国保赤字拡大3585億円、14年度 加入者減・高齢化で医療費増
2016.02.10 水 ヘルスケア/ウェルネス厚生労働省は9日、自営業者らおよそ3300万人が加入する国民健康保険の昨年度の決算をとりまとめ、加入者1人当たりの医療費が増えたことなどから、市区町村の一般会計からの補填(ほてん)を除いた実質的な収支は3585億円の赤字となり、前年度から447億円悪化したと発表した。
保険給付は前年度より560億円多い9兆3585億円で、1人当たりではおよそ8000円増えて27万円余りとなり、過去最高となった。厚生労働省は、加入者の平均年齢が上がっていることが保険給付の増加につながっているとの見解を示した。
また、医療費の支払いは560億円増え、9兆3585億円に達した。加入者が減る一方で、1人あたりの平均医療費がそれ以上に伸び、支払いが増えた。1人あたり平均医療費が伸びたのは「加入者の平均年齢が上がったため」としている。全国で1716ある国民健康保険のうち、半数を超える967の運営主体が赤字となっている。
一方、厚生労働省は、後期高齢者医療制度の昨年度の決算もまとめ、保険給付は高齢化の影響で前の年度より2906億円増えて13兆4289億円となり、過去最高を更新した。