでは、Z世代とミレニアル世代の利用率が高い。Z世代の17.5%、ミレニアル世代の17.2%がパーソナルトレーニングを利用している。

(4)ブティックスタジオでは、パーソナルトレーニングやスモールグループトレーニングの利用比率も高い。ブティックスタジオメンバーで、パーソナルトレーニングを利用している人は21%、スモールグループトレーニング利用者は27%。

(5)ジムスタジオタイプのクラブでは、スモールグループトレーニングの利用者比率が高く、総合クラブではパーソナルトレーニングの利用比率が高い。スモールグループトレーニングの利用率は、ジムスタジオクラブで26.4%と高く、総合クラブでは19.1%。一方、パーソナルトレーニングの利用率は、ジムスタジオクラブメンバーで11.6%に対して、総合クラブでは14.9%と高い。

(6)スモールグループトレーニングの利用者は女性が多く、パーソナルトレーニングの利用者は男性が多い。スモールグループトレーニングの男女比は、46:54。一方、パーソナルトレーニングの男女比は54:46となっている。

(7)1,770万人がスモールグループトレーニングに参加、全利用者の26.6%にのぼる。クラブメンバーの年間スモールグループ利用回数26回に対して、非メンバーは27回となった。

(8)スモールグループトレーニング参加者の15%は非メンバー。残りの85%はクラブメンバー。

(9)世代別では、Z世代がスモールグループトレーニングの利用率が高い。Z世代のクラブメンバーの45.8%がスモールグループトレーニングを利用している。

(10)人種別では、黒人系およびスペイン系アメリカ人のスモールグループトレーニングの利用率が高い。黒人系アメリカ人の28.3%、スペイン系アメリカ人では44.7%がスモールグループトレーニングに参加している。

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