リニューアル事例Ⅱ セントラルスポーツ
2016.07.20 水 トレンドサービス
オープンから10年、20年経つフィットネスクラブが増え、老朽化すると同時にお客さまのニーズやトレンドも移り変わっている。お客さまの満足度向上、退会抑制、入会獲得のために、フィットネスクラブ各社はその変化に対応してリニューアルを行うことが必要になる。ホットスタジオやファンクショナルトレーニングエリア、バイクスタジオの増設、サーキットマシンやストレッチマシンの導入、内装の変化などのリニューアルによって、好集客の実現につながった フィットネスクラブの事例を紹介する。
セントラルスポーツは創業から47年目を迎え、施設の老朽化やお客さまのニーズとの相違がみられる店舗について随時リニューアルを行っている。 2015年度は全部で7店舗の大規模改修を行った。
10年に1回 投資回収2年が目安
同社の大規模リニューアルはおよそ10年を目安に検討される。ここでは、「老朽化した施設を修理する」という発想よりも、お客さまに快適な環境を提供し続けるための積極投資という考え方が重視される。「大規模リニューアルに際しては、お客さまにこれまで以上に快適な空間を提供するためにはどうしたらよいだろうか?という考え方を大事にしています。そのためには、『10年たったからリニューアルしなくては』という考え方ではよいリニューアルはできません。
日頃からお客さまに快適な空間を提供するためのメンテナンス、必要な修繕に適切な費用をかけていることが大切です。日々の修繕をしっかりと行っておくことで、大規模リニューアルするときに、よりお客さまのニーズに合った投資をすることができます」 同社では工事費が1,000万円以上の案件を大規模リニューアルと位置付けている。長期間の休館を伴うこともあるため、必然的にお客さまの期待値も高まる。期待にしっかりと応え、リニューアル後の会員増を図ることで、投資回収期間は原則2年を目安としている。リニューアル内容は3〜5km商圏の人口動態や競合環境などを踏まえ、現場と店舗開発部で話し合いながら計画を精査していく。
「マーケットの状況やテナント契約の期間などを総合的に判断し、投資額やリニューアル内容を精査していきます。仮に競合環境が激化していたとしても、人口増加などプラス要因があればリニューアルというチャレンジを選択していきます。競合との差別化を図れるアイテムの導入やそれまでのイメージを一新するようなリニューアルにより、それまで以上に地域の健康に貢献できる場所を創造していきます」
ホットヨガスタジオと ファンクショナルエリアの設置
同社が近年行っているリニューアルは、ホットヨガスタジオの導入とファンクショナルトレーニングエリアの設置が主である。同社は約4年前にホットヨガ専門店 「スタジオヨガピス」をオープンし、その後総合型クラブにも導入していった。リニューアル時には積極的に導入している。天井に遠赤外線のホットパネルを取り付け、短期間で完成させる。
【ジムエリア】
Before
↓After
同じスタジオで常温のプログラムも実施するため、ほかのスタジオプログラムに影響しないように、温度や湿度を必要以上に上げなくともしっかりと汗をかけるスタジオとなっている。また、数年前からジムにファンクショナルトレーニングエリアをつくる施設も増やしている。
フリー利用はもちろん、スモールグループレッスンの実施を通して、お客さまとスタッフのコミュニケーションの機会をつくれているという。昨年リニューアルを行った仙台店と南千住店には、ファンクショナルトレーニングエリアにQueenaxを導入した。
お客さまそれぞれに適した強度や姿勢でトレーニングすることができるため、若年層からシニア層まで幅広くアプローチできると考えたためである。また、様々なツールと組み合わせて使うことができ、お客さまが自由に活用できる新しいトレーニングスペースを提供できると考えた。また、グループトレーニング、パーソナルトレーニング、フリー利用など様々な使い方ができ、お客さまを退屈させないことも魅力だった。
仙台店、北仙台店は1ヶ月の休館を経て、ホットスタジオやファンクショナルトレーニングマシンの導入のほか、プールと床の壁面塗装、一部マシンの入れ替え、浴室およびロッカールームの床・壁の貼り替え、フロントのデザイン変更などを行った。芦屋店、住之江店は6ヶ月間休館し、思い切った施設レイアウトの変更を含むリニューアルを行った。