FITNESS BUSINESS

facebook twitter googleplus

【キッズ・ジュニア向け プログラム& ツール】あそび道具から環境づくりまで「あそび」に関する総合事業を展開 ボーネルンド

2017.09.22 金 トレンドサービス

あそび道具から環境づくりまで「あそび」に関する総合事業を展開

子どもの健やかな成長に「あそび」を通して寄与することを目指し創業された株式会社ボーネルンド(以下、ボーネルンド)は今年で設立から40周年を迎えた。同社はあそび道具の提供、あそび環境の創造からメンテナンスまで「あそび」について総合的な事業を展開し、多くの子どもやその保護者からの支持を集めている。

【今回お話しを伺った方】
株式会社ボーネルンド 遊環境事業部 営業部長 渡辺 健氏

体力低下による負の連鎖解消に向けて

社名である「ボーネルンド」は子どものあそびを大切に考える国として知られるデンマークの言葉「borne=子ども」と「lund=森」を組み合わせてつくられている。同社は大型遊具の輸入からスタートし、あそび環境の研究、企画開発からデザインまでをトータルに手掛けており、公園や商業施設、集合住宅など、これまで約3万5千ヶ所以上の子どものあそび場を生み出してきた。近年では、同社が独自開発した親子が一緒に遊ぶことができる室内あそび場「KID-O-KID(以下、キドキド)」を開発。現在、全国22ヶ所で運営を行っている。

社会環境の変化によって、子どもたちが身体を動かして遊ぶ機会は減少し、1985年ごろから子どもの走る・投げる・握るといった力が低下してきており、基礎体力も低下傾向である。基礎体力の低下に伴い、物事に対する意欲も減退するため、考える力や判断力も低下する。また、他者と関わろうという意欲も希薄となり、コミュニケーション力にも悪影響を及ぼすことになる。こうした負の連鎖の大きな要因が「あそびの不足」だと考えた同社が、その解決策のひとつとして生み出したのがキドキドである。

「我々が目指しているものは、娯楽性が高い、非日常的な空間ではなく、子どもたちにとって必要なあそびが実現できる日常的な空間をつくり出すことです。キドキドではすべての年代の子どもたちが興味をもって取り組めるあそびを見つけることができるため、無意識のうちに身体全体を使った運動を行うことができます(渡辺氏)

同社では長年にわたる子どもたちや、保護者との関わりを通じて、「あそび」に関するさまざまなノウハウを蓄積してきた。これによって子どもの成長や発達段階にそくした、各年代の子どもの関心に合わせた遊具やあそび道具を提供することができる。

borne1

子どもの意欲を最大限に引き出すプレイリーダー

キドキドでは「プレイリーダー」と呼ばれる、子どもの遊びに対する意欲を引き出すため専門のスタッフも常駐しており、子どもの「やってみたい」という意欲を引き出し、集団でのあそびを誘発する役割を担っている。また、長年に渡りたくさんの子どもの遊ぶ姿や成長の様子を間近で見てきており、保護者にとっても子どもの成長・び方など、子育ての不安を気軽に話せる存在としても期待されている。最近では小さい子どもをもつ保護者からも「どうやって子どもを遊ばせたらいいのか?」「どんな道具をつかって遊ばせれば喜ぶのか?」といった質問が多く寄せられている。

また、小学校の若い世代の先生のなかには、幼少期にあまり遊びを経験していないため、子どもに対して遊びをどう教えればいいのか分からないという方も少なくないという。こうした課題に対して、プレイリーダーの多くが、自治体の職員や学校の先生に対して、あそびに関するアドバイスや指導に携わる機会も増えている。

「実際にキドキドで遊んでいる子どもの姿を見た保護者の方からは、『うちの子どもがこんな活発だと思っていなかった』『こんなに楽しそうに何かに没頭している姿をはじめて見た』などの感想をうかがうことのほうが非常に多いです。当社の調査でも保育園とキドキドの両方で自由に遊んだ場合の運動量を比較したところ、キドキドで遊んだときの運動量が2倍以上も高い値となりました。子どもは自分が『楽しい!』と感じた体験のほうが、多くの動きを自然と生み出していくことができるのです」(渡辺氏)

今後は自社で運営するキドキド以外にも“あそびとスポーツ”という切り口から幼稚園、小学校、スポーツクラブなどへの導入を促進していく予定である。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、スポーツ熱が高まりを見せる昨今、子どもの興味を引き出し、あそびを通して楽しく運動することができる同社のサービスはスクール事業を展開するフィットネスクラブにとって大きな武器となるのではないだろうか。