FITNESS BUSINESS

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成功するマイクロジムのビジネスモデル -後編

2016.05.25 水 TR-キャリアビジョン
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2015年12月17日にR-body project大手町店を会場に開催されたマイクロジム経営セミナー。同社代表取締役の鈴木岳氏はじめ、独自のこだわりから立ち上げたマイクロジムを成功裡に運営する3名の講師が講演を行った。3者の講演からは、マイクロジム経営に必要な「集客方法」、「ビジネスモデル」、「教育・ノウハウ」の3つの要素を深く学ぶことができる。第2回は「成功するマイクロジムのビジネスモデル」と題して、株式会社プログレッシブF97代表取締役社長 岩切誠氏の講演を前・後編にてレポートする。

FunCのビジネスモデル 其の二

3.立地

初期投資は800万円でした。当初は500万円ぐらいの予定だったのですが、元は倉庫であったので空調機器や入り口がなかったのです。私は子育て中の母親に来てほしかったので、立地は駅からは遠くても彼女たちがたくさん居住する場所に出店しようと考えました。築40年の倉庫を改装した施設で、人工芝を敷いただけの、ロッカーやシャワーもない施設(延床面積70坪)です。しかし、ほとんどの方が自宅から運動ウェアで来ますから、ここで着替える方はほとんどいません。物件を探しているときの条件は、何が行われているかがわかるよう、1階かつ外から中が見えることでした。

でも、マシンもない、グリーンの人工芝が敷かれただけの施設ですから、「何をするところ?」とよく聞かれました。最初は私が入り口に立っていたのですが、お声がけすると格闘技道場と勘違いされることもありました。そこで、 柱に「格闘技道場ではありません」と書いたのですが、ある日、通りかかった親子が「ママ、ここ何?」「格闘技道場って書いてあるでしょう」と言うのを聞いて、あわてて消しました(笑)。

当初「ファンクショナル」を謡った看板も出したのですが、誰も知りません。「聞いたことがある」と言う方も、よくよく聞くと「御社のHPで」というもの。世間ではいまだそんな程度の知名度なのです。オープン当初だけ挨拶代わりにチラシを作成しましたが、キャンペーンや割引などという記載はせず、当施設のこだわりだけを載せました。それでも100人ぐらいは来るかと思っていたのですが、来たのはわずか2人。世の中そんな甘くはないですね。

結局半年間はほとんど人が来ませんでしたが、口コミで会員数を増やすことをこだわりとしていたので、大々的にチラシをまくことやキャンペーンも行いませんでした。それでも少しずつ口コミが拡がって、今ではスタッフにボーナスも出せるようになりました。当社は完全週休2日制で残業もほとんどありません。しかし、その分スタッフはきちんと勉強することが必要になります。

4.付帯収入

ランブルローラーなど、いろいろな筋膜リリース器具をレッスンで使用しているのですが、できるだけお客さまに購入してもらうようにしています。 “買わせる”のではなく、“必要”と思ってもらうのです。スタッフにも、「入会してください」「買ってください」 などということばは使わないように指導しています。家でも使い続けなければそんな簡単に身体は変わらない、そういうと買ってくれますね。会員さまの家族や友だちも購入してくれるので、会員数300名に対して、年間300本ほど売れています。また、当施設は5本指シューズの利用も多く、会員の約98%が使っています。脚の裏の機能をきちんと説明すれば、買ってくれるのです。

5.地域の健康窓口

私は、フィットネス施設に必要なのは、地域の健康を担う窓口になることだと思います。最初から全国区でがんばろうと思ってはだめ。まずは足元から地道に始めることが重要です。私は近隣の小学校でも指導していますし、今なら、この付近の生活者に「大田区の仲池上でスポーツトレーナーといえば?」と聞けば、まず私の名前が挙がるだろうという自信があります。

こだわりから生まれた唯一の施設

以前、当施設の近くにあったクラブ がジム部門を止めるという出来事がありました。会員がこちらに流れて来る可能性がありますから、本来なら、チラシを置いたり割引を行ったりしてアピールするチャンスですよね。でも、私はやりませんでした。スタッフには、「見学に来ても、安易に入会させるな。本当にいいと思ってくれた方だけに入会してもらってほしい。その際は、『今までいたところとはまったく違うから、同じように振る舞わないでほしい』といってくれ」と伝えました。同じ感覚でいたら、絶対ミスマッチを起こしますから。

当施設の会員さまは、基本、クラブに入会したことがない、ほとんど運動したことがない方ばかりです。そのなかで、移って来た方たちがこれまでのように振る舞ったら、雰囲気が壊れてしまいます。これも、経営者としてこだわりでした。2km圏内にジムと呼ばれる施設は10軒ほどありますが、これまで1軒も偵察に行ったことはありません。私のライバルはマッサージや整骨院、整体なんです。これらに頼り過ぎないで、自分で自分の身体をケアできる人を増やしていきたい。私たちトレーナーはそこに力を入れていくべきだと考えています。


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株式会社クラブビジネスジャパン
オンライン事業部フィットネスビジネス編集部:庄子  悟