【グループエクササイズ】TRXサスペンショントレーニング|トレンド
2016.05.25 水 トレンドサービス【グループエクササイズ】
総合フィットネスクラブにおいて、スタジオやジム、プールで行うグループエクササイズはお客さまの継続に寄与する重要なアイテムである。本特集では、フィットネスクラブが導入しているグループエクササイズプログラムとその事例を紹介、現状と課題について紹介する。
テーマ:スタジオとマシンの利用者をつなぐ、日常生活のクオリティを高めるショートレッスン
スポーツクラブ&スパ ルネサンス亀戸では、2015年7月からジムにあるファンクショナルトレーニングエリア (FTA)でTRXサスペンショントレーニング(以下、TRX)のショートレッスンを展開している。今回の取材では同店舗のフィットネスチーフである中嶋 浩一氏にお話をうかがった。
日常生活の質を上げるトレーニング飽きがこない豊富なバリエーション
TRXは、サスペンションを使い重力と自重を活用するエクササイズで、数百種類のバリエーションがある。体力、筋力、バランス、柔軟性、敏捷性、コアの安定性などあらゆる要素を同時に鍛えることができることが特徴だ。また、同じ種目でも年齢や体力に応じて、強度を変えることができる。
同クラブは、以前から「動ける身体をつくる」をコンセプトに、様々なショートプログラムを展開している。オープンから10年以上が経ち、高齢者が増えているなか日常生活のクオリティを高められ、かつ近隣クラブと差別化できるプログラムの導入を検討しており、TRXの導入を決めた。
「TRXは、日常生活に近い立位で負荷がかけられるトレーニングができます。また、トレーニングバリエーションが豊富なのでお客さまが飽きずにトレーニングを続けられると考えました。そして、少人数でレッスンを行うことで、お客さまとスタッフのコミュニケーションが密になることも期待していました」(中嶋氏)
週23本のショートレッスンを開催 ジムとスタジオの懸け橋に
同クラブでは、自社でショートプログラム用に開発した、初心者向けの 「TRXエントリー」(8本/週)、主に下半身を鍛える「TRXローワーボディ」(5本/週)、コアを鍛える「TRXコア」(10本/週)の3プログラムを展開している。それぞれ20分で、いずれも定員10名だ。 充足率は6〜7割で、平日昼の時間帯に関しては8割以上となることが多い。参加者の男女比は3:7程度で、FTAではほかにコンディショニング、コアトレーニングなどを展開しているが、ほかのショートレッスンに比べて女性が多いのが特徴だ。
年齢層は30〜40代が多いが、70代前後の高齢者も参加している。「これまでスタジオでエアロビクスやダンスのレッスンに参加していたお客さまが、TRXのショートレッスンをきっかけにジムでマシンを利用するようになることもあれば、逆にマシンジムしか使っていなかった方がTRXをきっかけにグループレッスンに参加するようになることもあります」(中嶋氏)
参加者からは「強度調整ができマイペースに行えるので続けやすい」「マシンと比べて不安定なためバランスのトレーニングになる」「階段の昇降がラクになった」などの意見がある。また、今年5月からフリー利用もできるようにしており、ショートレッスンに参加しているお客さまを中心に利用されている。
質の高いトレーニング、コーチングを提供するための認定コース
現在、同クラブでTRXの指導をできるスタッフは10人いる。導入時に、TRXオフィシャルコースインストラクターがクラブで研修を行い、基礎動作やキューイングを学ぶ「TRX-STC(サスペンショントレーニングコース)」と、複数人数を対象に指導する際に必要な基本情報と実践方法を学ぶ「TRXGSTC(グループサスペンショントレーニングコース)」を受けた。
そのほか、TRXジャパンが配信している動きを解説している動画や、同社のマニュアルを使って研修を行っている。また、参加者が効果を実感できるよう、トレーナーの指導力はクラブ内で定期的にチェックしている。 定期的なプログラムのアップデートはないが、複数の動きのバリエーションがあるため、その日の参加者を見ながら組み合わせを変えてレッスンを行っている。
トレーニングコースの内容はSTC、GSTCの2つ
低強度のレッスンを提供して より幅広い層に参加してもらいたい
現在、初期カウンセリングの際、ショートプログラムに参加することを勧めて、スタジオも含むグループレッスン参加のきっかけをつくり、継続につなげるようにしている。しかし、初回だけでレッスンに参加しなくなってしまう方もいるため、より楽しさと効果を感じてもらうことが課題だ。
また、高齢者や運動初心者向けに、TRXの特徴を活かしたストレッチ系のプログラムも提供したいと考えている。 筋トレが好きでない方、身体の凝りや張れをほぐしたい方が参加しやすい、低強度のプログラムを提供し、より多くの方に参加してもらいたいと思っています」(中嶋氏)
参加者のトレーニングエリアは確実に広がり、マシンジムとスタジオの懸け橋となっているTRXプログラム。参加者を増やし、満足度向上、そして継続につなげていくことが、同クラブの今後の課題となる。
【TRX サスペンショントレーニング】
【取材】
フィットネスビジネス編集部:剣持 真由
【インタビュー・協力】
株式会社ルネサンス
スポーツクラブ&スパ ルネサンス 亀戸
フィットネスチーフ 中嶋浩一氏