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【MY POLICY】 竹ヶ原佳苗さん -前編

2016.09.25 日 IR-キャリアビジョン

有限会社スポーツゲイト丸山 寛氏が、フィットネス業界に生きるビジネスパーソンのこだわりに迫る「MY POLICY」。今回は竹ヶ原佳苗さんのMY POLICYについて前編・後編の2回に分けてお伝えします。

ダンスエクササイズで常にトップを走り続ける存在

メジャーリーグ史上30人目の3000本安打を達成したマイアミマーリンズのイチロー。サッカーJリーグで最年長ゴール記録を更新し続ける横浜FCのカズ。どの世界でもレジェンドと言われる人が放つオーラは、他の追随を寄せ付けないパワーとエネルギーを感じる。この偉人達と同じように、カーディオダンスエクササイズカテゴリー(以下ダンスエクササイズ)でトップを走り続ける人がいる。言わずと知れた竹ヶ原佳苗さん、その人だ。

近年では、若手の台頭著しいダンスエクササイズも、 未だ彼女を超える存在は現れていないのが現状ではないだろうか。何故か?それは、国内のダンスエクササイズのトレンドレールを敷いてきたのが竹ヶ原さんだという事実は揺るぎなく、更に、そのレールから脱線しないようにしっかりと車輪を噛み合わせていることに必死なのが今の若手達だから、これでは越えられるわけもない。トレンドを見極める目と嗅覚は竹ヶ原さんの特異稀な能力かもしれないが、それも一朝一夕に成し得た能力ではなく、努力とチャレンジの成果である。

「若手の頑張りは本当に嬉しいし励みにもなりますが、もっとパワフルにチャレンジする姿勢があっても良いと思うんですよね」竹ヶ原さん自身、現在に至るまでに相当なチャレンジと努力を繰り返してきているだけに、今の若手から中堅に対しては、歯痒い思いもあるようだ。

「これまで私は、約15ヵ国ほどプレゼンターとしてコンベンションに招聘されレッスンを行ってきましたが、そうなるまでには様々な活動をしてきた自負があります。今の若手は、『インターナショナルプレゼンターになりたい』と簡単に口にする人も少なくありませんが、そのために必要な行動、マインドがどういうものなのか、本当にわかっているのか疑問に感じることも多々あります」

現在、ダンスエクササイズの世界におけるトレンドはヨーロッパが牽引しているが、果たしてこのスタイルを学ぶために、どれだけのインストラクターが本場の指導に触れる努力をしているのか甚だ疑問だ。まさか動画投稿サイトで世界的なプレゼンターを見て勉強しているなどとは言わないでもらいたいが、現状それに近い状況ではないだろうか。上っ面だけを見て出来る気になり、オリジナリティーと勘違いしている人たちは、どうしても"物まね"の域を脱しえない。

竹ヶ原さんもこう言う。「みんな同じに見える」

私もここ何年かずっと思っていたことだが、全くオリジナリティを感じない。レベルの高い層が増えてきている ことも一つの要因かもしれないが、動き方、プログラミング、インストラクション、どれを取ってもみな同じように見え、自身の特徴や得意分野を全面に押し出し、参加者のニーズに対応した指導は行われていないように感じる。

私が関わらせて頂いている複数のフィットネスクラブで、トップ集客を記録するインストラクターの傾向として、良いか悪いかはさておき、長年コリオグラフィーに大きな変化はない。そしてもう一つ変わらないもの。それはレッスンに対する"情熱"だ。ここ最近、小池東京都知事がしばしば口にする"都民ファースト"ならぬ"お客様ファースト"を全力で実行し、そして健康運動指導者としての責務を全うしようとする姿勢。何が言いたいのか。参加するお客様は何を求めているのか?という事に立ち返る必要があるのではないかという事だ。そこに気づかずにヨーロッパスタイルだインター ナショナルプレゼンターなどと言うのは、本末転倒もいいところではないだろうか。まずは"自分は何者か"と自問し、何をしなければいけないのか・・・。

>>【MY POLICY】 竹ヶ原佳苗さん -後編を見る

>>Writing & Photo 丸山  寛(Hiroshi Maruyama)

有限会社スポーツゲイト 取締役社長/プーマジャパン㈱ フィットネスアドバイザー/ショップジャパン フィットネスプログラムセクションアドバイザー/㈱ジェイアール東日本スポーツジェクサーフィットネスクラブ プログラムアドバイザー/西武フィットネスクラブ スタジオアドバイザー/㈱東武スポーツ スタジオアドバイザー

【記事出典】
月刊NEXT 2016/October No.115 

【企画・構成】
株式会社クラブビジネスジャパン
オンライン事業部フィットネスビジネス編集部:庄子  悟