FITNESS BUSINESS

facebook twitter googleplus

【食事・栄養】あすけん-食の選択力を提供し、多くの人を健康にする

2016.11.25 金 トレンドサービス

【食事・栄養】
健康を維持・増進するうえで、運動すること同様に大切なのは適切な食事を摂ること。フィットネスクラブでも、ダイエットプログラムやサプリメントを提供したり、スマホアプリなどを活用して食事指導を行ったりしているところが増えてきている。そこで今回は、食事によって健康をサポートするアイテムや方法を紹介する。

食の選択力を提供し、多くの人を健康にする


株式会社ウィットが2007年から運営するダイエットアプリ・webサービス「あすけん」は、会員数100万人を突破、アプリのApp StoreおよびGoogle Playヘルスケアカテゴリー無料部門・セールス部門での1位獲得など、国内最大規模のヘルスケアサービスとなっている。

【今回お話しを伺った方】
株式会社ウィット あすけん事業統括責任者 管理栄養士 道江美貴子氏

食事を記録すると 栄養士がアドバイス


株式会社ウィットの親会社である株式会社グリーンハウスは、社員食堂の運営を主に行っており、在籍する1,800名の管理栄養士・栄養士が企業の社員向けに健康セミナーや栄養指導を行っていた。ここで培われた栄養指導のノウハウをIT化して広く提供するサービス開発を目的に株式会社ウィットが発足「あすけん」がスタートした。

当初は、契約している企業の社員向けにサービスを提供していたが、その後、ダイエット需要の高まりを見込んでBtoCサービスもスタートさせた。同サービスの目的は、「より多くの人に食の選択力を提供する」こと。そのために、個人の価値観やライフスタイルに合わせて無理なく行動を変えるための提案を行う。あすけんでは10万を超えるメニューから食べたものを選んで記録すると、14種類の栄養素の過不足がわかることにあわせ、1日1回栄養士からのアドバイスを受けることができる。

p70%e3%81%82%e3%81%99%e3%81%91%e3%82%931

有料サービス(300円/月)では、オリジナルメニューの登録や、広告非表示機能、毎食後のアドバイスを受けることができるようになり、より利便性が向上する。アドバイスはいずれも自動アルゴリズムによるもので、約20万パターンが用意されている。

「多くの人が食の選択力をつけることで、健康になることをミッションとして掲げています。高価格の1対1のサービスではなく、アプリで低価格でサービスを提供することで、栄養を考えて食事をする人を飛躍的に増やすことができると考えています」」

会員数100万人、30~40代の女性がメイン利用者


’16年10月には会員数100万人を突破。サービス開始から4年ほどは会員数5万人程度だったが、スマートフォン普及に合わせて、’13年9月にアプリ(有料版のみ)をリリースしてから徐々に利用者を伸ばし、’14年4月に無料版をリリースしてからは飛躍的に増えた。

数多いヘルスケアのアプリのなかでトップに立てる理由として、低価格で誰もが利用しやすいこと、栄養素の過不足がわかりやすいこと、食事改善アドバイスを次の行動につなげられることが挙げられる。利用者の属性は、男女比は約2:8。年齢構成は30代37%、40代29%、20代16%となっており、男性は40〜50代が多い。メインユーザーは30〜40代の女性であるが、アプリのリリース以降は若い世代の利用も増えている。

「減量目的であすけんを始める方が多いのですが、アプリ利用を機に、栄養バランスに気を付けて食事をするようになってほしいと考えています。1ヶ月きちんと記録していれば、自分の食事の傾向はつかめます。アドバイスに沿った食事を3ヶ月ほど続ければ、習慣にできると思います」

今後は減量以外の目的別アドバイスも、運動アプリと連携し、より健康に


今後の目標は、さらに多くの人に利用してもらうこと、またできるだけ継続してもらうこと。

「最近は単品ダイエットではなく、きちんと栄養を摂って痩せたいという人が増えています。そのような需要にしっかり応えていきたいです。また、アプリをより継続していただくためには、アドバイスの質を高めることが重要と考えており、単純な指導ではなく、コーチングの視点も取り入れたアドバイスを作成しています」

今後の展開として、減量以外にも子どもの食育や筋力アップなど、様々な目的に沿ったアドバイスの開発も検討している。とりわけ若年層に痩せ型の人が増えているため、ほかの需要を取り込むこともいずれ必要になるだろう。

同社は健康であるためには、食事とともに運動も大事だと考えており、同サービスのなかには、トレーナーが監修している運動指導のコンテンツもある。今後は、企業と提携し、同サービスで記録した摂取エネルギーと、他社の運動アプリやウェアラブルで得た運動履歴を連携させることで、健康な人をさらに増やしていきたい考えももつ。

【取材】
フィットネスビジネス編集部:剣持 真由

【企画・構成】
株式会社クラブビジネスジャパン
オンライン事業部フィットネスビジネス編集部:庄子 悟