スポーツ用品大手アディダスは5日、人気のフィットネスアプリであるオーストリアのランタスティックを買収することで合意したと発表した。

ランタスティックはランニングに加えて、筋力トレーニングなど20以上のトレーニング系サービスを提供しており、現在の利用者は全世界で約7千万人。アディダスによると、ランタスティックの評価額は2億2000万ユーロ（約300億円）。

アディダスのヘルベルト・ハイナー最高経営責任者（CEO）は「デジタル技術はあらゆるレベルのアスリートに対し、パフォーマンスの向上や個人的な経験の共有などの目標達成を管理する新たな機会と見識を提供する」と述べた。その上で、今回の買収により顧客数の増加につなげたい考えも明らかにした。

アディダスのスポーツ用品売り上げシェアは年々低下しており、急成長する米アンダーアーマー（UA）は昨年、アディダスを抜いて米２位のスポーツ用品メーカーとなった。そのアンダーアーマー（UA）は今年、運動アプリの「マイフィットネスパル」を4億7500万ドル、フィットネスネットワークの「エンドモンド」を8500万ドルでそれぞれ買収している。スポーツウェア企業によるデバイスやアプリなどの最新テクノロジーの導入は今後、一層加速していくだろう。