FITNESS BUSINESS

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【NEXT 2月特集】 テクノロジーが変える ジム運営 "総合フィットネスクラブ"篇

2017.01.25 水 スキルアップ

CASE #5 プライムフィットネス&スパ

プロジェクションワークアウトとは?

「プロジェクションワークアウト」は、プロジェクターで壁一面に映像を映し出すことで、クラブのスタジオを非日常空間に変えられるテクノロジー。近年ブティックスタジオで“暗闇フィットネス”がブームとなっているが、そのスタジオコンセプトを、総合クラブのスタジオでも実現できる。

開発は、インストラクターで映像デザインや音楽の編集に詳しい小森明日香さんを含むチーム。そもそもは、3つ星獲得の温泉施設「湯けむりの庄」を経営するセントラル都市開発株式会社の関浩二さん、デザイン性独自のセンスで数々の飲食を経営する株式会社ブシド片岡良さん、パーソナルトレーニング事業やクラブ運営受託で多くの実績を持つフィクスド・コンディション社長の砂川佳一さんらが「フィットネスをおもしろくしたい」と、同システムの開発と、会社設立に至った。

曲と映像、コリオが組み合わされたプレコリオプログラムも用意されている。曲に効果音などが入れられることに加えて、映像による演出も加わることで、集中力が高まり、運動効果も高められるというエビデンスも得られている。

PRO-ダンス3ダンスレッスンは、クールさとライブ感を演出

スタジオで、“暗闇フィットネス”同様の非日常感覚が楽しめる

スタジオプログラムの浸透は、かつて非日常感を演出し、人気を博した。だが近年、プログラムが多様化し、スタジオのコンセプトもレッスンによって多種多様となり、スタジオもフィットネスクラブも、非日常感としての価値は薄れつつあった。

プロジェクションワークアウトは、スタジオを映像で包むことで、改めて非日常感を演出するとともに、多様化するスタジオエクササイズそれぞれのコンセプトや効果を強化することができる。

顧客価値として、主に4つの点から、運動効果が高められるという。

①映像を見ながら動くことで、感情も連動し、セロトニンやドーパミンなどのホルモンが出て運動効果が高められる

②美しい映像や初めて見る映像が視床下部を刺激し、感動によるストレス解消効果が得られる

③視覚へのアプローチで、遠くと近くを交互に見ることで視覚をつかさどる筋肉を緩めることができる。

④音楽と視覚の連動で、中枢神経が刺激されて報酬系快感が得られやすくなり繰り返し参加したくなり、エクササイズが継続できることになる。

曲と連動していることで、パワーやリラックスの演出や、スピードのコントロールもでき、狙う運動効果も得られやすくなる。

スタジオでは壁側に映像を映し、壁側を正面に動くことで、鏡で自分の姿を見ることがなく、また暗闇で映像に回りの人の視線も集中することから、初心者やグループレッスンが苦手な方にも参加しやすいという声も得られている。

1つのスタジオで何種類ものシーンを演出。ライブ感がグループ価値を高める

フィットネステクノロジーの多くが、さまざまなデータを自動的に取得することで、指導業務を効率化したり、よりパーソ ナライズされたサービス提供を可能にする機能を備えているが、このプロジェクションワークアウトは、人ならではのサービスの価値を高め、またグループエクササイズならではのライブ感を高めることで、フィットネスの価値を高められる機能が強みだ。

プロジェクションワークアウトを活用することで、インストラクターや、メンバー同士が同じ空間でエクササイズに集中し、高揚感を共有できることが、他では得られない非日常体験となる。

PRO-写真 2016-11-24 11 33 15ヨガやストレッチクラスでは視覚からもリラックスを促す


インストラクターにとっては、プレコリオプログラムで、映像、曲とコリオが連動していることで、キューイングや、クラスの雰囲気づくりまで強力にサポートされる。演出が得意でないインストラクターにとっても、レッスンのコンセプトに合った雰囲気づくりがしやすくなり、経験価値の高いレッスンが提供できることになる。

映像は約1,000種類用意されており、毎日配信されるシステムにより、レッスンの種類、季節や時間帯に合わせて映像と曲をアレンジして提供することが可能となっている。今後は、インストラクター自身が自分のレッスンで使用する 曲に合わせて映像をアレンジして利用できるようになる。インストラクターの個性がより発揮されることになることも、人ならではのサービスの魅力や価値を高めることになる。


お話を訊いた方 高山英士さん、原田京さん
株式会社プロジェクションワークアウト ディレクター

【記事出典】
月刊NEXT 2017/February No.119 

【企画・構成】
株式会社クラブビジネスジャパン
オンライン事業部フィットネスビジネス編集部:庄子  悟

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