FITNESS BUSINESS

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成功するマイクロジムのビジネスモデル -前編

2016.05.25 水 TR-キャリアビジョン

2015年12月17日にR-body project大手町店を会場に開催されたマイクロジム経営セミナー。同社代表取締役の鈴木岳氏はじめ、独自のこだわりから立ち上げたマイクロジムを成功裡に運営する3名の講師が講演を行った。3者の講演からは、マイクロジム経営に必要な「集客方法」、「ビジネスモデル」、「教育・ノウハウ」の3つの要素を深く学ぶことができる。第2回は「成功するマイクロジムのビジネスモデル」と題して、株式会社プログレッシブF97代表取締役社長 岩切誠氏の講演を前・後編にてレポートする。


新規事業への取り組みでフィットネス業界を知る

まず、簡単に自己紹介をさせていただきます。実は、私は生粋のトレーナーではありません。大学を卒業後、日本たばこ産業株式会社(以下、日本たばこ産業)に入社し、約20年間働いていました。念のため申しておきますが、私は喫煙者ではありません。新規事業の立ち上げに携われたらと入社し、29歳のとき、やっと「スポーツクラブの運営をやってみるか?」というお声をいただき、この世界に飛び込みました。

フィットネス業界について学べば学ぶほど魅力を感じるようになりましたが、日本たばこ産業がこの事業から撤退することをきかっけに42歳で退職し、住友不動産エスフォルタ株式会社(以下、住友不動産エスフォルタ)に転職しました。 そこでは、総合クラブの支配人やエリアマネージャー、フロントのマネジメント、プログラム統括ディレクター、新規事業開発などを担当しました。受託事業部の部長にまでなることができましたので、そろそろ自分のやりたいことをやろうと、約3年半前に独立しました。受託事業が本当に面白く、すごく可能性のある事業だと感じたことも、独立するきっかけとなりました。

45歳ぐらいまではまったく独立志向などもっておらず、会社を辞めることなど考えたこともなかったんです。私はあまのじゃくなので、常に「これでいいのか?」「これで正しいのか?」と自分に問い続けています。そのような姿勢でなければ人は進化できないと考えているので、社名も「進化し続ける会社でありたい」という想いを込めて、プログレッシブF97としました。現在は、一般の方からアスリートの指導、フィットネスクラブのトレーナー研修のほか、雑誌やテレビなどメディア出演も行っています。

これらの仕事は、私が“場(施設)”をつくったから得られたものだと思っています。ただのトレーナーではなく、“場” をもったトレーナーをしていることで、いろいろ声をかけてもらえるのだと思います。特に宣伝やアピールなどは 行っていないのですが、いろいろな人ジムに集まってくれることをたいへんうれしく感じています。

独立のきっかけになったことについてもう少し詳しくお話しすると、「フィットネスクラブって、本当に人が健康になっているのだろうか?」と感じたことも理由でした。本日のご参加者のなかには総合型クラブの経営者・運営に携わる方もいらっしゃるので、たいへん申し訳なく思うのですが、今のビジネスモデルを続けて、日本のフィットネス業界は本当に発展していけるのでしょうか?なくなることはないだろうし、進化もしていくとは思いますが、はたして本当にプレイヤーの人たちは時代の流れにのれるでしょうか?

なかでも私が抱いた最たる疑問が、トレーナーが市民権を獲得できるかということでした。おそらく日本にいるトレーナーの90%以上は「本当にこれからも食べていけるのか?「家族を養っていけるのか?」何歳までトレーナーとして働けるんだろう?」そう考えているはずです。私はそこを改善したいと思ったのです。まずは私がモデルケースをつくり「自分もやってみようかな」と続いてくれるトレーナーが出てくることも期待して、独立しました。ここで、フィットネス業界の現状をまず確認しておきましょう。

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