FITNESS BUSINESS

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Fitbitとひまわり生命が健康増進に向けた共同ビジネス開始

2016.08.22 月 テクノロジー
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毎年、ヘルス&フィットネス分野のプロフェショナルがトレンドを選ぶ、ACSM(アメリカスポーツ医学会)による調査の2016年版の調査結果「Top Fitness Trends of 2016」では、 これまでとは大きな変化が見られた。これまで挙げられたことがなかった「ウェアラブル技術」がいきなりトップとなったことである。これまでの過去の日本のトレンドの軌跡を振り返ると、世界のトレンドが数年遅れてトレンドになっていることもある。そこで”ICT×フィットネス”コーナーでは国内はもちろん、海外での「ウェアラブルデバイス」、「モバイルアプリ」など、テクノロジーを駆使した新たな潮流のニュースに加え、先進事例や活用方法についても紹介していきます。

政府与党が成長戦略に「健康寿命の延伸」をかかげるなど、医療・介護・スポーツ・美容なども含む健康産業は今後成長することが予想される。そのようななかで、企業ではどのような取り組みが行われているのだろうか。今回は2016年2月より健康で活動的な生活を支援する取り組みを開始している、フィットビット・ジャパン (以下、フィットビット)福田強史氏と損保ジャパン日本興亜ひまわり生命(以下、ひまわり生命)池田真梨氏の健康増進に向けた共同ビジネスについて対談を取材した。

今後の商品提供に向け、まず社員約3千名にフィットビットを提供

-今回の取り組みを始めた経緯・目的を教えてください

ひまわり生命 池田氏:高齢化社会によって国民の医療費が40兆円を超えるといわれ、国民の健康寿命を延ばすことが求められています。SOMPOホールディングスグループでは「お客さまの安心・ 安全・健康に資する最高品質のサービスをご提供し、社会に貢献する」という経営理念を掲げています。

当社は、今年度からの中期経営計画で「健康応援企業」というスローガンを掲げており、 生命保険の提供を超えて人々の健康増進を支援する企業となることを目指しています。 お客さまを健康にする前に、まずは自分たちの健康の知見を高めるために、今回の取り組みを始めました。健康でいるためにどのような行動をしていけばよいのかを、フィットビットを通して社員が知ることができると考えています。

フィットビット 福田氏:フィットビットが日本の市場に本格的に参入した2015年春から、コンシューマーメインでサービスを提供してきました。しかし、日本の市場を見たときに、欧米と比べて肥満率が低く、フィットネスがライフスタイルに根付きにくい環境がありました。 一方、企業は従業員をプロアクティブに、よい環境で働いてもらい、より健康になってほしいと考えています。

政府の政策によって、昨今そのモチベーションが上がっていて、企業がウェアラブルを使うことで従業員にベネフィットを提供できることは予見できます。これまでも当社のシステムを使って何かできないかという話はありました。そのようななか、昨年、ひまわり生命さまから、保険会社という視点でできることはないかとお話をいただき、このような取り組みができることになりました。

ひまわり生命 池田氏:この取り組みは、まずは社員自身が健康維持・増進を行い、その後お客さまの健康増進の支援をすることが目的です。取得した歩数などの活動データは、健康診断結果などの健康情報と関連付けたうえで匿名化して分析し、将来の商品やサービスの検討・開発につなげていきます。データ蓄積と、社員の健康への意識付けのために、まずは社員がウェアラブルデバイスを使うことになりました。

フィットビットさまは健康とフィットネスを結び付ける市場においてグローバルリーダーであり、海外での実績も多くあります。また、デザインがおしゃれで、アプリはSNS感覚で楽しくつながれるため、多くの社員も着けやすく楽しんで使えるのではないかと思いました。

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データ蓄積に向けて継続的な利用を促す

-どのように運用しているのですか。

フィットビット 福田氏:コーポレートウェルネスのためのシステムを使っています。このシステムでは、個人、チーム、会社全体の進捗をモニターし、個人用のダッシュボードを通じて参加者はスコアの詳細のまとめや個人成績表のリスト、グループや全社での実績を比較することができます。個人のダッシュボード、リアルタイムでのグループレポート、会社の目標への進捗状況の洞察へのアクセスによって、必要なデータを提供します。2010年にアメリカでコーポレートウェルネスのサービス提供を始め、2012 年からはデバイスをマネジメントするダッシュボードのソフトを提供しています。日本では、ひまわり生命さまが初めての取り組みとなります。

ひまわり生命 池田氏:当社の社員約3,000名を対象にフィットビットのウェアラブルデバイスを配布しています。社員の中にはデザインなどの理由から利用したくないという意見もありましたが、当初予定していた「Charge HR」に加えて「Flex」からも選べるようにしました。結果的に現在は80%を超える社員が利用しています。正社員だけでなく、契約社員にも提供しています。なかには家族と一緒に利用したいという声もありました。

フィットビット 福田氏:デザインについては、今年6月に日本でも発売した「Blaze」や「Alta」はよりおしゃれになっており、アクセサリーバンド(ベルト)をカスタマイズできます。

ひまわり生命 池田氏:4月に配布して、使い始めた段階ですから、まだデータの蓄積には至っていません。今、社員皆で地球5周の歩数を目指して、どれくらいかかるかというキャンペーンを行っています。今後は、山手線1周を部署間競争したり、地方のお勧めのウォーキングコースをシェアしていったりという取り組みを検討し、盛り上げていきたいと思っています。まずは継続して利用してもらうことを目指します。

フィットビット 福田氏:日本での事例は初めてですが、アメリカではすでに様々な使い方をしており、ひまわり生命さまともどのように運用するのがよいのか これから一緒に考えていきたいと思っています。アメリカでは、歩いた距離をポイントとし寄付するという健康になりながら社会貢献するプログラムを実施している企業もあります。

ひまわり生命 池田氏:まずは社員の健康意識を高めることを目的としています。同時にデータの蓄積を行い、それに基づいた保険商品の開発やお客さまへのご提案につなげていきたいと考えています。商品開発には一定の期間がかかる と考えていますが、取得したデータと健康に関するその他データの分析結果などを集め、チャレンジしていきたいと思います。

フィットビット 福田氏:アメリカでは、エンドユーザーの同意を得たうえで、公開されたAPIを活用して企業がフィットビットのデータに関連付けたサービスを提供している事例はありますが、 コーポレートウェルネスのデータを活用して何かするという事例はアメリカでもまだありません。よい事例となって海外に発信できるとよいと思っています。

-現在の利用状況はいかがですか。すでに何か結果は出ていますか。

ひまわり生命 池田氏:コーポレートウェルネスでは、8割程度の社員が、特に積極的に利用しているようです。自発的にイベントを行っている部署もあります。営業担当者やお客さまと接する社員は「話題のネタにできる」と言っています。すでに傾向もわかり始めていて、部署によって平均歩数に3,000歩ほど差が出ています。内勤と外勤では外勤の部署、地方と首都圏では首都圏の営業所の歩数が多いです。このようなデータを共有し、運動習慣を促していくことも今後必要だと思います。 未利用者には声掛けをするとともに、 ヒアリングしてモチベーションが上が るキャンペーンを行っていきます。どのようなキャンペーンが盛り上がるのかを知ることは将来お客さまにご提案するときにも役立つと思います。
フィットビットを着け始めてから、 歩くのが楽しくなった、階段を使うようになったなどと話している社員をよく目にするようになったので、社員の健康意識を高めるという目的は達成できています。今は真新しさもあると思うので、続けてもらうための施策は今後も考えていきます。

フィットビット 福田氏:先日、ひまわり生命さまの社員の方と飲食店で居合わせたとき、カロリーを確認してからメニューを決めていました。フィットビットをうまく活用してくれているのだと嬉しく思いました。

企業から従業員への価値提供として

-今後のビジョンや課題について教えてください。

ひまわり生命 池田氏:社員からの声を分析して、将来的なお客さまへの展開に活かしていきます。そのためにもまずは社員に継続して楽しく使ってもらうことが大事ですから、キャンペーンの企画や健康になれる楽しい情報の提供を行っていきます。

フィットビット 福田氏:データをどう活用していくかは今後ディスカッションして 一緒に考えていきたいと思います。日本の企業は欧米と比べて従業員を大切にする企業が多いと思います。’15 年からはストレスチェック制度が始まりました。フィットビットの利用も、企業が従業員にできる価値提供のひとつになると思います。

ひまわり生命 池田氏:やはり将来的な目標は 保険商品の開発に活かすこと、お客さまが長く健康でいられることです。当社にとってもご加入者が健康でいることはプラスになります。また、お客さまへのウェアラブルデバイスの貸与も検討しており、運動や日常生活と病気との因果関係がわかる かもしれないという期待もあります。 大きな話ですが、それがわかれば人々の健康をサポートすることにつながるのではないかと思っています。

【取材・編集】
フィットネスビジネス編集部:剣持 真由

【インタビュー・協力】
フィットビット・ジャパン合同会社 社長 福田強史氏
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社
事業企画部主任 池田真梨氏

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