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【ICT×フィットネス】ICT・AI時代にトレーナーやインストラクターが身につけるべき能力とは

2016.09.20 火 テクノロジー

それでは少し視点を変えて、ICT・AIを活用するために今、トレーナー・ インストラクター・栄養士はどのような能力を身に付けるべきでしょうか?

馬淵:アジアのスポーツチームへシステム導入の提案に訪れることも多いのですが、その際、毎回のように「このシステムを利用できる日本のトレーナーを紹介してください」と言われます。日本に住んでいると感じることは少ないのですが、アジアの国々では 日本はIT先進国としてみられており、「日本のトレーナーはITリテラシーが高い」と認識されています。しかし、実際のところは日本のトレーナーの中でもシステムやITを使いこなせるト レーナーというのはごく一握りしかいないのが現状です。
今後、日本の人口は減少の一途をたどるため、活躍の舞台をアジアや世界に広げていくトレーナーも増えていくでしょう。そのような方はトレーニングやヒューマンスキルを磨くだけでなく、ITやシステムを使いこなす能力も必須になってくるのではないかと感じています。

福田:ITに対して苦手意識をもたず、積極的に利用していってほしいと思います。先日、若いトレーナーの方とお話しする機会がありました。その方は対人コミュニケーション能力が非常に高いにも関わらず、ITやデータといった単語が出た途端、「私、ITは苦手なので」と理解することをあきらめてしまいました。これは、とてももったいないことだと思います。 ITといっても、fitbitなどのウェアラブル端末で取得されたデータはコンピューターが自動でグラフ表示してくれますし、端末操作もスマートフォンを操作ができる方であればそこまで難しい操作は必要ありません。 今後も、パーソナルデータ取得の流れはますます加速していきます。トレーナーの方にはITに抵抗をもたずに「まずは使ってみよう」という意識で、 積極的にITやウェアラブルに触れてもらいたいと思います。

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p82-83venturespirits8月から提携しウェルネスパッケージ提供を開始した両社(左:溝口氏、右:福田氏)

最後にフィットネス業界の経営者の方々に向けて一言お願いします

溝口:これまでICTやAIについての話をしてきましたが、「お客さまのどんな課題を解決したいのか」「そのためにどんな手段が有効なのか」が最も重要なことであり、正直なところ利用するツールは何でもいいのではないかと思っています。私自身、お客さまの課題をずっと見続けてきた結果、解決の手段としてスマートフォンやAIの登場によって、課題が解決できそうだと思って創業したのがFiNCです。スマートフォンを利用すれば、裕福な方 だけでなく、低所得の方に対してもサービスが提供できるため所得格差に関係なく健康というインフラを多くの方に届けることができるのではないか考えています。 「クラブを利用する」というのはあくまで手段であり、それそのものが目的ではありません。「フィットネスに関わる方々は、多くのお客様の繋がりを創造し正しい健康をお届けする」という目的にもっとこだわる必要があると思っています。

馬淵:他業界に比べ、スポーツ産業の業界全体でもIT化やシステム化が遅れているなと感じることが多くあります。今後はITを活用することでスポーツやフィットネスに新たな価値が提供される未来にしていきたいと思います。

福田:今回のテーマであるICTまたはIoTなどの活用は、今後もさらに拡大していきますので、まずはご自身が使ってみることで、「何が出来るのか」「お客さまへどういった価値が提供できるのか」を共に考えていければと思います。

田中:フィットネス業界の方々は人の健康をサポートする仕事ということもあってか、これまでの経験や理論などを重視する職人気質な方が多いと思います。今回のテーマであるICTとは、その経験や理論を裏付けるためのデータを取得する道具です。ぜひ広い視野を持っていただきICTを敵としてみるのではなく、積極的に活用いただき、いいサービスを提供していただきたいと思います。

―4名のパネリストの皆さま、貴重なお話ありがとうございました。

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オンライン事業部フィットネスビジネス編集部:庄子  悟

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