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【教育・研修】日本トレーニング指導者協会(JATI)-専門知識を習得し、スポーツ、健康増進など幅広い分野で活躍できる

2016.09.25 日 トレンドサービス

【教育・研修】
フィットネスクラブで一定のサービスを提供するためには、教育・研修をきちんと行うことが必要である。 一方で、アルバイト社員が多く、離職率が高い、新店が増え人が足りない、教育できる社員が少ないなどの問題を抱えているクラブも多い。そこで今回は、フィットネスクラブがこうした課題に対処するための教育・研修システムについて紹介する。

専門知識を習得し、スポーツ、健康増進など幅広い分野で活躍できる


日本トレーニング指導者協会(以下、JATI)は、競技力向上や健康づくりなど、さまざまな現場でトレーニング指導に携わる者たちが、相互研鑽を通じて専門性を高め、それにより社会への貢献を果たすことを目指している。フィットネスクラブはJATIの養成機関となり、自社のトレーナー教育を行うことができる。

【今回お話しを伺った方】
日本トレーニング指導者協会 副理事長 有賀雅史氏

科学と実技の両面から 知識と技術をもつ指導者を育成 


JATIは、幅広い目的や対象に応じて、科学的根拠に基づくトレーニング 指導のできる専門家の認定資格で、科学と実践の両方を見渡せる人材の育成を目指している。同時に、トレーナーの社会的地位向上のために、指導力や専門知識と同時にビジネススキルを学ぶことが重要だと考えている。

JATI認定資格の第1段階である「JATI-ATI」の資格取得には、指定のカリキュラムを履修し、身体とトレー ニングに関する知識を得ることが求められる。資格を取得したJATI有資格者は、定期的に行われる研修会に参加し、継続して知識や技術を学ぶことが求められる。

上級資格に当たる「JATI-AATI」では試験項目にロールプレイング型の実技も含まれ、資格取得者は高いプレゼンテーション能力と指導実践力をもっている。彼らがお客さまをパーソナルトレーニングに誘導できれば、継続率、付帯収入の向上につながる。

「JATIの認定試験によって、トレーニングを提供するための知識を身に付けるとともに、学び方、教え方を学ぶことができます。資格取得だけでは不足している部分が必ずありますから、それを補うために研修会やテキストがあります。JATIの委員会には専門家がそろっていますし、全国に支部がありますから、自分に不足していることを教えてもらうこともできます」(有賀氏)

フィットネスクラブを養成機関に クラブ、トレーナー双方にメリット 


同協会には認定資格「トレーニング指導者ATI」を取得するための養成講習会のカリキュラムに沿った教育が実施されている学校や機関を「トレーニング指導者養成機関(養成校)」として認定する制度がある。養成機関の教育プログラム修了者は、認定試験受験に必要な養成講習会(受講料:105,000円+税)が免除される。

また、養成機関となるフィットネスクラブに対して、オーダーに応じて講師の紹介も行っている。現在、大学や専門学校を含めて、約132の養成校・機関がある。養成機関になることによるフィットネスクラブのメリットとして、以下が挙げられる。

①社員トレーナーのモチベーションを上げることができ、レベルアップできる
②コストをかけずにトレーナー教育をできる
③資格制度を社員評価の対象とすることができる
④自社のカリキュラムと照らし合わせ、知識不足を補うことができる
⑤規定の教育を行うにあたり、適正な人材がいない場合はJATIからの紹介を受けることができる
⑥社員向けの継続教育をJATIのセミナーとして共同で開催することができる

なお、養成機関になるための登録料など、費用は発生しない(個人が負担する認定試験受験料、JATI登録料などは発生する)。一方、トレーナーは、自分が所属するフィットネスクラブが養成機関になった場合、社内研修によって公的資格を取得できる、セミナー参加などにより最新の情報を入手できる、社外の人脈ができ視野を広げられるなどのメリットがあると考えられる。また、同資格は個人に属するため、退社しても資格を失うことはない。

安全で効果的なトレーニングを提供 お客さまの継続につなげる 


同協会で副理事長を務める有賀氏は「トレーニングを提供するためには、身体・運動についての正しい知識と教える技術が必要です。

とりわけ、数年前から提供するクラブが増えているファンクショナルトレーニングについては、可動域が大きく不安定なトレーニングであることから、お客さまが怪我をしないためにも、高い指導技術が求められます。

トレーナー、インストラクターは最新情報を理解し、安全に個人に合わせた効果的なプログラム作成と指導をすることが大事な役割です」と警鐘を鳴らし、「お客さまに、安全で効果的な運動指導を行うためには、当然ながら指導者が専門的な知識・技術をもっていることが必要です。

JATIの資格を取得することは、正しいトレーニング知識と技術を習得することにつながります」と続ける。

また、JATIではトレーニング指導者のための保険を用意している。指導中に指導者の不注意により、クライアントにけがをさせてしまったり、器具や建物を破損してしまったりした際の損害を補償する賠償責任保険と、トレーニング指導者が病気や怪我で働けなくなったときに、その生活費などを補てんする所得補償保険の2種類だ。

どちらも協会が三井住友海上保険と団体契約をしているため、個人で保険に入るよりも安価で保険に入ることができる。自社で働くトレーナーに賠償責任保険の加入を義務付けるクラブが多い中、こうしたサービスがあるのもJATIの魅力のひとつだろう。

JATIの教育制度や各種サポートを活用してトレーナーの価値を向上させることで、お客さま満足度を高め、継続につなげることができるに違いない。