アスリートパフォーマンス情報サイト『CNC mag』の中からスポーツパフォーマンス向上に役立つ記事をご紹介します。
30代になるとどうしても身体のキレがなくなったりと身体の衰えを明確に感じるものです。20代と同じトレーニングではいけません。そんなあなたに30代以降の方々のトレーニングのポイントを今田トレーナーが答えます。
Question
最近30代を超えて瞬発力が落ちてきました。どのようにトレーニングしたらいいですか?
Answer
若さはパワー
私たちはスポーツをしたり身体を鍛えたりを自然と小さな頃からしています。赤ちゃんの寝返り、ハイハイ、泣いたり、立ち上がったりと日々トレーニングです。小学校くらいになると学校で体育がありますから様々な運動に触れるでしょう。
身体がある程度出来上がってきたら部活がスタートする頃になります。種目はある程度定まり、一つの運動に絞られる場合が多いですね。そして男女差や個人差もありますが、20代半ばまで身体は発達し続けます。20代半ばまでは伸び盛りです。
トレーニングをすればしっかりと結果はついてきます。特に、スピードやパワーはちゃんと伸びます。トリートメントを念入りにしなくてもさほど影響は感じられず、しばらくしたら元気になっています。まさに、若さ=パワーです。
しかし、そのピークを超えてしまうと私達の身体は良くも悪くも年齢を重ねていくごとにどんどん“劣化”していきます。瞬発力は落ちてきて今までのように素早い動きは難しくなってきます。この劣化を最小限に抑えたり、現状を限りなく維持していくのが年を重ねてからのトレーニングの目的の一つです。
しかし30代に入ってくると20代の頃のようにはいきません。回復(リカバリー)は遅い、怪我の治りは遅い、筋肉はつきづらい、関節は痛むなど様々な弊害が出てきます。
その中でも関節や筋肉の硬化が大いに影響してきます。日頃トレーニングをしていても、使わない動きや自然としなくなる動作が増えてきます。
子供にトレーニングを教えるとよくわかります。芝でのトレーニングの合間にもでの逆立ちしてみたり、芝の上を滑ってみたり、ジャンプして塀を飛び越えたりと年を取るとしなくなる何気ない日常動作を沢山しています。良く動けるな~と思いながらいつも見ていますが、これぞ年齢を重ねるとしなくなる動きであり、必要な動作です。
ようするに、年齢を重ねると自重を扱った様々な動きや可動域を大きく使う動きをしなくなります。その結果、動かない関節は靭やかさを失い、筋肉は動き方を忘れてしまいます。ダイナミックな動きが出来なくなります。関節が以前よりも動きにくいために代償動作も生まれるでしょう。その代償動作はいずれ身体に歪みを起こし、慢性的な怪我へと変化していきます。
ですので30代に突入したあなたへのお勧めは
をまずすることを特にお勧めします。
個人的にお勧めなのでダイナミックウォームアップと自重トレーニングと体操競技です。自分が出来る簡単なものから少しずつレベルアップしていきましょう。
年齢を重ねると性格にも角が取れて丸くなってきます。だいぶ精神的に落ち着いてくる頃です。しかし、瞬発力にはその落ち着きが逆効果です。知らず知らずのうちに動きそのものに対して“ゆっくり”と行うことが癖づいてきてしまいます。例えば、若い頃には興味がなかったゴルフにハマるのはその一例です。フォームにこだわり、ゆっくりとスイングの軌道を自分で何度も何度も確認するようになっていきます。若いころはそうはいきません(大抵は)。早くスイングしたい。早く、速く、早く、速く・・・
決して悪いことではないのですが、瞬発力の観点からお話するとこの意識の変化は身体をどんどん遅くしていきます。瞬発力は伸長反射(SSC)が大きく関わっていますから、瞬間的なスピードを求めないかぎり、その能力はアップしていきません。ウェイトトレーニングでもきっとそうです。若いころならスピーディに挙げていたウェイトをゆっくりじっくり挙げていませんか?
瞬発系のトレーニングをすると筋繊維へのダメージが大きくなります。回復力が落ちてくる年齢ですので、20代の頃よりもっともっとケアをする必要があります。栄養もそうです。トレーニング前後のプロテイン、アミノ酸、そしてバランスの取れた食事をしっかりと見つめなおしてみましょう。
30代からの瞬発力トレーニングのまとめ
>>Write By YUTA IMADA
カリフォルニアの大学を卒業後、すぐにプロバスケットボールチームで3シーズン、ヘッドストレングスコーチとしてトレーニングを指導。その後、トップアスリートや一般のパーソナルトレーニングを開始。それぞれの競技や生活に必要な動作を分析し、個人に完全カスタマイズしたトレーニングプログラムを提供。アメリカのスポーツ科学と日本の繊細なトレーニングを融合させ、体軸や足裏を重要視した独自の理論を元に現在も指導中。 Certified Mental Coach, ROCKTAPE FMT. 理学士:Kinesiology
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