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2020.04.08 水

【最新版】日本フィットネス産業協会、フィットネス関連施設における新型コロナウイルス対応ガイドラインを策定

News&Trend 新型コロナ対策

新型コロナウイルス感染が拡大するなかで、一部のフィットネス施設での感染者の利用が特定され、政府よりさらなる拡散防止策が求められている。こうした状況に対して、一般社団法人日本フィットネス産業協会(略称FIA)は、フィットネス産業界から広がる健康被害と社会的・経済的混乱を抑えるために、感染者の侵入を水際で防ぎ、感染拡大対策を徹底するとともに、発生時の具体的な対応をあらかじめ定めておくことが重要との認識のもと、フィットネス関連施設の利用者並びに運動指導者、従業員の生命と健康を守るための業界共通の施設提供継続のための対応指針として、フィットネス関連施設の特性に則した、新型コロナウイルス感染拡大を徹底的に防ぐ運営ガイドラインを定めた。

同協会会長吉田正昭氏は、「運動施設を提供されるすべての事業者のみなさまには、どうかガイドラインに沿って営業活動に臨んでいただき、万全の体制の運営を心掛けていただきますよう、切にお願い申し上げます」と、業界各社に向けてメッセージを発している。

フィットネス関連施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン(Ver.6)

■利用者への注意喚起(ホームページ・店頭掲示・書面配布等

①施設利用者の入館時の健康チェック強化のため、施設利用時の注意事項並びに、体調が思わしくない時の来館・エクササイズ自粛について、以下の内容に則した館内掲示やHPへの掲載をもって会員へ呼びかけ、実行徹底を強く求める。

(実際の文面)

クラブ内での感染拡散を防ぐため、そして何よりもご利用いただきますお客様ご自身の予防のためにも、しばらくの間、以下の点を厳守の上ご利用いただきますよう、強くお願い申し上げます。
少しでも以下に該当すると感じる点がある方のご来館は固くお断り申しあげます。

●マシンジムをご利用の際は出来る限りマスクを着用してください。

●次の症状がある方等、該当する点があるお客様は来場しないでください。
*風邪の症状(くしゃみや咳が出る)や37.5度以上の熱がある方。
*強いだるさ(倦怠感)や息苦しさがある方。
*咳、痰、胸部不快感のある方。
*同居家族や身近な知人に感染が疑われる方がいる。
*その他新型コロナウイルス感染可能性の症状がある方。

[補足] その地区で感染例が報道されている地区では、潜在的にだれが感染しているのかわからないので、一層の対策が必要。以下の厚生労働省 HP を参照のこと。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000596905.pdf

●過去14日以内に、政府から入国制限、入国後の観察期間を必要と発表されている国・地域渡への渡航、並びに当該在住者との濃厚接触がある方。以下の外務省HPを参照のこと。
https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/country_count.html
https://www.anzen.mofa.go.jp/masters/kansen_risk.html

●なお、地域の学校にて休業の措置が取られている場合は、幼児・学童・学生(18歳未満)の方は来場をご遠慮ください。

●また、以下に該当する、感染による重症化を引き起こしうる疾病をお持ちの方は、ご本人(ご自身)の安全のためしばらくの間、ご来場しないご配慮が必要ですので、ご来場をお控えください。
(糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD等)の基礎疾患がある方)
(人口透析を受けている方)
(免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方)

②感染症に関する国の注意喚起が解除されるまでの期間中、スタッフがマスクを着用することの告知を行う。

■既存事業やイベントへの対応

①幼児・学童・学生を対象としたスクール事業への対応
地域の学校にて休業の措置が取られている場合は、幼児・学童・学生(18歳未満)を対象とした教室並びにイベントは休講とする。
ア.その案内に際し、振替受講の案内・申込受付体制を事前に準備し、該当する顧客に明確に提示する。
イ. 休業期間は地域学校の休業状況に則して柔軟に対応する。

②成人を対象としたイベント等への対応
ア.成人(18歳以上)を対象とした通常の民間の施設提供そのものを休止するケースは少ないが、多くの人を集めるようなイベントについては感染リスクを高めるため中止、もしくは延期の対応をとる。

■店舗の営業における対応

下記の各エリアにおける注意点を遵守すること。

場内衛生確保・感染防止対処

ア. 入場口における注意喚起掲示の徹底

イ. 施設内の消毒殺菌
●入場口への手指消毒剤配置 *推奨薬剤 :アルコール製剤

●施設内の殺菌消毒 *推奨薬剤:次亜塩素酸水等による清拭と除菌

ウ. 更衣室・手洗い場
●清掃・除菌の通常以上の徹底。

●洗面所の水道、トイレ、出入り口のドアノブ、など不特定多数が触れる箇所のこまめな清拭と除菌、巡回清掃の実施及び実施済管理簿の設置。
(最低推奨回数:2時間に1回)

エ. トレーニングジム
●トレーニングエリアが密閉された空間となることを防ぐため、必要十分な換気を徹底する。この場合、建基法換気量(建令2 0 条の2 )による風量及び、換気回数(部屋の空気が単位時間に入れ換わる回数)等から必要換気量を確保する。
1時間あたりの空気の入れ替え回数 → 3回以上を目安とする。
※天井高がある場合、窓の開放が可能な場合など、施設の状況に応じた対処とする。

●マシン・トレッドミルの汗拭き用として各マシンに設置されている雑巾(タオル)は共用を避けることが求められる。
▷代替え案
各マシンに消毒剤とペーパー類、ごみ箱を用意し使い捨て方式とする、又は雑巾を取り換えられるよう多く用意するなどして、共用を避ける。
▷マシン利用者への徹底
*マシン利用後は、必ずふき取りの実施を利用者に徹底していただくための具体的措置を取ること。
例)
・複数個所への張り紙
・定期的な館内アナウンスによる実行の呼びかけ
・注意事項を記載した書面の手渡し 等

●トレッドミル、マシンの間隔を通常よりも広く設置するよう見直す。
▷マシン、トレッドミルの隣同士のマシンを一台使用不可にしてスペースを確保
*隣人との間隔は最低2メートル前提(参加者が両手を広げてぶつからない程度の間隔)が望ましい
▷マシンやフリーウエイトが密集しており、撤去が難しい場合は、トレーニング部位の優先順位を検証し、優先順位の高い部位のマシン以外で間引けるマシンは使用禁止とするなどの対応をとる。

●マシンジム利用時は可能な限りマスクの着用を勧める。

●パーソナル指導時の指導者のマスク着用の徹底
*指導者は自分が感染する潜在的な可能性が高いことを自覚する必要がある。

オ. スタジオ
●集団型スタジオレッスンは、しばらくの間はできるだけ中止が望ましい。
※特に、地域に於いて感染者が確認されたような場合は、一層の中止の判断がとられることが望ましい。

●集団型スタジオレッスンは、スタジオが密閉された空間となることを防ぐため、必要十分な換気を徹底する。この場合、建基法換気量(建令2 0 条の2 )による風量及び、換気回数(部屋の空気が単位時間に入れ換わる回数)等から必要換気量を確保する。
▷1時間あたりの空気の入れ替え回数 → 3回以上を目安とする。
*天井高がある場合、窓の開放が可能な場合等、施設の状況に応じた対処とする。
▷人数制限の実施:隣人との間隔は最低2メートル前提(参加者が両手を広げてぶつからない程度の間隔)
*上記のスペースを前後左右で確保することを前提に、各施設のスタジオにおいて、そのスペースに応じた制限人数を確定し、その範囲内で実施する。
(充分な間隔確保の必要性の理由としては、声を出しながら動くことによる唾の飛散によるウイルス拡散と付着を避けることにもあることを留意。)
▷スタジオプログラム受講の年齢制限を成人(18歳以上)とする。
▷レッスンとレッスンの間隔を多めに設定するなどして、換気・清掃等を十分に行えるよう工夫することも必要である。

. プール
●成人対象の集団レッスン実施は、各クラブ判断によるがしばらくの間控えることが望ましい。

●プールにライフガードを配置する場合は、利用者の健康状態のチェックに一層の注意を払うように指導する。

●塩素濃度のモニタリングは普段よりも頻繁にチェック。
*鼻汁などの分泌物が増えることには注意。着脱時などの衛生管理

キ. その他
●スタッフは全員マスク使用が望ましく、利用者には可能な限りマスク使用のお願い。

●間近な距離での会話を避けるなど、三密回避に配慮する。

■スタッフの健康管理

①スタッフ全員(インストラクターも含む)の執務前後の体温チェックを徹底。(※37.5度以上は即出勤停止)
▷最低限出社時にチェックし、その結果を記録し上長が押印確認する台帳の作成の徹底

②スタッフの家族等、同居者に感染者や感染者への接触があることが判明した場合は、即刻出社停止とし、他のスタッフとの接触について正確な実態把を実施。

■感染者情報に接した場合の対処(保健所からの通知・本人からの通告)

①まず、即時に保健所へ報告。(求められる情報の速やかな開示)
▷滞在者情報の摘出。
▷特に感染者の入館時から退館の一時間後くらいまでに在館されていた会員のリストアップ。

②保健所の指示に従った上で早い段階で休館を決定し、関係者への周知を図る。
*あらかじめ、会員規約「○日のクラブ閉鎖の場合は会費取り扱いを○○とする」等の規約を確認しておく。

③感染者利用などの判明により同時間帯の在館者への連絡、あるいは逆のケースとして会員から自分が利用していた月日や時間の問い合わせなどが集中するケースが考えられることから、現場負担が多大であることの想定と、起きた場合の対応事前の検証が望ましい。

④自社内だけでなく行政に対する関連者リスト提出を求められる場合を想定し、抽出するデータベースの確認や作表の手順など具体化しておくことが望ましい。

⑤休業期間については、所管保健所により指揮の有無が分かれているのが現状。
意思疎通に留意する。

⑥施設汚染が発生すると専門業者による施設の消毒が求められるので、既存取引先・地域の業者から対応の可否を確認しておく。

■既存会員の特別対応期間中の対処

●休会の取り扱い
通常期に比べて「休会申し出」が増える。規約会則上の扱い方法をスタッフで共有。

■最後に

現況のような状況下ではありますが、営業活動を休館することによる経済状況の悪化は避けたいというのは、業界各社共通の願いであることは言うまでもありません。
しかし、一方で、一施設でも、対応の不備による事態の悪化が発覚した場合には、業界全体への自粛要請される可能性は十分にあります。
運動施設を提供されるすべての事業者の皆様には、どうか万全の体制の運営を心掛けていただきますよう、切にお願い申し上げます。

(一社)日本フィットネス産業協会 会長 吉田 正昭

<参考>

首相官邸 新型コロナウイルスへの備え
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html

首相官邸 感染症対策特集
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/index.html

厚生労働省 新型コロナウィルス感染症について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

外務省 海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/

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