FITNESS BUSINESS

facebook twitter googleplus

【NEXT 3月特集】 マインドフルネス ヨガ&ピラティス "Pilates"篇

2017.02.25 土 スキルアップ

【Pilates】

CASE #1 - 第二世代ピラティスティーチャー櫻井淳子さんに学ぶマインドフルネス
 
CASE #2 - ピラティススタジオを展開する株式会社ぜんにおけるマインドフルネス
 
CASE #3 - ピラティスの大手流派STOTTピラティスにおけるマインドフルネス
 
CASE #4 - 生理心理の研究を行うピラティスティーチャー高田香代子さんに学ぶマインドフルネス
 
CASE #5 - 米国でピラティスとヨガ両方に精通するトップインストラクターゾーイ・トラップさんの特別インタビュー

CASE #5 ゾーイ・トラップさんの特別インタビュー


「歩くときにはただ歩く。座るときにはただ座る。何はさておき、ふらついてはいけません」‒ 中国の禅僧 Lin Chi

ピラティスは、動きのマインドフルネス


マインドフルネスでは、自分が持つ注意力のすべてを何かに集中させます。意識をひとつのポイントに置き、そのまま維持するようにします。

心の動きを止めることで、効率が高まり、コミュニケーションや耳を傾ける力の向上、心の平穏といった効果が得られます。マインドフルな活動ではよくヨガや瞑想が挙げられますが、ピラティスもまた然りです。

ピラティスはジョゼフ・H・ピラティスによって考え出された動きのシステムです。

重力を感じながら、動きを補助したり、動きに負荷をかける器具を使って身体の動かし方を習得しますが、ピラティスで大切にするのは繰り返しの数ではなく、動きの質です。ピラティスは6つの原則(①集中、②センタリング、③コントロール、④正確さ、⑤呼吸、⑥流れるような動き)の上に成り立っています。

これらの原則に沿ってピラティスを行うとき、まさにそれは動く瞑想となるのです。6つの原則についてひとつずつ取り上げていきましょう。

①集中


健康な身体にマインドが宿るとき輝かしい力を感じることができる

ジョセフ・ピラティスはマインドが身体を制御すると教えました。深く集中して行うとき、私たちは内に向かって集中し、「ただピラティスをしているだけ」の状態になり、心がさまよい身体がふらふらすることもありません。
これにより、日常でも物事に集中できるようになります。

②センタリング


ボディ、マインド、スピリットの調和がとれた独特なる三位一体

ピラティスは自分のシステムについて、こう説明しました。今この瞬間に入ることでマインドを集中させ、身体の中心を感じます。それが調和のとれたマインドとボディの繋がりをつくり、ひいてはそれがスピリットの高揚を生みだします。日常でも、漠然と何かを願うのでなく、今現在に根を張ることができるようになります。

③コントロール


身体の完全なコントロールは、マインドの使い方をマスターすることから

様々な調査研究によると、人は考えていることから、物事を捉えがちです。ピラティスで、マインドとボディの結びつきを感じるとき、時は止まったようになり、日々の煩わしさから解放されます。

自分の身体と友だちになり、動きの中で喜びを見つけられることで、自分と周囲のすべてとの関係も新たにできることを学びます。コントロールするとは、ぎゅっと握りしめることではなく、マインドに集中し身体をセンタリングすることだということが分かります。

自分の身体をコントロールできるマインドを持てれば、日常でももちろんコントロールされた状態がつくれます。コントロールできないでいると、日々起こる様々な事件に捕らわれてしまいます。これでは健康的なライフスタイルを選択していくことができません。

④正確さ


良い姿勢は、身体の全メカニズムがコントロール下におかれたとき獲得される

動きの原則は、誤った動きのパターンを修正し、身体本来の能力を取り戻すことに役立ちます。

ピラティスのエクササイズには、明確な動きの出発点と、動きのパターンやリズムがあります。エクササイズの練習では、①~③の原則をどの瞬間にも統合することが求められます。日常でも、目の前の課題の細部に意識を向けることで、気づきが得られることが学べます。

⑤呼吸


とりわけ、正しく呼吸することを学ぶこと

ピラティスは、呼吸と健康的な生活とを結びつけます。多くの瞑想テクニックは呼吸に焦点を当てることにおいて共通しています。呼吸を意識することで、集中できるようになり、その状態をそのまま観察することができるようになります。

日常でも、呼吸に意識を向けることで、気を散らす物事から離れ、感情を鎮めることができるようになります。心にゆとりができ、身体もよりいい状態を保つことができるようになります。

⑥流れるような動き


コントロロジー(ピラティス)は人々がしなやかに順応する力と本来持つ美しさを自分のものにできるように設計されている。それは、紛れもなく、歩き方や遊び方、仕事の仕方に反映されていく

流れるような動きは、日々のエクササイズの結果です。すなわち、今ここに集中し、直感を信じ、ありのままを見つめて手放すことで、おだやかな前向きな気持ちになれる。日常でも、変化にしなやかに順応しながら、周囲の環境とともに今を生きることができるようになるのです。

マインドフルネスとしてピラティスが行われているとき、ピラティスは単なるエクササイズを超え、まさに日常生活の質を高めてくれるマインドフルネスの実践になるのです。

お話を聞いた方 ゾーイ・トラップ
ピークピラティス教育ディレクター、ピークピラティスマスタートレーナー、Jivamukti認定ヨガインストラクター。




【記事出典】
月刊NEXT 2016/March No.120 

【企画・構成】
株式会社クラブビジネスジャパン
オンライン事業部フィットネスビジネス編集部:庄子  悟

< 前のページ5 / 5次のページ >