FITNESS BUSINESS

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【NEXT 2月特集】 テクノロジーが変える ジム運営 "総合フィットネスクラブ"篇

2017.01.25 水 スキルアップ

CASE #4 エイム

タニタ健康プログラムとは?

「タニタ健康プログラム」は、株式会社タニタヘルスリンクが自治体の健康増進や地方創生、企業の従業員向け健康増進施策をサポートしようと開発したソリューション。利用者は通信機能を持つ活動量計を付帯して日常生活を送るだけで、活動量データが自動的に蓄積されていく。

また、タニタ製の体組成計で計測すれば、そのデータも自動的にクラウドで管理統合されて、アプリやウェブサイトでいつでも経時変化が確認できる。さらに、活動量や身体の状態に合わせてタニタヘルスリンクの管理栄養士や健康運動指導士がアドバイスを提供。タニタ食堂メソッドの料理教室やセミナーなどを開催するなど、健康増進をサポートするプログラムが用意されている。

エイムは、自社の持つ運動プログラムと「タニタ健康プログラム」を組み合わせたソリューションコンテンツを提供するべく、2015年10月にタニタと業務提携を発表。直営クラブと、指定管理受託施設を中心にサービス開発を進めている。

健康志向を、行動に移すきっかけが得られる

タニタヘルスリンクはこの「タニタ健康プログラム」を地方自治体や法人向けに提供しており、すでに多くの実績を持っている。エイムでは、地元石川県を中心に地域密着のクラブ経営を志向してきており、数ある健康管理テクノロジーの中から「タニタ健康プログラム」を選んだ背景には、タニタやタニタヘルスリンクが持つネットワークと連携して運動コンテンツを展開することで、フィットネス参加人口が増やせると考えたからだ。

実際の活用事例の一つが、石川県の河北郡内灘町での「いきいき健康プロジェクト」。子育て世代をターゲットした健康増進プログラムで、地方創生加速化交付金事業として、将来的にプログラムを自走できることを目指したプロジェクトである。

エイム-参加者閲覧画面1

活動量は充電不要。持っていれば自分に合う情報が得られるように


交付金を原資に健康案内人を育成して雇用促進につなげるほか、通信機能を持つ活動量計等を購入、参加者(町民)に配布する。参加者は活動量計を携帯することで歩数や活動量が自動的に記録され、自治体の施設に来たり、健康教室に参加したりするときに、施設に設置されているリーダーライターに活動量計をかざすだけで、データがクラウドに蓄積される。

参加者はアプリやウェブ上で自分の活動量や体重などの経時変化を確認でき、公民館などでエイムが提供する健康セミナーやカウンセリングに参加することで、自分に合った健康づくりへの理解を深めるきっかけを得ることができる。法人向けも同様に、従業員は配布された活動量計を身に着けるだけで、自分に合った健康情報に触れることができ、運動や食事の改善への一歩を、具体的に踏み出すことができる。

自治体や法人を通じて無関心層へのアプローチが可能に

クラブにとっては、タニタ健康プログラムを通じて、クラブだけではアプローチできなかった無関心層へのフィットネス啓発機会が増やせることになる。金沢周辺の自治体では「タニタ」の信用力が高く、自治体の健康増進施策での採用実績も多い。

タニタと共同で自治体に提案することで、自治体の取り組みに参画できる機会が増える。さらに、これまで「タニタ健康プログラム」のコンテンツが、栄養や食事面が中心だったことから、エイムは運動面のコンテンツ提供と、運動できる場を提供することで、既存のプログラムの価値を補完しながら、自治体での実績が作れることになる。

また、法人向けにも導入メリットが得られている。石川県の健康づくり支援事業の一環で、従業員の健康増進施策をとる企業に補助金が出る制度の利用を、エイムの法人会員企業に紹介。企業は県の支援事業として補助金を得て、タニタの活動量計を購入、従業員に配布して「タニタ健康プログラム」に参加した。

エイム-1484102609582地域の生活者に広く健康情報が届けられる


プログラムを通じて、エイムで行える運動コンテンツをパーソナライズされた提案として紹介したところ、その企業社員のエイムの利用回数が倍増したという。従業員のクラブ利用回数が増えることで、クラブは利用料金や法人会員の継続に繋げられ、入会への販促にも繋げられる可能性が高まる。

現在、直営クラブにも「はかるプラス会員」として類似システムを導入しているが、有料(月864円)のオプション会員としていることもあり、利用者は全会員の5%に留まっている。今後、クラブメンバー向けには、人と人との繋がりづくりや、クラブの楽しさや体験価値を高めて定着をサポートする施策に、テクノロジーを活用することを計画している。


お話を訊いた方 谷内直人さん
株式会社エイム取締役

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