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16January,2014 www.fitnessjob.jp 今年はストレッチポールひめトレ®(以下ひめトレ®)をきっかけに、多くのいい出会いに恵まれ、社会的な課題とも向き合うきっかけにもなった1年でした。 ひめトレ®は、これまでアプローチしづらかった骨盤底筋群にスイッチを入れる効果的なエクササイズツールです。私は助産師さんと組んで、産後ママを対象にした骨盤底筋群エクササイズのクラスを提供する中で、産後のママが多くの身体トラブルを抱えていることを知りました。産後のママにとって身体の回復のために重要な産後数ヶ月は、赤ちゃんにかかりきりになってしまう時期です。しか副島理子さんひめトレ®ディレクターALL HAPPY株式会社代表取締役し、多くの方が自身の身体に向き合う機会が得られないまま、家庭生活や仕事に復帰していきます。身体の不調が残ってしまうケースもあり、産後ママの身体を整える仕組みづくりの必要性を痛感しました。ただ、新たな提案をする際にも「ママ向けの骨盤底筋群エクササイズ」という打ち出しよりも、「赤ちゃんの発達体操とママの骨盤底筋体操」として打ち出す方がママたちの興味を引くことなど、一般女性を対象とするのとは違った視点が必要です。 そこから私が注目しているのは、産後ママと赤ちゃんのためのコミュニティづくりです。ひめトレ®で出会う女性たちの中には、妊娠や出産、子育てや家庭のことで不安を抱えている人もたくさんいます。そうした不安を安心に変えられるような場を提供していきたいと考えています。ママたちの不安は、それを聞いて貰ったり、同じ経験をしている人がいることで軽減されることも多いのですが、ママたちを取り巻く環境は、不安なまま孤独を感じやすく、ネットで調べて余計ひめトレ®で、少子化問題解決の糸口をター」としての役割が大きくなっていくと思います。昨今テクノロジーの世界でヘルスケア分野におけるサービス革新が進んでいますが、デジタルの世界はすべて0か1で作られている、白か黒かというような世界。一方で人というのはグレーな部分が多くて、個人差もあれば、科学的に解明されていない部分も多い。将来もずっと0か1で割り切れない部分は残っていきます。だからこそ、一人ひとりの違いや状況にフィットしたサービスが求められて、それができるのがトレーナーだと思うんです。デジタル化が進むほど、人としてのサービスが益々見直されていくし、トレーナーにとっては、しっかり力をつけることで活躍の場や、存在感を増すことができると思います。石塚 グループエクササイズの指導には「指導の循環」というのがあり、私は養成コースやワークショップなどでも必ずこの重要性を伝えているのですが、まさに人と人がいるからこそできる指導法です。指導の循環というのは、グループ指導の際に、①ステップキューを出し、②参加者の方々が安全で効果的に楽しそうに動けているかを観察し、③修正し、④修正した事を再び確認し、⑤参加者の方々に賞賛や励ましなどポジティブなフィードバックをする、という循環を回していくこと。現状これを意識して指導にあたっている人は1割程度しかいないのではと感じます。参加者の方が動けていない、楽しめていない、継続できないのは指導者自身の責任。指導者一人ひとりが指導力や人間力をつけていくことがまだまだ必要だと思います。そのためにはやはりお客さまを良く観察すること。そしてその方に合った的確な指導やリードを提供していくこと。人だからこそできるレッスンを提供していくことでこそ、グループレッスンやインストラクターの価値が高められると思います。に不安が増幅されてしまうケースも目にします。仲間と気持ちを共有でき、また、助産師さんや私たちトレーナーをはじめ専門家に気軽に相談できる環境をつくれないかと考えています。コミュニティづくりについては、2015年から本格的に取り組んでいきます。 ひめトレ®をきっかけに、妊娠出産についての理解が深まり、そこで感じたことは、出産による身体の不安や悩みが多い一方で、出産はとても神秘的であり、至高体験ができる貴重な機会でもあるということです。その貴重な体験に希望を持ち、その体験ができることを楽しみにする女性が増えることで、少子化問題への解決への糸口になると感じます。また、出産や加齢による骨盤底筋群のダメージにより引き起こされるトラブルをひめトレ®で改善することで、女性たちが長く豊かな気持ちで人生を楽しめることにも繋がります。ひめトレ®をきっかけに、少子高齢化する日本社会の課題解決にも向き合い、実際に取り組みを進めていきたいと考えています。2014プログラムディレクター・オブ・ザ・イヤー

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