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2015.08.19 水

フィットネスジムでの超ハイテク “トレーニングサポート”

News&Trend

テクノロジーの進化とともに革新的なフィットネスサービスが生まれ始めている。テクノロジーを活用することでこれまで難しかったことが可能となり、フィットネスの価値を大きく押し上げている。そんな新時代のテクノロジーを活用した”フィットネススタイル”をトレーナー・インストラクター向けの月刊誌「NEXT」から「テクノロジーが拓く”新時代のフィットネス”」として最新の動きをお伝えする。

♯01 “mywellness cloud”

個々のライフスタイルに、ジムの存在が不可欠になる

「Wellness on the GO (何時でも、何処でも、ウェルネスを!)」をスローガンに、テクノジムでは施設と会員をつなぐ業界初のクラウド型ソリューション『mywellness cloud』をオープンプラットフォームとして無料で提供している。

まず、「ウェルネス」という言葉についてテクノジムジャパンのマーケティンググループ井下和弘さんはこう説明する。「これまでのフィットネスクラブでは、メンバーがジムにやって来てはじめて接点が持てました。その時間は、週168時間ある中のわずか2時間程度。この時間をフィットネスと呼ぶならば、ウェルネスは、週7日、1日24時間365日です。つまり、生活そのものを指し、運動習慣をはじめ生活における活動量、食事、睡眠などライフスタイルすべてに健康を介在させること。これがテクノジムの考えるウェルネスの定義です」

健康維持や生活の質(QOL)の向上には、毎日の健康管理が欠かせないのはもちろんだが、施設が担える役割も大きい。一人ひとりのライフスタイルの把握と、ジムにいない時間のサポートが価値の高いサービスとなる。

そこでテクノジムは施設や会員に、いつでもどこでも活用できるシステムを『テクノジムエコシステム=生態系』として構築した。「『テクノジムエコシステム』は、運動を主軸にライフスタイル全般をマネジメントすることと定義され、その中核を成すのが『mywellness cloud』です。これはエンドユーザー向けの無料ポータルサイトと、さまざまなアプリケーションを一括管理できるクラブオペレーター用の運用サイトで構成されているクラウドソリューションです」

『mywellness cloud』では、施設のビジネス活性とメンバーの目標達成のためのさまざまなアプリが選べるようになっている。
大きく分けるとに以下の4つに分類される。

①ユーザーのデータ収集・分析

②プラン提案

③ユーザー参加・モチベーション向上

④コミュニケーションや販促ツール、そしてマシンのリアルタイム管理

テクノジム①

図1:my wellness cloudでデータを一括管理。ユーザーが持つスマートフォンとも同期。

メンバーは、クラウドの自分専用アカウントを持ち、ジム内にいる時は、カーディオマシンのモニターとして搭載された『UNITY』 やキオスクステーション型の『UNITYSELF』、自宅ではタブレットやPCで『mywellnesscom』のウェブサイトから、外出時には、スマホやタブレットの『mywellness cloud・モバイルアプリ』から直接アクセスできる。「これによりメンバーが施設内・外どこにいてもウェルネスに繋がることができるのです」

個人のスマホと施設のタブレットの連動で楽しみが広がる

そこで、まず施設内で活用できるアプリについて井下さんに教えてもらった。
まずはカーディオモニター。従来のコンソールでは、テレビやiPodが使用できることに留まっていたが、現在はタブレット型のコンテンツ提供にシフトしてきている。

テクノジムのカーディオマシンに搭載された『UNITY』はアンドロイドプラットフォームだ。その大きな特徴は、ユーザーID(スマホのQRコードや専用のキー)でログインすると、自分専用のウィジェットが展開する点。アカウントによって一括管理されているので、モニターにはメンバーの顔写真が映し出され、スマホに記録されている自身の健康に関するデータをはじめ、ジムでのトレーニング情報などが同期される。

また、スマホに登録されているお気に入りのウェブサイトやユーチューブチャンネル、フェイスブックなどにもアクセスでき、クラブオペレーターが個人向けにカスタマイズしたコンテンツを見ることもできる。

テクノジム②

図2:スマホに登録されているお気に入りのウェブサイトやYoutube、Facebookなどにも簡単にアクセス可能。


「メンバーがスマホでアクセスした『mywellness cloud ・モバイルアプリ』は『Runkeeper』や『Polar』といったGPSアプリ、フィットビットなどのウェアラブルの活動量計と同期させておくことができます。こうしたジム以外のアウトドアの運動や活動情報も『UNITY』上で見ることができます。たとえば、アウトドアで走ったマップデータをジムのマシンでスピードやコースなどを再現しながら走ることもできます。

また、アウトドア機能も搭載されているので、トレーニングをしたい好みのロケーションを選ぶことができ、まるで屋外で走っている気分も味わえるのです」キオスクステーション型としてジムに設置された『UNITY SELF』は、新しいプログラムの提案もモニター上でしてくれる。

たとえばダイエットなどの目標を入力すれば、メンバーの来館頻度や滞在時間などの条件に基づいて、施設に存在するマシンの中から最適なトレーニングをアルゴリズムで生成し提案もしてくれるのだ。『UNITY』同様に、パーソナルデータを見ることはもちろん、実施予定のエクササイズの正しい方法を動画で確認することもできる。

「『UNITY SELF』の画期的なコンテンツの一つに、自分がどんなトレーニングをやっていいのかわからないというメンバーに対する診断機能があります。約2分間、心理学ベースの24の質問に答えるだけで、自社が開発した診断ツール『Profile』(プロファイル)が瞬時に解析し、トレーニングへの潜在的な願望(アスピレーション)を分析して、最適なトレーニングプログラム、アスピレーションマップを提示します。

こうしたアプリは、トレーナーが介在しなくてもメンバーのニーズやウォンツに適確に対応することができるので、双方にとって効率の良い運動処方が提供できる画期的なテクノロジーです」さらにトレーナー用にはiPad用のアプリ『Prescribe』(プレスクライブ)がある。ここでは、各会員のデータ(バイオデータ、運動プログラム、アポイントなど)の情報が共有される。

「タブレットのカメラ機能を活用できますから、カスタマイズしたプログラムをその場で静止画/動画記録して、そのまま種目登録して処方できます。トレーナーにとっては、タブレットを片手に持っていれば、アポイントから指導やフィードバックなど、あらゆる業務が現場で適確にできるのです」

モチベーションがアップする施設外との連携

ここまでは、主に施設内でのテクノロジーだったが、施設外でもタブレットやPC、スマホを利用することで、メンバーとつながることができるきめ細かいアプリがある。

『Coach』(コーチ)は、クラブオペレーターがユーザーの個人トレーナーの役割を果たし、生活習慣を把握して、トレーニングや食生活、生活習慣向上に関するアドバイスを含めたパーソナルプランを作成して送ることができるアプリ。施設の外にいるメンバーと活発にコミュニケーションを取ることでユーザーのモチベーションの維持・向上につなげる。

『Challenge』(チャレンジ)という機能では、インタラクティブなコンテストやイベントを運営でき、個人またはグループで設定をし、トレーニング回数や燃焼カロリーなどで競うこともできる。チャレンジに参加すると結果がランキング形式で表示され、メンバーのトレーニングのモチベーション維持や楽しみにつながる。

このようにウェブやモバイルアプリからのアクセス手段を提供し、ニーズにあったアプリにより、メンバーのライフスタイル全般に楽しくウェルネスを介在させることが可能になる。
また、メンバーだけではなく一般生活者でも、「mywellnessアプリ」は無料でダウンロードできるため、新たな顧客獲得に向けたマーケティングも可能となる。

テクノジムの提供するウェルネスは、施設そのものがライフスタイルに健康をもたらす欠かせない存在になることはもちろん、健康管理は、いつでもどこでも誰もが〝楽しく〞行うべきものである、という新しい概念を教えてくれているようだ。

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