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グレートシェイプ 介護保険法がスタートした2000年に、いち早く介護予防事業をスタートさせたグローバルシステムズ株式会社。取締役の角田ゆかりさんはグループインストラクターやパーソナルトレーナーとして活動していたが、自身の父がパーキンソン病を患い、介護の大変さと難しさを、身をもって知ることになる。その体験から第三者が科学的裏付けを持ってリハビリを提供するサービスを事業化しようと「グレートシェイプ」事業の中でフィットネス以外にもリハビリや介護予防の分野の開発~展開してきている。指導内容は、グループからパーソナルまで、介護度も元気な高齢者から要介護5の方まで、指導場所もフィットネスクラブから介護施設、高齢者の自宅や病室まで幅広い。 近年、介護予防や介護における運動効果が、社会的にも広く認識されるにつれて、角田さんのところに寄せられる仕事のオファーも、指導者の派遣や育成、介護現場での指導プログラム作成や運動指導の運営コンサルティングまで広がり、件数も年々増えてきている。角田さんはその環境変化について、こう話す。 「以前は、フィットネスクラブや介護予防施設で直接高齢者の方にアプローチするケースが多かったのですが、近年増えているのは、企業や団体からのオファーです。特にここ数年伸びている分野の一つに、サービス付高齢者住宅があります。その建築に国の補助が出ている関係で軒数が増えていることと、そうした施設が、運動指導を付加価値の一つとして提供するケースが増えています。また医療系の団体や病院なども、『介護予防』に注目して新たなビジネスを模索する動きも強まっています。フィットネス関連企業も介護ビジネスに乗り出していますが、フィットネスクラブ自体にも高齢者の方が増えていることで、より専門性の高い指導が必要な際にお声掛けいただくケースも増えています」 グレートシェイプの強みは介護現場からのニーズに応えて、専門性の高い人材と多くの指導実績を蓄積してきていることにある。現在同社の事業に登録している数百名の専門家のうち、半数近くが理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など国家資格を持った人材となっている。残りの約半数は、インストラクターやトレーナーなど運動指導の専門家で、同社オリジナルの研修により介護現場での実践的な指導力を備えている。介護現場での運動指導では、介護度の違う方々にグループ指導をしたり、人によって身体の動きが機能的に制限されていたり、認知症によりコミュニケーションがとりずらいなど、運動指導以外での理解と対応力が必要となる。グレートシェイプでは、言葉の選び方や、声のかけ方、介護度が違う方へのモディフィケーションのし方などについてもガイドラインにまとめ、現場で指導にあたる専門家からのフィードバックも含め共有してきている。 「介護の現場では運動指導者のニーズは確実に高まってきていますが、実践的な運動指導ノウハウは浸透しているとは言えない状況にあり、需要に対して人手が足りていないことが大きな課題となっています。理学療法士や作業療法士などの国家資格保持者も、市場の広がりに対して、その配置が全く追いついていない状況があります。運動の価値に社会的にも注目が集まっている今、より実践的な指導ノウハウを、専門家の方々とも共有しながら、運動指導者の活躍の場を広げることにも寄与していきたいと思います」お話を聞いた方角田ゆかりさん株式会社グローバルシステムズ取締役 GreatShape事業部長運動指導者の活躍モデルProfile名前 大原泰士さん(27歳)肩書き パーソナルトレーナー資格 NSCA-CPT、NSCA-CSCS 仙台大学(体育学部)を卒業。パーソナルトレーナーを目指しグローバルシステムズに新卒で入社。現在は、スポーツクラブ、高齢者施設でのトレーニング指導、個人宅での出張指導など、幅広く活動。Message 20代~80代のお客様のパーソナルトレーニングを担当しています。一緒にトレーニングをしていくことで、お客様のカラダや表情が変わっていくのが一番の楽しみです。60代の方で、うつ病でひきこもり気味だったので病院で医師から運動を勧められ、パーソナルトレーニングをスタートしました。その方は、運動を続けるうちに、表情が変わり、社交的になり、足腰も強くなったことで、旅行に行かれるようになりました。そして人生が楽しくなったと喜んでくださいました。このような声を聴ける事が大きなやりがいです。November,2014 www.fitnessjob.jp21する拡大高齢者マーケットを狙え!

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