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太鼓センター、「和太鼓リハビ」プログラムを開発 フィットネスクラブや介護予防施設、自治体などへの導入目指す

2017.06.08 木

世界最大規模の和太鼓スクール「TAIKO-LAB(タイコ・ラボ)」を展開する株式会社太鼓センター(以下、太鼓センター)は、2017年1月より和太鼓を使ったリハビリ プログラム「和太鼓リハビ」を開発した。指導員の養成も行い、フィットネスクラブや介護予防施設、自治体などへの導入を目指す。認定指導員(2級)の派遣や防音・防振対策に対応した電子和太鼓「電太(でんた)」の提供も始める。

科学的根拠のあるプログラムを開発~展開

「TAIKO-LAB(タイコ・ラボ)」は、太鼓センターが30年以上の和太鼓指導ノウハウを活かして全国に40教室(FCを含む)を展開しているスクールで、現在、5,700名のスクール生が在籍している。平均年齢は、49歳と毎年高齢化が進んできている。日本も今後、高齢化は様々な問題をもたらすことが予想されている。そうしたなか、同社代表取締役東宗謙氏は、太鼓を使って介護予防、健康寿命の延伸、リハビリテーションなどに寄与することはできないかと考え、2013年に専用のプログラム「和太鼓リハビ」を開発し、ブラッシュアップを重ねてきた。

開発にあたり、同社は関西学院大学やびわこ成蹊スポーツ大学などと共同研究を行い、効果検証を実施。前者との共同研究では、和太鼓の音色や振動、インストラクションが、脳の前頭前野を活性化することを検証した。さらに、後者との共同研究では、太鼓教室に参加することで、「眠気・だるさ」といった心理的、身体的倦怠感が軽減するとともに、右脳からはリラックスできているときに出るとされるα波が増加する傾向が確認できた。

同社は、「和太鼓リハビ」の効果として、次の9つの項目を挙げている。

(1)音・振動による全身への刺激
(2)記憶の呼び覚まし
(3)意欲の惹起
(4)運動機能の向上
(5)脳の活性化
(6)ストレスの解消
(7)心肺機能の維持・強化
(8)コミュニケーション・仲間意識の醸成
(9)達成感の獲得

大勢で太鼓を叩くことによって、楽しみながらこうした効果が得られることから、同社は今後、フィットネスクラブや介護予防施設の一部スペース、自治体が主体となって行う健康教室などに取り入れてもらいたいと考えている。
そのために、「和太鼓リハビ」を指導できる認定指導員の養成や派遣も実施していく予定である。

音や振動、価格の問題を電子和太鼓開発で解決

本来、身体への刺激や楽しさを考慮すると、通常の太鼓を使用するのがよいのだろうが、1台50万円以上と高く、さらに大きな音や振動により同居のテナントや近隣へ迷惑をかけることもあり、フィットネスクラブなどが導入しようとする場合、このあたりがネックとなることがこれまでに何度かあった。そこで、同社が開発したのが電子和太鼓『電太(でんた)』だ。

5年あまり研究開発を続け、苦心の末、2017年5月に「いつでも」「どこでも」「だれでも」できるこの電子和太鼓をつくり出した。この太鼓なら音量調節も可能なうえ、価格もリーズナブルであるため導入に支障がないばかりか、自動演奏機能や多様な音色が選べるため、幼児から高齢者、障がい者までが一緒に楽しむことも可能だ。

2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されることもあり、日本の伝統的な文化である太鼓への注目度も増してきている。これから多くのシーンで、太鼓を使った演奏やエクササイズがみられるようになっていくのではないだろうか。

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