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清水忍さんのファンクショナルトレーニングマーケティング『軸』と『脱力』ができる“しゃくんスクワット”で身体の使い方を覚える 清水忍トレーナーがキーワードとして挙げるのは「軸」と「脱力」。人間の動きは「平行運動」と「回転運動」で構成されており、身体が移動している中でも、回転運動の軸がぶれないことで、最も効果的に力が発揮できることになる。脱力については、ある方向に力を発揮しようとしたとき、逆方向への力が抜けていてこそ、最少の力で最大のパフォーマンスが発揮できることになる。 この「パフォーマンスアップの鍵が『軸』と『脱力』にある」との確信に至ったのは7~8年前。パフォーマンス向上のトレーニングに関わりながら、自分なりにこの仮説と検証を繰り返した結果、今では二流のアスリートの動きをみると、共通して太すぎる軸と力みが見えるという。 「安定したパフォーマンスを出す選手は極めて細い軸が安定していて、その軸の方向に力を発揮するので、最も力のロスがなく動いていることが分かります。こうした選手の動きを見ていると、軸が細い糸が頭から地面までピン通っているように見えます。反対に軸がぶれてしまう人の動きは、軸が太く見える。また、脱力ができることで、重力の力を最大に活用して、その反発力で最大のパワーを発揮することができる。筋肉もコンセントリックの力の発揮よりも、伸長してから素早く収縮する伸長反射を活用することで最大の力が発揮できます。プロ選手は特にコンスタントに高い成績を残すことが求められ、『ラクに動くこと』は疲労回プロアスリートは、競技ごとにサイクルが違うが、ファンクショナルトレーニングなど神経―筋反応や姿勢や動きを改善するトレーニングが行われるのは通常オフシーズンとなる。プロ野球選手の中でもピッチャーのトレーニング指導経験を豊富に持つ清水忍さんに話を訊いた。プロアスリートのファンクショナルトレーニング(株)INSTRUCTIONS代表フィジカルコーチ。フィットネスクラブのトレーナーとしてキャリアをスタート。パーソナルトレーナーとしての実績を積み、立教大学バレーボール部コンディショニングコーチを経て、西武ライオンズ、広島カープ、オリックスバファローズなどプロ野球選手たちにの指導を担当。近年は非常勤講師として数々の専門学校で教鞭をとる。Tarzanなどメディアの取材も多数。お話を聞いた方清水忍さん復の視点からも重要です。こうした物理的な原理を最も効果的に使える感覚を身体に教えることがファンクショナルトレーニングとして目指す部分だと考えています」 そこで清水さんが発想した究極のファンクショナルトレーニングが“しゃくんスクワット”と名づけられた独特なフルスクワット。立った姿勢で膝とつま先は股関節の開きに併せて自然に外側を向けた状態で脱力して膝を屈曲してフルスクワットの姿勢までお尻を自由落下の速度で落とす。下方向へのエネルギーの反発力を利用して身体の軸を同じ場所に置いたまま地面を蹴り上げて立った状態に戻るというもの。軸がぶれる人はバランスディスクの上でこのスクワットを練習することで「軸」の感覚が得られていくという。また、ボールが落ちるスピードと同じ速さでお尻を下方向に落とすことで「脱力」の感覚を掴むことができる。その感覚を、すべての動きの中で実現していけるように動きを身体に覚えさせていく。 「ファンクショナルトレーニングというと、競技特性に合わせた身体の動きに負荷を掛けるというイメージがあります。すなわち、例えば投球動作で手にチューブを持って負荷をかけたり、ゴルフクラブの先端にチューブをつけて強くスイングしたりという事です。しかしこれは間違いです。競技動作に負荷をかけるとかえって軸の位置がずれたり、力みを生んでしまうことがあるので、注意が必要です。いかにラクに動くかを練習するのがファンクショナルトレーニングだと位置づけると、一般生活者の方々にも、楽しく効果的なファンクショナルトレーニングが提供できると思います」軸と脱力の感覚が得られる「しゃくんスクワット」28July,2014 www.fitnessjob.jp

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