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【教育・研修】4社による座談会-フィットネスクラブ各社の現状と課題

2016.09.25 日 トレンドサービス

-現場ではどのような研修を行っていますか

ルネサンス:現場のアルバイトの研修は、育成計画表に則って、フィットネス、スイミング、フロントセールスの各セクションで行っています。月に1回、全員参加のセクションミーティングを開催していて、専門知識の習得を目的とした学び合いの場があります。新卒新入社員に対しては、エルダー制度とサポート相談制度を設けています。エルダー制度は、同じセクションの先輩が業務を教える役割なのに対し、サポート相談制度は他セクションの先輩が斜めの関係を構築し、直属の先輩には言いにくい相談や不安を聞き、解消していくことが狙いです。

ティップネス:前述のマスタートレーナーを中心に、基本的には現場で研修を行っています。しかし、この数年、その時間を確保する難易度が上がってきています。品質を維持するには不足部分もあり、それを補填するため今年度より本社サイドで各セクションの教育を一括でサポートする仕組みを取り入れています。人材開発部は、単にスキル・知識をインプットさせるだけでなく、個々の能力を把握して伸ばすことにより、お客さま満足につなげていくことを目指しています。

オアシス:現場では、「リーダー制度」を設けていて、フィットネス、セールス、フロントの3セクションに分けて研修を行っています。特に最近できたセールスのセクションに力を入れていて、リーダーとは別に「フィットネスプランナー」という社内資格を設けています。社内研修を1日受けて、1ヶ月間見学・体験の対応をレポートとして提出、「トップオブプランナー」と呼ばれる社員が試験を行って合否を判定します。

3ヶ月に1度の開催で、合格率は40%程度です。1年後にブラッシュアップ研修を行い、1年間の獲得成績が全店の獲得率より低かった場合は研修を再受講し、試験を受けます。

フィットネスの部門は、トレーナー やプログラムの社内資格をいくつか設けています。「フィットネスPT」と呼ばれる社員が、数ある社内資格の研修を週1回ペースで開催しています。実施の2ヶ月ほど前からポータルサイトで告知し、自由に参加することができますが、最低遂行人数に到達せず開催できないこともあり、それが課題です。フロントは現場でのOJTが中心です。社内システムが変わったときなど、必要に応じて本社に集めます。そのほか、接遇・応対、BLSの研修は定期的に行っ ています。

ハクヨPS:フロントスタッフには、顧客満足度とセールス向上のためのCS研修を行います。3ヶ月に1度、各店舗2人が講師を務めて、スタッフに研修します。フィットネスはスター制度を設けて、2ヶ月に1回試験を行います。2スター以上になるとパーソナルトレーニングを担当できます。

すべての部門で、エルダー研修を行ってからチーフになります。新入社員が提出した日報をフィードバックし、さらにそれを本社が確認、フィードバックするということを半年間行います。

マネジメント職は社外のオープンセミナーで研修を受けてもらっています。副支配人になるとインバスケットの研修を受けることが必須です。

ルネサンス:当社も準管理者以上はインバスケット研究所などのオープンセミナーに参加してもらっています。社外の研修に参加することで自身のレベルを知るとともに、業界や社内の常識に囚われない感覚を養ってもらいたいと思っています。また管理職に昇格したタイミングで、インバスケットの中級または経営シミュレーション研修のどちらかを受けてもらっています。

-全店舗で標準化を図るために行っていることはありますか

オアシス:先に挙げたフォロワーシップ研修を全スタッフに受講してもらっていることと、研修の進捗が悪い店舗については本社スタッフが研修をしに店舗に出向くことなどで、育成の標準化を図っています。

ハクヨPS:半期に1回、品質管理のチェックリストを提出してもらっています。2ヶ月に1回、CS、トレーナー、施設管理とそれぞれ抜き打ちで監査を行い、実行できているか確認してフィードバックします。店舗によって差が出ているのが現状です。支配人の力が大きいですね。

ルネサンス:当社も以前はSV(スーパーバイザー)と呼ばれる社員が、定期的に品質管理のチェックを行い、改善点をフィードバックしていました。100店舗を超えてからは、本社での管理に加えて現場が日次、月次でチェックできるようなプロセス指標を活用し、品質を管理しています。

ティップネス:各担当エリアの営業課長が、運営の数字と提供品質の管理を行っています。接客・接遇に関しては、その年のテーマを決めて本社がパッケージを作り、店舗の課題によってカスタマイズして各店舗で研修を行っています。専門スキルは、入社後研修を終えたキャリア半年以降のミドル層スタッフのボトムアップが課題です。必要なスキルに応じて、担当の専門部署が対象者に対しサポート研修を行うことで一定の品質で標準化できるようにしています。

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