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【教育・研修】4社による座談会-フィットネスクラブ各社の現状と課題

2016.09.25 日 トレンドサービス

-自主学習へのフォロー制度などはありますか

ハクヨPS:セミナー受講など、申請すれば通りますが、利用している人は少ないのが現状です。制度があっても、自費で行っている人も多く、人事考課の際、自己啓発として評価されます。

オアシス:自己啓発支援金という制度があり、一定額まで会社が負担しています。

ティップネス:全社員対象で自己啓発援助金という制度があり、活用状況は 毎年5%前後です。またレッスン社員 (専門職)は各々のスキル向上を目的とした対象の研修は別途研修費として勤務扱いで参加を促しています。

ルネサンス:自主的に学びたい人のために年間2万円の“自ら学ぶサポート制度”があります。トレーニング系の資格に利用している社員も多いようです。

-社外の研修や資格で、受講、取得を推奨しているものはありますか

ティップネス:エクササイズ系ではFMSベーシックインストラクターの資格をアルバイトも含めたカウンセリング担当者全員が受講しています。

オアシス:フォロワーシップ研修と「7つの習慣」の受講は、社員は必須です。また、モチベーションテクニックの受講も現場のスタッフには必須化しています。今後必要だと思われる資格は、健康運動指導士や管理栄養士などです。

ハクヨPS:ロジカルシンキング、コーチングなどは全社員必須で受けています。グループマネージャー以上は上級管理職研修を受けています。トレーニング系の資格としては、JATIを必須としています。

ルネサンス:APT(アディダスパフォーマンストレーニング)は、社員トレーナーは全員受けています。自治体の仕事が増えているため、健康運動指導士は推奨しています。

また、Eグレードというレベルの昇格試験時には、衛生管理者(第2種)の資格を必須要件としています。アソシエイトホスピタリティコーディネーターの認定をもったスタッフを各店舗必ず2人配置しています。この認定制度を導入してからは、スタッフの意識が変わり、おもてなしを行動に移すようになったと思います。

-スタッフのモチベーションの維持・向上のために行っていることはありますか

ルネサンス:’00年ごろから「スマイルスタッフシステム」という接客における社内資格を設けています。入社後すぐにスマイルスタッフベーシック研修を受け、合格するとストラップの色が青になります。半年後には応用編として「スマイルスタッフアドバンス研修」があり、合格すると赤ストラップになります。ここまでは全スタッフが必須で受けるものになっています。さらに研修やテストを行うのはスマイルインストラクターで、チャレンジ制になっており、現在600名が全国のクラブで活躍してくれています。

オアシス:当社も「輝きさん」という店舗で輝いた行動をとったスタッフが表彰され、ストラップの色が変わる制度を採り入れています。’13年から毎月行っていますが、選ばれるスタッフの偏りがあったり、選出がない月がある店舗があったりと、課題も抱えています。

ハクヨPS: CSとトレーナーそれぞれの部門でスター制度を設けていて、CSは名札が変わり、トレーナーはユニフォームが変わります。トレーナー は3スターが社内に1人しかおらず、「2スターになれるだけで嬉しい」とモチベーションが上がるようです。また、半期に1度の経営計画発表会で、「感動エピソード大賞」を表彰しています。自薦で、アルバイトも含めた全スタッフが1つ以上応募することにしています。当社も店舗によって温度差があることが課題です。

ティップネス:当社も「T1グランプリ」という6部門のコンテストを年間1回行っています。上位者にはバッチを贈呈していますが、同じ人が表彰されることもあるなど、本当に全体のボトムアップや個々の育成につながっているのか疑問に思うこともあります。あくまで自社評価なので、評価軸が正しいかどうかも再検討の必要があると感じています。

ルネサンス:当社も3年前から「ルネサンス接客コンテスト」を行っています。クラブ、エリア、部、全社と4段階のステージをクリアするのですが、その都度賞賛されますので、モチベーションも向上していきます。またベストプラクティスを水平展開することで接客向上へつなげています。

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