フィットネスクラブ各社や既存のフィットネスサプライヤー、健康経営に積極的な企業など、多くが、今、オンラインフィットネスサービスの提供に取り組んでいますが、WWDジャパンが「オンラインフィットネスサービが脚光を浴びている」とのことで、複数社の取り組みとこの間の顧客数の伸びなどについて、ニュースとして配信し、紹介していました。「 日本はオンラインフィットネス先進国のアメリカに比べて狭い住宅環境などにより普及が進んでいなかったが、新型コロナウイルス拡大をきっかけに注目が集まっている」とのことです。記事に掲載されていた事業者ごとに、その取り組み概要と現状をまとめると、以下の通りです。
◆ソエル(SOELU)
2018年3月のサービス開始から昨年12月に延べ受講数が10万回を突破し、国内最大級のオンラインフィットネスサービスに成長。朝5時~深夜24時まで30~60分のライブレッスンを毎日100クラス開講し、ヨガやピラティスなど約200人の専門インストラクターがさまざまなプログラムを提供している。2月以降、新型コロナウイルスの感染拡大により入会者数が急増。会員全体の約30%が直近1カ月の新規入会だという。
◆ビートフィット(BeatFit)
フィットネス音声ガイドアプリビートフィット(BeatFit) も、2月以降、ダウンロード数と会員数が大きく増加。既存会員のアプリ利用動向も、ランニングマシンなどを使うジムでの利用から自宅での筋力トレーニングや屋外でのウオーキング、ランニングなどに大きく比重が移っているという。そうしたことから、4月末まで法人向けにアプリを無償提供することを決定した。3月末までに法人会員となった企業の全従業員に無償アカウントを発行し、ウオーキングから筋力トレーニング、ヨガや瞑想まで600以上のコンテンツを提供する。
◆スポーティップ
休業や縮小営業などを余儀なれたスポーツジムやフィットネスクラブを支援する動きもある。スポーツ向けAI動体分析サービスの開発・提供を行うスポーティップは、2月末~3月29日の期間・人数限定で、中小スポーツクラブや個人のパーソナルトレーナー向けに、AI運動アシスタントアプリ「スポーティップ フォー トレーナー」を無償で提供している。同アプリは動画撮影機能や、トレーニングメニューの作成や指導記録機能、チャット機能、動画解析機能、測定機能、リポート機能を備え、指導プランの追加による単価向上と、記録やフォローアップの手間を削減してトレーナーのコスト削減を支援するツールとして販売していた。新型コロナウイルス拡大を受けて、フィットネス習慣・参加率低下と、それに起因するスポーツジムの売り上げ減少を防ぐことを目的に無償提供を決めた。
◆リーンボディ(Lean Body)
ビデオ配信型フィットネスサービス大手の「リーンボディ(Lean Body)」も3~4月の2カ月間、全国の提携スポーツクラブに動画コンテンツを無償提供する。提携スポーツクラブの会員は無料で有名インストラクターによるヨガや筋トレ、ストレッチやマッサージなど350以上のレッスン動画を利用することができる。フィットネス習慣の継続を支援する取り組みだ。LEAN BODYが2月に実施したアンケートでは、53%のユーザーがジムと並行して通っていることが分かった。今後はリアル店舗を運営するフィットネス会社と協業することでコアなフィットネスユーザーを増やしていく計画。まずその第一歩として、ストレッチ専門店「Dr.stretch」と業務提携した。
◆WEBGYM
アプリダウンロード数は2020年3月末時点で50万。ストレッチからヨガ、筋トレなど、1400のメニューをそろえる。そのうち22万回以上利用されているのが、「お腹引き締めメニュー」。自重トレーニングと呼ばれる、器具などを使わずにできる筋トレの1つで、腹筋などを鍛えるものだ。アプリ内ではユーザーに「お疲れ様でした」「よく頑張りました」などの賞賛の言葉も向けられる。プレミアム会員(1カ月980円、3カ月2600円、年間8900円)は、トレーニングアドバイスも受けられる。WEBGYMの、2~3月のダウンロード数(新規会員数)は平時の2.5倍程度になっている。プレミアム会員については、通常は2週間の無料期間を設けているが、3月からは1カ月に延長して開放している。
これからもオンラインフィットネスの需要は、増えていきそうですね。参加者の多くが、これまでオフラインでの(リアルな)フィットネスを体験したことがない人だとすると、今から取り組んでおくことで、新コ禍収束後、オフライン(リアル)のサービスへと誘導することもできるのではないでしょうか。
フィットネスビジネス編集長古屋のFacebookより引用(3/29 18:44 投稿)
※編集部コラムは、最新号刊行のお知らせや本誌の見どころ記事だけでなく、フィットネスビジネス編集長 古屋のFacebookでの投稿を中心に、編集部が得た気づきや学び・フィットネス業界への想いの丈を発信したものとなっております。